複雑・ファジー小説
- Re: AnotherBarcode アナザーバーコード ( No.34 )
- 日時: 2020/12/20 14:58
- 名前: ヨモツカミ (ID: QHUQtp81)
【コラボ】 No.04 宵と継ぎ接ぎ
(ダーク・ファンタジーより、ライターさん署、『宵と白黒』とのコラボ企画です)
クラウス「久々のコラボ企画でテンション上げ上げウェーイって感じ! 台本書きとかこのノリが苦手なやつは必殺〈ブラウザバック〉をするんだぞ!」
ジン「テンション高、うざ、うるさ……しかも今回、君の出番ないから帰ってくんない?」
クラウス「…………えっ?」
トゥール「お前は以前のコラボ企画、それから闇の系譜出張座談会でも活躍したから、これ以上お前に給料出すのが惜しいとかで、今回お前がどんなに喋ってもギャラは発生しないらしい」
クラウス「ちょっ、なんでだよ! オレ絶対作中1の人気者なのに? オレがいなかったらつぎばは金賞とか管理人賞取れてねーからな!?」
ジン「調子乗らないでくれる? 賞頂いたのは君の活躍関係ないから。読んでくださってる読者の皆さんのお陰と、僕という主人公の頑張りのお陰だよ。あとは作者がありもしない画力と慣れないアプリでイラストを描いてみたら結構登場人物の顔が良かったとか、そういう点じゃない? なんにせよ、見てくださってる方のお陰であって君の活躍じゃないね」
クラウス「ん? んー、でも顔の良さで作品が評価されたなら、ほぼオレのお陰じゃん! オレ作中の公式イケメンなんだぜ? ジンはイラスト化されるとき、目付き悪いのをアイプチでどうにかしてるだけのくせに、お前こそ調子乗ってんじゃねーし!」
ジン「僕は可愛い担当だからショタコン共に媚を売るためにはアイプチするしかなかったんだよ! そもそも、イラストの顔の良さの話なら君よりトゥールのほうが人気だからね? 公式イケメンでも無いのにイラストでは美化されまくって、ホントクソみたいなトカゲだよ、主人公の僕を差し置いて『トゥールさんカッコイイ~』とかちやほやされてさ、調子乗らないでほしいよ、鱗の色塗りいつも失敗されてるし、本編での出番がないまま1年以上経過してたくせに、インナーのデザイン決まってないからいつもローブ羽織って誤魔化してるくせに……」
トゥール「もうその話は終わりでいいか? クラウスはとにかく出番がないから帰ってくれ。楽屋においてあるお菓子は全部持ち帰って構わないから」
ジン「何勝手なこと言ってんの!? 楽屋のお菓子、埼玉の川越名物『芋恋』だよ⁉ 僕食べるの楽しみにしてるんだから」
トゥール「すきあらば川越語りするのもやめろ……そうやって『まあ座れ話はそれからだ』の舞台が川越であることをアピールしたり、作品の紹介をしようとするな……と、作品名を出しとけと、台本に書いてあるから言っただけだからな、俺は」
ジン「あ、コラ、予め台本が用意してあることは内緒って約束だったでしょ、全く! 作者があわよくば作品の宣伝しようと小癪なこと考えてるのがバレちゃうじゃないか」
クラウス「ヨモツカミ、汚いやつだな」
ジン「全くだよ。……とにかく、クラウスはそろそろ本当に邪魔だから帰ってね。芋恋は食べていいから」
クラウスはまだギャーギャーと文句を言っていたが、ここまでのグダグダで既に1000文字超えてるの流石に心ちゃんに申し訳ないので、ご退場頂きました。
ジン「はい、この流れで、まさかあのコミュ障のトゥールがコラボ企画に参加!? なんて騙されたヒトが多いかもしれないけれど、勿論トゥールは参加しないよ。騙されたヒトも多いんじゃないかなっていうか、途中までトゥールに行かせようとしてたせいで書き直すのが面倒だからなんやかんやっていうのがあって、」
トゥール「……そのへんは黙っておこうな」
ジン「ライターさんの希望もあって、とあるヒトを呼んでいるよ。はい、トト。もう部屋入ってきていいよ」
ここでクラウスと入れ替わりで入ってきたのは、紺色の癖毛気味のツインテールに、長い前髪で目元を隠した若い女。バーコード殲滅なんとかかんとか隊(私も正式名称忘れました)のハイアリンクである、トトだ。
