複雑・ファジー小説
- Re: 表裏一体(オリキャラ募集中) ( No.4 )
- 日時: 2017/11/23 14:29
- 名前: 麗楓(のんたん) (ID: hoxlJQ3C)
長すぎてごめんなさいm(__)m
1.理事長からの手紙
「......何故誰もここに来ていないのだ」
呟いても返事をする者はいない。強く握りしめた手紙はシワシワになっていた。ぐしゃぐしゃにしたホテルのシーツのようでぼろ雑巾だと思えた。
手紙をゆっくりと開き、もう一度手紙の文章を目で追う。目を細めてじっくり読むが、やはり内容の通り俺は行動したはずだ。
『平成27年4月1日水曜日、この手紙を受け取った者は各々理事長室へ集まること。理事長.橙梨甘』
そして今現在、理事長室の扉の前にいる。そびえ立つ扉は俺に圧迫感を与えた。木で作られている扉は人々にぬくもりを与える、なんて言うが今はそれどころではない。
理事長に呼ばれたとしか考えようのないこの手紙、まさか俺を退学させようとしているのか?
俺は麻薬に手を染めるような間違いなどした覚えはないし、学業の面で劣ることはないはずだ。
考えられるのはただ一つ、生徒会の役職を与えられることだけだ。
制服の胸ポケットから生徒手帳を取り出す。パラパラとページをめくると、『鹿波高等学校校則第121章 生徒会についての規則』と書かれているページを見つける。
『2.各生徒会メンバーは事前に理事長から通達が来る。』
これとしか考えられない。生徒会役員になるときは必ず理事長から何らかの通達がくるという噂は聞いたことがあったが、まさか本当にくるとは。
となると俺の役職は決まっている、生徒会会長という座に君臨するに違いない。学年1位を常に維持し成績はトップ、全国模試は他の都道府県の進学校に劣らない成績で上位をキープしている。
俺以外に誰が生徒会会長に勤まると思うか、誰も勤まらないはずだ。今この瞬間、俺は生徒会会長として降臨しこの学校を1週間で支配するのだ!
「あららぁ、残念ながら生徒会会長の座にはつけないのよぉ? ごめんなさいねぇ」
「......りっ理事長!?」
「心の声が全部ただ漏れだったわぁ。あなたは生徒会副会長として生徒会に励んでくださいねぇ。結局あなた以外誰も来なかったわ。さすが問題児ばっかりねぇ」
「も、問題児? というより生徒会会長は一体誰が」
「いいですかぁ? この生徒会は先生方、そして理事長であるこの私、橙が決議させていただいているのよぉ。もちろんあなたのように秀才が選ばれたりすることもありますぅ。ですが生徒の更正の意味も含めて選ばれているのよぉ。
去年までは更正の意味で役職を与えられた人は少なかったのだけれどぉ、今年はやけに多いのねぇ」
「......それで生徒会会長というのは」
「紫野巨峰に役職を与えたわ。会長と共に手を取り合いながら、前に進むのですよぉ。そうそう、あなたに早速お仕事ですぅ」
渡された紙は病院までの地図だった。その横には『精神科.63号室』と書かれていた。この街で最新の医療技術を導入している病院だった。
「あなたの最初の仕事は紫野巨峰を学校に連れ戻すことぉ。それではよろしく頼みますねぇ」
「......は、はあああぁぁぁぁぁ!?」
今、俺の生徒会人生が始まる。