複雑・ファジー小説
- Re: 運命を変えたその先は。 ( No.3 )
- 日時: 2018/05/31 01:25
- 名前: ピオーネ (ID: O/vit.nk)
【Ⅰ】『これから解決しなければならない問題を気にもとめず雪は降る』前編
Pluviôse Brocoli duodi.
Temps nuageux plus tard la neige.
目の前の眩い光が消え、チカチカする目をゆっくり開けると、そこには中世のような可愛らしい街並みが広がっていた。
横に向くと、ワカさんと目が合ったので挨拶をしておいた。
「あ…。ワカさん、改めてよろしくお願いします」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。そう言えば、あなたのお名前は?」
「私はフェイニスです。マスターからはフェイって呼ばれることが多いです」
「そう。じゃあフェイちゃんって呼んでいいかな?」
「あ、大丈夫ですよ」
ほぼ初対面のままマスターに半強制的に同行させられたのだ。とても気まずい空気が流れている。
「こ、この国でいう星くず祭、通称『Star Dust Festival』はプリュイヴォーズの時に丸々1ヶ月かけて開かれるビッグイベントなんだ!その時は学校も休みだし仕事も週2日とかになるんだって!」
「へぇー…。そうなんですか」
こんな国もあったのか。私はまだまだ世界を知らないと感じた。
「ところで…今日は何日の何曜日なんでしょう?私はここの国の暦が全くわからないので…」
「今日はBrocoliだよ。んで、曜日は2曜日。他の国で言うと2月の12日かな」
「なんか不思議な暦ですね…。というかよく分かりますね」
「一応1ヶ月暮らしてた身ですから!因みにこの暦は昔起きた大きな革命が起こった時に制定されたんだって!」
「へぇ、この国の独自の歴史から生まれた暦だったんですね」
「うん、そうみたい…それと、一応同い年くらいの女子同士だし、お互い気楽に呼びタメにしようよ。なんかぎこちない感じがする」
「そ、そうですね…」
「あ、また敬語使った。もー…今からフェイちゃん敬語禁止!」
「えぇ…まぁ、分かりまし…じゃなかった。分かった!」
敬語禁止令なんて…。まぁ、マスターじゃないしたまには…。
「うんうん!その方がいいよ!それじゃあ、本題である私の友達に会いに行こっか」
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「紹介するね!私の友達のフェイだよ!」
彼女の友達に会うことは出来たのだが、開始数秒でこの有様である。友達って、出会ってまだ10分も経ってないですよ。お客様。
「あ、フェイニスです。みんなからはよくフェイって呼ばれてます」
うっかり敬語を使ってしまった。何かワカさんの方から視線とオーラを感じるような…。うん、気のせいだろう。
「ふーん。お前、フェイって言うのか。俺はアルダ!よろしくな!」
「私はロコです!フェイちゃん、よろしくね!」
「僕はベストリー。フェイニスさん、よろしくね」
「アタシはティアラよ!よろしくね、フェイ!」
「アタシはマベリアっス。フェイさん、よろしくお願いするっス」
「皆さん、よろしくお願いします!」
なんだかまたワカさんの方から視線とオーラを感じたが、軽く流して置くことにした。
私から敬語を付けるくせはまだ取れないようです—