一応本編ではトゥールとトトは面識がないし、そもそもバーコードとハイアリンクである時点で敵同士なので、こんなふうに顔を合わせたら普通、殺し合いが始まってしまうのだが、この時空ではそんなことは起こらないのだ。
トトの登場により、自然にフェイドアウトしていくトゥール。
トト「はいっ、こんにちはー。番外編時空、初めてだから変な感じねえ。それに、まさかわたしが呼ばれるとは思ってなかったからビックリしてるんだけど。まあ、ジンと一緒なら変に緊張せずにやっていけそうかな」
ジン「久しぶりだね、トト。君も緊張とかするんだね?」
トト「そりゃあね? でもヒトと話すの好きだから楽しみ! さて、どんなヒトがくるのかなー」
ジン「じゃあ、ゲストお呼びしまーす。『宵と白黒』より、トワイとリュゼさん、部屋入ってきていいよー」
夕焼け色の目を瞬かせて、やや遠慮がちに紺髪の青年が入室してくる。
落ち着いた雰囲気を纏った少女が、空色の瞳で部屋を見回しながら後に続いた。白いメッシュの入った黒髪が揺れる。
トワイ「えーと……あー、主人公? のトワイ、です」
リュゼ「ご紹介に預かりました、リュゼ・キュラスです。よろしくお願いしますね……あ、リュゼでいいですよ!」
ジン「うん、はじめまして。じゃあ、遠慮なくリュゼと呼ばせてもらうとして、僕はトワイと同じく、主人公のジンだよ、よろしくね」
トト「特にヒロインでも何でもないトトでーす! よろしく!」
と言って笑顔でトワイとリュゼの手を掴み、握手するトト。
リュゼ「トトさん……良い名前だと思います」
トトを見て微笑んで、ジンに顔を向けるリュゼ。
リュゼ「ジンくん? さんの方が良いでしょうか……」
トト「そう? 1回犬に付ける名前みたいだって馬鹿にされたことあるから、なんかそう言ってもらえると嬉しいねー、ありがと」
ジン「みんな僕のことは呼び捨てかジンくんって呼んでくるね。まあ、余程酷いあだ名つけてこない限り不快になることなんてないから、好きなふうに呼びなね」
リュゼ「ええと……では、ジンくん、でよろしくお願いします」
トワイ「ああ、よろしく頼む」
少しトトの手を握り直して、トワイは首を傾げる。
トワイ「……ジンって今いくつなんだ? 違ったら申し訳ないんだが……ジンと同い年っぽい殺し屋より、もっと年上の雰囲気してるなと思って」
ジンはちょっと驚いた顔をしつつ、ニヤリと怪しく微笑んだ。
ジン「ふふ、トワイは鋭いんだね? みんな僕のこと、ただの子供だって馬鹿にするからね……ていうか、殺し屋? 君こそ、なんの仕事してるのさ」
トワイ「一応殺し屋やってるよ。っても、別に殺しばっかじゃないけどさ。ジンは? 学生じゃないよな、どう見たって」
ジン「わ。殺し屋ってそんな公言できる職業じゃない気がするけど、まあいいや。僕はそうだね、学生でもただの子供でもない。トワイが感じ取ったもので大体合ってるよ」
トワイ「ただの子供でもない、ってとこが気になるけどな……その顔の縫い跡とかさ」
ジンを見て首を傾げ、さらにちらりとトトに目を向けるトワイ。その横から、リュゼが口を挟む。
リュゼ「トトさんも……戦ってる、って雰囲気です。なにかお二人も力──異能力、とかを持ってるのですか?」
トト「あ、わかる? リュッちゃんもヒトを見る目あるねえ。わたしは戦闘訓練を受けたことはあるけど、ふつーの人間だから、ちょっとナイフの扱いが得意なだけかな。ジンは人間じゃなくって、バーコードっていう……まあ、さっきトワくんが気にしてたこの縫合痕とか見てわかる通り、とにかく人間じゃない種族でね、〈シュナイダー〉っていう、ナイフを大量に召喚する〈能力〉を持ってるんだよ」
ジン「ちょっとトト、めっちゃ僕の個人情報勝手に喋ったね!? まあ、別にいいけど」
トワイ「と、トワくん……リュッちゃん……」
リュゼ「いいじゃないですか、可愛くて。私は好きですよ」
