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複雑・ファジー小説
- Re: 精霊狩りとして生きる僕たちは。 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/25 15:37
- 名前: こてつ (ID: 3i70snR8)
1、砂上にて嗤う
ブルルルルルルッ
砂漠に響くけたたましいバイク音。
大気をゆらし、砂埃をまき散らしながら走っていた。
サイドカーにいる男が、運転している坊主頭の男に向かって叫ぶ。
「ねぇ!」
「あぁ!?」
「この荒っぽい運転さ、うわッ、なんとか、うっ、ならないわけ!?ちょっ」
「なんだって!?」
「だから!この運転!!」
「てめえ、声小せえんだよ!もっとはっきり喋れ!」
その言葉に対してサイドカーの男の額に青筋が浮かんだ。
そして口角を歪ませてボソッと呟く。
「…この、脳筋ゴリラ野郎」
「おい!タイガ、聞こえてるぞてめえ!」
「この声は聞こえるのに、なんでさっきのは聞こえないかなあ!」
会話が終わると同時に、バイクが急停止した。
その衝撃でサイドカーのベルトが外れ、タイガと呼ばれた男が頭ごと砂漠に突っ込む。
「よし、無事到着だな」
「え、ちょっとこの状態見て無事って言うのはなんなの?バカなの?」
「おい、タイガ早く立ち上がれ。もうすぐくるぞ」
「…無茶な運転で人を飛ばしといて、よく言えるよね、そのセリフ。ほんと、尊敬しちゃうよリュウちゃん」
「ちゃん付けで呼ぶな」
ブツブツと文句を言いながらもタイガは頭を振って砂を落とし、立ち上がった。
「はっ、そんな変な髪をしてるから砂がつくんだよ」
「変な髪って言わないでくれる?自慢の天然パーマなんだよ?この透き通った金髪、絹を思わせる肌触り。自分が髪の毛無いからって、僻むのやめてくんなーい?」
「……てめえな」
「男の嫉妬ほど、醜いものはないよ☆」
「嫉妬じゃねえよ!」
タイガを睨みつけたあと、リュウは時計に目をおとした。
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