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複雑・ファジー小説
- 優雅なる朝餉(あさげ) ( No.2 )
- 日時: 2018/12/03 23:58
- 名前: PePe (ID: exZtdiuL)
優雅なる朝餉(あさげ)
「うん食べたいや」
桜子はそう言って割れたガラスを拾いながら発言する。こういう事はいいんだけど割られる気持ちも考えてくれ。冬の時期に割った時、ガラスの業者が来れなかった所為で、すっごく寒い思いをしたから。
「分かった」
零は起き上がって体を少し動かした後、パジャマ姿のまま部屋の戸を開ける。桜子もあっさり簡単にガラスを回収し、鞄の中に収納する。
零は台所に移動し、フライパンを取って油を布かずに冷蔵庫から生卵を取り器の中に二つの生卵を割って入れる。次に【生卵の黄身をスプーンで二つ掬って白身と黄身の二つに分ける。】零はそのまま白身をフライパンで直に焼いた。すぐに少し濁った白身は真っ白へと変貌を遂げる。零は焼けた白身をお皿に移し、次に黄身だけで焼いた。
何故こう言う事をしているのかと言うと【桜子は濃い味の濃厚な味の食べ物が食べられないから】である。食べると嘔吐してしまう、脆弱で繊弱なのだ。黄身は濃い味なので彼女、桜子は食べられないのである。
零はそんな優しさを持った人間であった。だが彼の目的を聞くと【そんな優しさも紙の様に薄く感じてしまう】のは不思議だった。
そして黄身も焼き終わり器に移し、零はリビングで寛ぐ桜子に完成の旨を伝える。
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