トワイ「や、別にオレもちょっと驚いただけだよ。……バーコード、ね。こっちの世界における『真名』みたいなもんかな」
首を傾げるトワイとリュゼ。
トワイ「あーでも、それを持ってるヒトが、人間じゃない種族? だったら違うか。持ってるヤツの方が特別、ってことだろ? 真名は、誰にでも平等にあるものだからな」
ジン「へえ、なんだか面白いね。誰もが平等に何かしら生まれつき異能力的なものを持っている。ってことかい?」
トト「むしろ持ってないことが不自然、みたいなことになるの?」
リュゼ「そうですね。魂に刻まれた真名と、自分を守るための異能力、って感じです。例えば、私なら『時間を戻す』とか」
トワイ「異能力を持ってないやつ、ってのはあんまり見たことないな。というか、持っていないやつはいないんじゃないかと思う……あ、第三者によって奪われてる場合を除いて、だけど」
ジン「時間操作なんて、可愛い顔して強そうだね……で、奪う? 魂に刻まれているものなのに、奪われしまう場合があるの? それ、奪われたら大変なことになるんじゃないの」
リュゼ「わ……ありがとうございます」
驚いて、少し笑うリュゼ。
リュゼ「そういう特別な力を持った人がいるんです。『真名奪い』って呼んだりとか……真名が奪われたら、異能力も使えなくなって、記憶喪失になっちゃうんです。私の親戚のひとが、今そうなってしまっていて」
トワイ「だから真名を取り戻しにいこう、ってのがオレたちの目標なんだ」
トト「うっわー、記憶なくなっちゃうのは寂しいね。私そういう世界の生まれじゃなくてよかった! 奪われる記憶も能力もないもん」
ジン「トトは記憶失ったら寂しいって思うんだね。僕は消したい記憶のほうが多いくらいだけど……」
少しだけ悲しげに微笑みながら横目でトトを見てから、ジンはトワイに向き直る。
ジン「でも魂に刻まれた、なんて抽象的なもの、どうやって取り戻すの? 魂も異能力も形のあるものじゃないから、奪う、取り返すって言うのも少し想像しづらいけど」
リュゼ「ジンくん……」
少し悲しそうなジンを励ますような声で、リュゼは続ける。
リュゼ「さっき私が言った『真名奪い』、あの異能を持っているひとは、チカラを発動したときに魂を視られるらしいんです。それを使って真名を奪って、なんらかのモノ……例えば指輪とか、ネックレスとかに封じるんです」
トワイ「それが今回の場合だと懐中時計だな。それを取り返しに行く」
リュゼ「伝承とかでしか、詳細が伝わってないことでもあるんですよね……実際に起こることなんですけど、あまりにも実例が少ないというか」
トト「ひえー。リュっちゃんとか、まだ子供なのに、そんなのに立ち向かおうなんて、勇気あるね。てゆーかめっちゃお話変わるんだけどさ、2人ってどんな関係なの? トワくん殺し屋なんでしょ? リュっちゃんみたいなただの可愛い女の子が殺し屋と知り合うって、異常じゃない?」
トワイ「関係……? 関係……」
リュゼ「ありがとうございます」
楽しそうに笑うリュゼの横で、首を捻るトワイ。
リュゼ「関係ですか……? 私は双子なんですけど、私の姉がトワイさんに依頼をしたんですよ。そうやって知り合いました」
トワイ「そう……そうだな。その後色々あってこうなった感じだ。詳しくは本編を読んでくれと作者が言ってる」
ジン「あ、説明ぼかした」
トト「ライちゃんもそういうことするんだね(笑)
それにしても、双子のお姉ちゃんいるのいいなあ! どんな子なの? リュっちゃんに似て美人さんなんだろうねえ」
リュゼ「かっこいいひとです! 私とは違って活発で、思い立ったらすぐ行動って感じの。私はロングだけど、姉さん……シュゼはショートボブなんです」
トワイ「ライちゃん……もしかしてトワイライトが由来だって分かったのか?」
(作者の乱入:えっ、気付かなかったけど、トワイさんとライターちゃんでトワイライトなのね!? めっちゃえもいやん)
トト「わたしは気付いてました~。黄昏時と白と黒。トワくんとリュっちゃんに、あとお姉さんのシュちゃん、作者のライちゃんも合わせて『宵と白黒』なんだね。そういうのってすごく素敵!」
