複雑・ファジー小説

Re: 紫陽花手帖 ( No.15 )
日時: 2017/10/07 00:40
名前: 小夜 鳴子 ◆1zvsspphqY (ID: jbrtekHj)
参照: 不確かで、けれど、愛おしい世界

 


 
 この世は不確かなものこそが美しい。
 行けたら行く、という約束も、忙しいと言う彼とのデートの約束も、ケーキ屋さんの旬のフルーツケーキも。
 確実なものほど、つまらないものはない。
 ショートケーキの上に乗っかる苺だとか、チョコレートケーキのチョコレートだとか、学校の友達だとか。
 幼馴染は、確実で不確かなもの。見えない糸で繋がれている。時々離れたり、近づいたりしながら、ずっと繋がっている。
 毎日会えない日々も、毎日会える日々も、すべてが愛おしい。
 切りすぎた前髪も、剃りすぎた眉毛も、抜け落ちた眉毛も、跳ねた毛先も、角度の小さなショートケーキでさえも。

 世界は不確かで、確実に愛おしいものだらけだ。