複雑・ファジー小説
- Re: AnotherBarcode アナザーバーコード ( No.41 )
- 日時: 2021/03/21 20:27
- 名前: ヨモツカミ (ID: MrY5jOgD)
【コラボ】 No.05 完結記念の系譜
クラウス「トゥール、聞いたぜ! アケに出番取られたってな!」
トゥール「取られたわけではない。怒るぞ」
クラウス「まあいいじゃん。そのうち出番くるって」
ジン「そうだよ、落ち込まなくていいよトゥール」
トゥール「落ち込んでない。お前ら噛むぞ」
アケ「……そういうわけで、こんかいはぎんちくさんにしめいしていただいて、コラボによんでいただきました。ありがとうございます」(これ以降アケの漢字変換縛りが面倒なので漢字表記します)
ジン「アケ1人で大丈夫? なんかあったら呼んでいいからね」
アケ「ジンくんありがとう。わたしは大丈夫だよ。相手のヒトもかっこいいお兄さんって聞いてるし。楽しみ」
ジン「カッコイイ……ふん、そんなのどうせ顔だけのもやしでしょ。騙されないように気をつけるんだよ?」
アケ「? わかった。それじゃあ、お呼びします。闇の系譜主人公の、ルーフェンさん! お入りください!」
ルーフェン「どうも、こんにちは。お招き頂いてありがとうー」
ジン「……ほら、顔がいいだけのもやしだよ、白くて顔がいいだけじゃん」
アケ「ジンくんうるさいから早く出ていって。ルーフェンさんこんにちは、うちの主人公がごめんなさい、今出ていってもらうので」
ルーフェン「あはは、早々に失礼だなぁ。男の嫉妬は醜いんじゃない?」
ジン「なんだこのっ……!」
アケ「ジンくん」
ジン「く~~ッ、この! 若白髪!」(退出)
ルーフェン「じゃあねー、ジンくん? なんだかからかい甲斐ありそうな子だったね」
アケ「わたしが言うのもなんですけど、子供っぽいところばっかなのに年上ぶったりお兄ちゃんズラしてくるヒトで……ちょっと困ったさんです」
ルーフェン「まあ、そうむくれないで。きっと君のことが可愛くて仕方ないんだよ。ところで、君の名前を聞いてもいいかな?」
アケ「自己紹介まだでしたね。アケです。多分13歳くらいです。今日はよろしくお願いします」
ルーフェン「アケちゃんだね。知ってると思うけど、俺はルーフェン・シェイルハート。闇の系譜シリーズの主人公やってるよ。こちらこそ、どうぞよろしく」
アケ「聞いていたよりもカッコイイお顔でびっくりしました。なので、こうしてお話できるのがすごく嬉しいです」
ルーフェン「本当? アケちゃんみたいな素敵な女の子に褒めて貰えると、俺も嬉しいな。あと数年も経って、大人になったアケちゃんが相手だったら、さっきのジンくんとやらが、それこそ二人っきりにはさせてくれなかったかもしれないね」(手を取って)
アケ「そうなのかな。でも、どんなヒトと一緒にいるかなんてわたしの自由だから、ジンくんにそういうこと言われたら、ジンくんのこと嫌になっちゃいそう」
ルーフェン「だから男の嫉妬は醜いよ、ってね。でも、そう言わないであげて。それだけジンくんは、アケちゃんのことが大切ってことなんだよ」
アケ「そっか。ジンくんがそう思ってくれてるとしたら嬉しいな。……あ、お話だいぶ逸れちゃった。完結記念コラボなんだった。ルーフェンさん、完結おめでとうございます」
ルーフェン「ああ、ありがと。といっても、改まって祝う必要があることなのかどうかは、甚だ疑問だけど……」
アケ「でもルーフェンさんや他のヒトたちが頑張ったから完結したんだよね? んーと、そしたら、おめでとうというよりお疲れ様なのかな。とにかくすごいと思う」
ルーフェン「そうだね。まあ確かに、銀竹は疲れたしめでたいって叫んでたよ。当事者からするとよく分かんないんだけど、随分長く書いてたみたいだからね」
アケ「ルーフェンさんはあんまりそう思ってないみたいだけど……」
ルーフェン「うーん、どうだろう。長かったっていう点は同感だけど。……なーんて、暗い雰囲気にするつもりじゃないんだ。折角来たんだし、ありがたくお祝いしてもらうよ」