ジン「リュゼ、お姉さんの話するときすごい楽しそうじゃないか。それだけ仲良しなんだね。姉妹っていうのも悪くなさそうだね」
(作者の声:バレたか(?) だから私はwriterじゃなくてlighterの方なのです(つまり火を着けるヤツ)。長くなりそうなので、それだけ)
トワイ「オレの師匠が付けてくれた名前なんだ。色んな意味を込められるから、名前って大切だよな」
リュゼ「双子だと顔が似ているから、私たちの場合は髪を染めたりすれば入れ替わるイタズラとかできるので楽しいですよ!」
ジン「名前ね。僕の名前の由来は“刃”って文字から来てるってお母さんが言ってたような。あ、そうだ。入れ替わりで思い出したけど、僕の知り合いの研究員のメルフラルってやつが、双子の弟がいるって言ってたよ。子供の頃は入れ替わるイタズラをしたって話してた。双子あるあるなのかもね」
リュゼ「ジンくんはナイフを呼び出す能力を使える、ってさっき言ってましたし、ピッタリですね! メルフラルさん……どんな方なのか会ってみたい気もします。双子なの一緒ですし、あるあるとか話せたら楽しいだろうなあ」
にこりと笑って言うリュゼ。
ジン「あ、メルと会話するのはやめたほうがいいよ」
トト「うん、メルさんとお話するのはやめたほうがいいよマジ」
ジン「たとえ次回もこうやってコラボする機会があったとしてもメルとだけは話さないほうがいいから、本当に」
リュゼ「……? メルフラルさんはそんなに危ない方、なんですか?」
トワイ「ジンだけじゃなくて、トトさんまでそう言うんだったらそういうことなんだろうな……」
トト「危ないなんてもんじゃないよ、あのショタコン、ジンにガチ恋してるから、わたしのことひがんで嫌がらせしてくるんだよ! 本当に性格悪い!」
ジン「そう! あのショタコン、僕が可愛い生意気な少年だからってベタベタしてきて猫なで声で名前呼んできて……あと性格悪い!」
リュゼ「ショタコン……それはなんか、こう……」
トワイ「そういうヤツはどこの世界行ってもいるんだよな……頑張れジン、オレは応援してるぞ」
ジン「うう……帰ったらまたベタベタされるんだろな……でも頑張るよ。──さて、話の流れ的にも文字数的にも丁度いいから、そろそろ締めとするかな。最後にリュゼとトワイ、何か言い残したこととかあるかい?」
トワイ「えーと、とりあえず今日はありがとう。ジンたちと話せて楽しかったよ。……いや、もっと主人公風なこと言えればいいんだけどさ、オレはそういうの苦手だから月並みで悪い」
リュゼ「私からも、ありがとうございました! ───最後なんですけど、作者がカメラ持ってきたので写真撮りませんか?」
ジン「カメラって……あの、撮られると魂を抜かれるって言うやつかい?」
トト「ジン、それ老人の考えた都市伝説だから。いいよ! わたしは思い出に残るもの好き! ジンなんて放っといて3人で撮ろうよ!」
トワイ「それはオレも聞いたことがあるな……いや、都市伝説だとは思うんだけど」
リュゼ「モノとして残るのっていいですよね……では撮りますよ、ジンくんも!」
ジン「都市伝説……いや、別に本気で信じてるわけじゃないよ、いいよ、撮ろうじゃないか」
思い思いのポーズを決めて、カメラに向き合う。この場合撮影者って誰なんだろう、作者なのか、三脚立ててタイマーなのか。まあそのへんはどっちでもいいだろう。
はい、チーズ。パシャ!
***
撮った写真は後日送られましたとさ……
END
***
心ちゃんと呼ぶべきか、ライターさんと呼ぶべきか。とりあえずコラボしてくれてありがとう!
宵はくの外伝が複雑ファジーにあるんですけど、(宵と白黒 外伝 とかで調べれば出るも思う)私は実はその話がめっちゃ好きなので、それを読みつつ本編を読むとより楽しいと思うので外伝おすすめです。先に外伝読んでから本編読んだら面白いのかも。
今回、みんな楽しそうにしてたし、私がコラボ慣れしてきたのもあってなんか楽しかったな。いや、毎回コラボは楽しいんですけど。