複雑・ファジー小説
- 世界観 ( No.1 )
- 日時: 2018/07/15 23:19
- 名前: ぶてふ (ID: 2BoeNg8x)
*世界観*
◎仮想大国、ヴィルフューズ
「ヴィルフューズ」……それはある一つの世界と別の世界(いわゆる異世界)の間をつなぐ中継地。仮想空間(ヴァーチャルスペース)上に存在するそこは、異なる五つの世界からやって来た、様々な種族の“人類”が行き交い、共に生活している。その様子は、もはや単なる“世界の狭間”ではなく、一つの大国のように感じられる。
ヴィルフューズは電子制御された人工的な仮想世界でありながら、自分の意思で現実の世界と同じように動くことができ、五感もあり、他者と音声を用いた会話もできる。
ヴィルフューズ内で生活する場合、現実世界で必要な生活習慣は、たとえ仮想世界であろうと行わなければならない。食事を摂らないままでは、いずれ空腹で飢えてしまうし、一日中ずっと活動したら眠気も自然に湧いてくる。
◎五つの世界と五つの人類
ヴィルフューズがつなぐ世界は「人間界」、「妖精界」、「機界」、「獣界」、「亜界」の五つがあり、それぞれの世界に全く異なる種族の“人類”がいる。
■人間界
「ヒューマン」と呼ばれる人類の世界。自分たちの考える最もオーソドックスな人類、つまり「人間」の世界。手先が器用で、誰かとのつながりを重んじる人が多い。仮想世界「ヴィルフューズ」創設者、フォースター・オブズマンはこの世界の出身。現在の人口は約55億人。
■妖精界
「フェアリー」と呼ばれる「妖精族」の世界。身長は妖精というだけあって低く、15〜20cm程度が平均。高い人でも30cmちょっと。見た目はさほど人間と変わらない。想像するところの妖精のように羽は持たないが、空中を浮遊する能力を生まれながらにして持つ。観察眼に優れ、自然への造詣が深い。華々しい名前の割にはきっちりとした縦社会がある。人口は約130億人。
■機界
「ドレイド」と呼ばれる機械生命体の世界。別名、「機甲人」。体内構造のほぼ全てが機械化されており、電気とも違う、「フォート」と名前が付けられている特別なエネルギーで動いている。外見は人間と瓜二つなものから、ただの球体のようなものまで多種多様。各自の持つ能力(機能)も千差万別。特性上、普通の食事よりも、フォートの充填(いわゆる充電的なもの)をはるかに重視している。人口は約20億人。
■獣界
「ゲーシア」と呼ばれる半獣半人の世界。いわゆる「獣人」。ゲーシアの特徴はその身体能力の高さにある。鋭敏な知覚、俊敏な脚力、剛健な筋力など、種による個人差はあるが他の種族と比較して軒並み優れている。根本的に生活様式が他のそれと異なるため、独特の風習や文化といったものが多く見られる。郷土愛が強く獣界から離れない者が多いせいか、ヴィルフューズ内の割合は少ない方。人口は約18億人。
■亜界
最も異質と目されるこの世界には、「エッジャー」あるいは「淵を行く者」と呼ばれる人類が細々暮らしている。見た目も他と比べて一線を画していて、「まだ人間に近いもの」から「不定形な何か」まで多彩。意思疎通や会話、自律的かつ理性的な思考および動作が可能であれば「人類」のくくりにぶっこんでしまおうとした結果である。「エッジャー」には魔法と呼ぶにふさわしい特殊能力が備わっている。その桁違いな影響力は人々の畏怖と好奇の対象となり、疎ましく思われたり嘲られたりすることも少なくない。人口は3000人。ヴィルフューズ内ではゲーシア以上に少ないレアな種族。