複雑・ファジー小説

Re: 「死ぬな」なんて聞き飽きた僕ら ( No.12 )
日時: 2019/05/11 20:02
名前: Nahonn (ID: 3nlxUYGs)


 「神崎さん、ちょっと良い?。」

 いじめのサブリーダー格の女が話しかけてきた。

 今日は別に目立った事なんて………

 ひとつだけ思い出した。今日の朝の事だ。

 クラスの女子グループの中にあの中の誰かが好きな子がいるのだろう。

 断れば良かった。

 心底そう思う。



 「うわ、どんくさw」

 「ノートも要らないよね。切っちゃお。」

 「蹴るんなら見えない所にヤりなよ。センセーにばれちゃう。」

 「バケツ持ってきてーwwwww。」


 痛い……。


 「死ねよw。つかこのストラップダサっ。」

 「可愛くしてあげようよ。」

 「耳切っちゃえ!。」

 「うわー。可哀想。」

 
 それ。大事なやつ……。


 「じゃあ、おしまい。行こ。こいつの性でスイーツ食べ損ねたくない。」


 良かった。もう終わりだ。

 私はストラップを拾い上げた。

 このウサギのストラップは、あの子との大事な思い出の品だ。


 そういえば、朝の内容。気になるな。



 『これ、神崎さんにだってさ。』

 そう、鹿山君に渡された手紙。

 『中身は見てないよ。』

 勿論。という顔をして鹿山君はそう言った。

 『これって……。』

 『そ、xから。』



 手紙の存在は隠し通したので切られたり、破かれたりはなかった。

 ほっと胸を撫で下ろす。


 「あ。」


 校舎から誰かが見ていた。畠中さんだ。

 目が合うと、そっぽを向かれてしまった。

 
 あの日のことをまだ怒っているのだろう。