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複雑・ファジー小説
- Re: 全員、死刑 ( No.1 )
- 日時: 2018/02/11 15:32
- 名前: ろん (ID: 8tXGWQSz)
あぁ
どうして
人間はこんなにも薄情で
辛辣で
残酷で
僕を嫌うのだ。
殴られる痛さ、周りに見捨てられる目、嘲笑うよな周りの声、全部知ってるんだ。
知りたくなかった。知られて欲しくなかった。
ーーー今頃後悔したって。
「……………?!」
周りの見捨てるような目は、驚くような、いや、驚く目に。
嘲笑う声は、誰もいなくなったかのように静かに。
僕は、人を殺めた。
「っ…!?」
僕は自分がやっていないとでも主張するかのようにその場から離れる。
一歩、二歩、三歩と下がると、驚く人々も一歩、二歩、三歩と。
ーーーー何故だ。
今まで自分を虐め、まるで底辺を見るかのような人間共が、今、自分を恐れている。
嬉しかった。その狂った感情さえも、自分が人を殺めた何とも言えない感情を掻き消すために使った。
何故こうなったか。思い出したくもなかった。遡る度、鼓動が早くなっていく気がした。
「こいつ…死んだのか?」
「おい!救急車呼べよ!!!!!!」
経験した事ないからだろうか。困惑し、震えた声で誰かが叫んだ。
その時、置いてあった机を強引に押しのけ、声の主へと急ぐ。
何故急ぐのだ。自分の事を他人事のように疑問に思い、考える事をやめた。
返り血を浴びる。
生々しい音と共に飛び散った血は、汚かった。
ドロッとした血は、中々皮膚から離れないもので、顔に滲んだ。
そんな事は気にせず、僕は殺し続けた。
快楽。この一言だけで表せる感情だった。
後先なんて考えなくていい。これが何よりの快楽、束の間の。
僕はゆっくり立ち上がる。相手が息をしていないのを確認して、息を吐いた。
全員、死刑
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