複雑・ファジー小説

Re: 表裏一体〜100degrees〜 ( No.14 )
日時: 2017/12/28 00:01
名前: 麗楓(のんたん) (ID: EX3Cp7d1)


あっという間に年末です。高校三年生になるの嫌だなぁ......(早い)
年すら明けていないのに嘆いている麗楓です。化学の模試50点満点で6点取って驚愕しています。

とりあえず、参照500突破しそうですね。いつも見てくださる皆様、ありがとうございます。
「表裏一体」がこんなに参照行くと思っていなかったです。超くだらないので......。
年内ラストの更新です。よいお年を!


全員の賭け


 教師から頼まれた仕事を無事に終えて生徒会室に向かう。ドアを開けると、そこにはお着替え中の可愛らしい下着を着た七瀬と紫野が居た。
 「赤木くんのエッチぃ!」
 「......え?」
 「リンはブラジャーなら、やっぱり情熱、いや勝負の赤色の方が好き?」
 「いやどうだっていいわ!!!」


 「赤木いいな〜。もしかしてお着替え一部始終見た?」
 「良くねぇし......てか見てねぇよ!」
 「それより赤木、親友から一生のお願いがあるんだけど」
 いきなり真面目な口調に変わる。ヘラヘラしていて脳内エロのことしか考えていない城宮には珍しい光景だ。
 「え、待って俺今結構ディスられてない?」
 そして城宮は一週間に一回、「一生のお願い作戦」を使用してくる。それは俺と城宮の仲が「親友」という言葉をアイツはあざとく言葉巧みに使って、俺の懐......いやポケットにスルリと入ってくるのだ。
 「来週のテストに向けて勉強教えて〜。学年一位の赤木に勉強教えてもらえば、俺だって学年一位取れるよな?」
 「まず二週間前から勉強始めろよ......」
 俺がため息をつくと、七瀬が急に「はいはーい!」と手をあげて話し始めた。ニヤニヤと笑みが溢れる七瀬、何か良からぬことを考えているのが想像つく。


 「"生徒会内"で教科のどれかで一番良い点数を取った人が、王様として生徒会役員に命令出来るっていうのはどう?」
 つまり王様ゲームと同じようなことをする、ということか。しかしそれならば俺が今一番有利であろう。何せ学年一位で生徒会副会長に選ばれたからな。しかし未だに何故紫野が生徒会会長に任命されたのかは謎だが......。
 「命令は先に決めちゃおう。生徒会内で私がもし何かの教科で一位を取ったら、城宮くんにねぎたこ焼き大盛りを奢ってもらう!」
 「だったら俺が一位取ったときは、そっちがねぎたこ焼き大盛り奢ってよ?」
 バチバチと火花が散る争いになりそうだ。まぁお互いが勉強の意識を高め合うことは良いことである。
 「もし私が一位取れたら......リン、キスして」
 「......は、絶対嫌だからな? 全速力で逃げるからな!?」
 「巨峰ちゃんの身体能力舐めちゃダメだよ。ただ者じゃないから」
 ただでさえ最初を奪われているのに、まさか二回目も奪われるのか?
 額から汗が滲む。それだけは絶対阻止しなければならない。しかもあんな真面目な顔で言われたら、うんともすんとも言えねぇよ。
 今は学年一位だとしても、これだけは絶対に手を抜いてはならない。もしかしたら紫野が驚異的な知能を見せて、あっという間に一位の座を奪われて強引に口づけされるかもしれない。
 ......唇柔らかかったような......。
 ハッと我に返り、両手で頬を勢いよくパシンと叩く。こんな煩悩に負けるわけにはいかない。今回の定期試験、絶対に学年一位の座を守って見せる。
 「俺が一位取ったら、全員大人しく生徒会の仕事をしてもらうからな?」
 今、誰も負けられない定期試験が始まろうとしている。