複雑・ファジー小説
- 第???階層 奪う側/奪われる側 ( No.15 )
- 日時: 2017/02/05 21:01
- 名前: 姫凛 (ID: 6nOD4vjp)
ボクにはなにもない
ボクはスベテを奪われた
ボクはキラワレ者
ボクは誰からも愛されたことがなかった
ボクは…
***
『ウサギの耳が生えているなんて変なのー!!』
『キモイ!キモイ!』
『あははっ、逃げた逃げた』
『アイツは臆病者だっ』
『臆病な兎だ!』
『殺せっ!異端者は全て殺せ!!』
『死ね!』
『『死んでしまえー!!』』
嗚呼……
本当に
五月蠅い
耳を塞いでも 大きすぎるボクの耳は 雑音を拾い過ぎて困る
『気持ちが悪いわ!』
『殺してしまえ』
嗚呼 本当に 五月蠅いな!!
『………』
真っ赤だ。 世界が真っ赤に染まり 静になった
雑音が消えた
と 思ったけど
***
ある日 父と母 が 冷たくなって 転がっていた
ある日 異端審問官 に 住み家から追い出された
ある日 食べ物 が 無くなった
ある日 世界が真っ赤 に 染まった
嗚呼 本当に 五月蠅い
邪魔する者はスベテ 全員コロス
奪う/奪われる 人生
ボクは負け組? 奪われる側
世界は赤く染まる 世界は静かになる
世界は…
『世界が憎いか?』
話しかけられた。
イライラして 刀を振り回していたあの日
ボクはヤツ に 出会った/拾われた
『見返したくないか? 貴様を馬鹿にした奴らを』
『憎くないか? 貴様から全てを奪った者達が』
『私と共に来い。世界に復讐する力を授けよう』
ボクはヤツの手を取った。
ボクからスベテを奪ったヤツらから
スベテを奪い取ってやるために—!!
***
研究所に連れて行かれて ボクは育った。
ヒトをもっと確実に 的確に
そして惨たらしいくコロス為の方法を学んだ
***
ヤツに拾われてからしばらくたった。
ここで ボクは権力と地位を手に入れた。
ドルファ四天王なんて呼ばれて 沢山のゴミ(部下)を手に入れた。
使い捨てのゴミクズ。どう使うかはボクしだい。
すべてボクの思うまま
***
ある日 ボクは遊び場(コロシアム)を手に入れた。
表向きは娯楽場。
本当はただの殺し合いゲーム。
命の取り合い/奪い合い
嗚呼、なんだか ポッカリと空いたモノが 満たされる/埋まる ようだった
ボクはこの時 ハジメテ
奪われる側から奪う側になったんだ