複雑・ファジー小説

Re: 星ノ魔法使イ ( No.11 )
日時: 2017/01/02 23:42
名前: 綾原 ぬえ (ID: V.0hQJQJ)

(2)
 楓が教室に入ると、すでに湊と知広がいた。
 二人は一つの机を挟み、大きめの紙に何やら書き込んでいるようだった。
「おはよう——って、なにそれ?」
 どうやら、二人の使っている紙とペンは、魔力に反応して色を出す“魔法筆記具”であった。
 タタタタタタッッ!! とペンが紙の上で踊る。
「っ、できた!」
「くぅ、負けたか……」
 楓は二人に歩み寄ると、机の上の紙を覗き込んだ。
「ああ、これ? “魔法式陣の変換”ゲームだけど」
 勝ったことに対する喜びに満ちた顔で、楓の先ほどの問いに答える知広。
「最近流行ってるらしいんだわ」
 頭をかく湊。楓が見たところ紙の上には各一つ、計二つの魔法式陣が描かれていた。
 魔法式陣とは、魔法を発動する際に一瞬浮かび上がる魔法陣の基本形を図式化したものである。魔法陣は人によって異なるが、魔法式陣は魔法の属性によっていくつかに分類分けされており、変化しない。
 このゲームは、提示された魔法を魔法式陣に変換して、描き出すというゲームらしい
「ふーん、なるほどねー」
 知広と湊から、簡単に説明を受けた楓。しかし、
「でも、これ菱形の勝ちね」