アケ「うん! ルーフェンさんは笑顔の方がカッコイイからね。ね、ルーフェンさんは好きな食べ物ってある?」
ルーフェン「好きな食べ物かぁー……甘ったるいものはちょっと苦手だね。ご馳走してくれるの?」
アケ「ルーフェンさんがよかったら! わたし、オムレツ作るの得意なの! 大丈夫、甘くないオムレツだから」
ルーフェン「えーほんと? とっても嬉しいよ。まさかアケちゃんの手料理を振る舞ってもらえるとは思ってなかったなぁ」
アケ「えへへ、じゃあ少し待っ」
(入室)ニック「ボクですらアケの料理食べたことないのにそんな胡散臭い男にご馳走するなんて許さないぞ! 許さないぞ!!!(泣)」(退出)
アケ「…………ごめんなさい、怒られちゃったからまた今度」
ルーフェン「そっかぁ、残念だな。アケちゃん、随分保護者が多いんだね。ていうか何、もしかして、この部屋見張られてんの?」
アケ「監視カメラついてるのかな……あそこの観葉植物のところとか」
ルーフェン「なるほどね、わざわざ別室で俺たちを見ているわけだ。じゃあアケちゃん、しっかり進行しないといけないね?」
アケ「わわ……しっかりする。と言っても記念コラボって言われてるだけで、何をしなきゃとかは言われてないんだけど。ルーフェンさんのこと色々知りたいな」
ルーフェン「あれ、そうなんだ。行き当たりばったりはいつものことかもしれないけど、企画丸投げって、アケちゃんも大変だねぇ。俺のことかぁー……知ってもらえるのもいいけど、俺はどちらかというと、アケちゃんのことが知りたいな。アケちゃん、今日、ここへは誰と来たの?」
アケ「今日? さっき部屋に入ってきた金髪の、ニックていうヒトとマリアナさんっていう青くて綺麗なヒトと一緒にきたよ。呼ばれてるのはわたしだけだし、1人で行けるって言ったんだけど、着いてきてくれたの」
ルーフェン「それと、最初にいたジンくん? ってことは、三人が部屋の外にいるのかな?」
アケ「ジンくんは主人公だから、他の企画の仕事してるかもしれない。ニックとマリアナさんは本編の仕事無くなってニートだって言ってたけど」
ルーフェン「そう、なら見張りは二人かぁー……ね、どうする? 二人くらいだったら、出し抜いてどこか行っちゃう? 監視されたままじゃ、思うように話せなくない?」
アケ「わあ、ルーフェンさん王子様みたい。えへへ、何処へ連れて行ってくれるんですか?」
ルーフェン「俺が王子なら、アケちゃんがお姫様だね。そうだなぁ……二人きりになれて、且つお姫様の緊張がほぐれるような場所がいいね。着いてからのお楽しみってことで、どう?」
アケ「素敵~!」
バァンッ(入室)ニック「コラコラコラうちの子に何しようとしてんスか!? マジなにしてんの通報するっスよ!?」
アケ「ニック魔王ごめんね、わたしをさらってくれる王子様に出会っちゃったから……」
ニック「誰が魔王やねん! 帰ってきなさい!」
ルーフェン「ごめんね魔王、ちゃんと夕方には帰ってくるよ。ほらお姫様、手を出して、目をつぶって。今から、魔術で移動するよ」
アケ「魔術……! よ、よろしくお願いします!」
そう言ってアケは手を差し出しながら、キュッと目を閉じる。
引き止めてくる魔王の叫び声がふっと消え、次に聞こえてきたのは、微かな葉擦れの音と、小鳥たちの鳴き声であった。
2人の目の前には、なだらかな花野が広がっている。
初春の日差しが燦々と降り注ぎ、爽やかな風が吹き上がると、花の良い香りがふわりと立ちのぼってきた。
ルーフェン「……ついたよ、目を開けてごらん」
アケ「えっ? さっきまでつぎば事務所にいたのに。すごい、綺麗! ルーフェンさんどうやったの?」
ルーフェン「移動陣を使ったんだよ。まあ、魔術の一種さ。どう? ここなら他に誰もいないし、のんびりお話できそうでしょ」
アケ「すごいなあ。ルーフェンさん、ありがとう。一瞬で移動しちゃう魔法も、こんなに綺麗なお花畑も、初めて。……そうだ。ルーフェンさんは、こういう景色を見けてあげたいヒトっている?」
ルーフェン「見せてあげたい人? 今は、君に見せてあげたいと思ったんだけど、そういう話じゃなさそうだね」
