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１日目『五月蠅い、ウルサイ』





ああ、五月蠅い。
この教室で、『今』に神経を集中させると、この世から消えてしまいたくなるほどに五月蝿く感じて、耳を塞ぐ。
お願い、静かにして。
そんな願いは届きはしない。
ごめん、お前はいいんだ、謝らないで。
優しくて、悲しくて、虚しくて、でも、五月蝿くて。
五月蝿くて、うるさくて、ウルサクテ、ウルサクテ、五月蝿い。
言えない。
理解してもらえない。
笑い話。
笑うなよ。
五月蝿いから言ってるのに。
嫌なのに。
笑顔で、軽々しく。
「ごめん、ごめん」
また、喋りだす。
本当にやめてほしい。
わかる人はいない。
居てくれやしないんだ。
楽しいはずの話題だって、
この時はだだ、
ただ、
五月蝿いんだ。
お願い、お願いだから、
少しだけ、黙って、この空間を私だけにしてくれませんか？
この世から、消し去ってくれませんか？
殺して、くれませんか？
ああ、五月蠅い。
五月蠅くて、ウルサクテ、
耳を塞いで塞いで、
五月蝿さから逃げ回って
行き場のない苛立ちを募らせ
腕に隠せない傷を作る
ビクビクしてる
そんな日々が
また今日もループするんだ。

『五月蠅い、ウルサイ。』
fin