複雑・ファジー小説
- №1 外国人の少女 ( No.3 )
- 日時: 2017/08/27 10:46
- 名前: 雪姫 (ID: ru6kJfJs)
犬山猫坂商店街—
名前の通り、沢山のお店が立ち並ぶ商店街。
ここは昔とそんなに変わらないな…。
私とまーちゃんの思い出のお店がたくさん並んでるや……。
********************************
「知ってる? ちーちゃん」
「何を」
「個々の商店街はね! いぬやまねこさか商店街って言うんだよ!! 犬が山を登って猫が坂を降りるんだよ! 滑り台みたいでしょっ!?」
「わぁ!! ほんとだぁ!! まーちゃん凄い!!」
「ふっふ〜ん、どうだ凄いだろぉ〜♪」
あの時は本気で凄いと思った私だけど、今は全然思わない…時の流れって残酷……。
そういえばなんで、まーちゃんはまーちゃんなんだっけ?
私は千鶴だから、ちーちゃんで……まーちゃんは……?
********************************
「キャッ」
「ん?」
留学生かな?
綺麗な金髪で沢山のノートを持った私と同い年くらいの女の子が、道のど真ん中で転んでいました。
転んだ拍子にノートがばらまかれて、慌てて拾っている…。
でも誰も手伝おうともせずみんな見て見ぬ振りをしてサッサと歩いて行っている…。
まぁ…これが人というものだよね、今まで行ったどの町でもそんな感じだったから…。
私も無視して通り過ぎ去ろうとしたんだけど…
***
「人助けをしたら、大福が貰えるんだよ!」
「まーちゃん…大福じゃなくて幸せだよ?」
「えっ、そうなの!?」
***
まーちゃんと話したことを思い出してしまいました…。
なんでこのタイミングで…。なんだか、まーちゃんに「人助けしてあげなよ」と背中を押されたような気がした…仕方ないので手伝ってあげよう…かな。
「アッ、アリガトウゴザイマス!!」
ノートを拾っただけなのに女の子はペコペコと頭を下げる…。
「いや、もういいですからっ。今度は気負つけてくださいね、それじゃあっ」
「ア!」
何か言いたそうな顔をしていたけど、それを無視して早々にその場を立ち去りました。
だって、他人と深くかかわったところでなにもいいことなんてないのだから……。
---------------------------------------千鶴の日記--------------------------------------------
4月3日(晴れ)
今日は久しぶりに犬山猫坂商店街を歩きました。
昔とそんなに変わってなくて、凄く安心しました。
知らない留学生のノートを拾うのを手伝ったら、凄いお礼を言われました。
もう人助けなんて慣れないことををするのはやめようと思いました…。
☆今日の気づき☆
英語を少し勉強した方がいいと思う。
今日の留学生が日本語を話せて本当に良かった……。