アケ「んー、ルーフェンさんって王子様みたいにカッコイイから、いろんなヒトにモテそうだけど、その中にルーフェンさんが好きな人はいるのかなって。わたしより、もっと一緒にこの景色を見たいヒトがいるのかもって」
ルーフェン「褒めてくれてありがと。はは、そういうこと。アケちゃんくらいの年頃の女の子は、その手の話が好きだよねぇ」
アケ「それで、どうなんですか?」
ルーフェン「んー、どうしても知りたい?」
アケ「……2人だけの秘密にしますから」
ルーフェン「そうだなぁ……じゃあ、もっと近くに来て。耳、貸してくれる?」
アケ「んー?」
ルーフェン「……な、い、しょ」
アケ「もう! ルーフェンさんの意地悪!」
ルーフェン「あはは、アケちゃん可愛いなぁ。そこは、意中の人がいるかどうかなんて聞きたくないって言ってほしかった気もするけどね?」
アケ「単純に気になったの。ルーフェンさんみたいなヒトが大切に思うヒトって、どんななのかなあって。優しいヒトなのかな、綺麗なヒトなのかなって」
ルーフェン「そりゃ、男だし、優しい女の子も綺麗な女の子も好きだよ。アケちゃんみたいに、髪が綺麗な子も素敵だなーって思うし」
アケ「髪も見た目も綺麗な優しい(?)ヒト……アレクシアさん?」
ルーフェン「ん? アレクシアちゃんのこと知ってるの?」
アケ「うん。マリアナさんが、綺麗で優しいって言ってた」
ルーフェン「アレクシアちゃん、確かに美人ではあるけど、性格はきつい印象だなぁ。まあ、そこがいいって人もいるんだろうけど。そのマリアナさんってのは、そういう感じなの?」
アケ「うん! マリアナさんはすごく綺麗だし優しいよ! この間縄跳びっていう遊びの一番難しい技“はやぶさ”ていうの教えてくれた」
ルーフェン「いや、若干意味が違うけど……。まあ、いいか。そのマリアナさんって、さっきの事務所の外にいた子なんだよね? へえ、俺も話しておけばよかったなぁ」
アケ「……ルーフェンさん女のヒトなら誰でもいいの?」
ルーフェン「はは、そう言われると語弊がある気がするけどね。そういうアケちゃんこそ、かっこいい男の子がいたら、気になるお年頃なんじゃない?」
アケ「うん、カッコよくて優しいヒト大好きだから、ルーフェンさんのことも好き。だけど、普通はみんなわたしのことを嫌がるから、あんまり迷惑かけないようにしてる」
ルーフェン「見慣れない特徴の相手を嫌う人間ってのは、一定数いるからね。気にならないって言ってくれる人とだけ、仲良くすればいいと思うよ」
アケ「わかってるけど、やっぱり寂しいなって思う。わたしはみんな仲良くできたらいいのにって思うの」
ルーフェン「そう考えてる大人ばっかりじゃないから、難しいところだよね。生まれた時から、あえて仲違いしようなんて思ってる子はいないんだろうけど、それでも、世間的には叶わないんだから、不思議だね」
アケ「うん……ルーフェンさん急に真面目な大人みたいなこと言うね」
ルーフェン「やだな。俺はいつだって、真面目で優しい、大人のお兄さんだよ? ドキドキした?」
アケ「うーん、さっきみたいにし続けてたらもっとカッコイイのに」
ルーフェン「分かんない? 非の打ち所がなさすぎても、面白みに欠けるってもんなんだよ」
アケ「ふふ。確かにそういうルーフェンさん、素敵だと思う。……さて、そろそろ文字数的に丁度良くなってきたかな」
ルーフェン「アケちゃん、急に文字数とか言うじゃん。まあ、そうだね。戻らないと、いい加減魔王が怒りそうだし」
アケ「そうだね。ねえ、ルーフェンさん。今日はありがとうございました」
ルーフェン「こちらこそありがとう。君と話せて楽しかったよ」
アケ「うん、わたしも。この場所も、魔術での移動も凄かった。1日だけお姫様にしてくれてありがとうございます」
ルーフェン「そんなに何度もお礼を言わなくなって、アケちゃんの笑顔が見られたから俺は十分だよ。それじゃ、帰ろうか」
アケ「うん!」
***
銀竹さん、ご協力ありがとうございました。というわけでサーフェリア編完結おめでとうございます!
完結後のルーフェンさんに色々聞こうと思ってたら何も聞けなかった(笑)