複雑・ファジー小説

Re: 「死ぬな」なんて聞き飽きた僕ら ( No.19 )
日時: 2019/06/14 19:20
名前: Nahonn (ID: bb2N.JWt)


 「ゲームの内容的に言っても大丈夫なんじゃないかな?。」

 比留間さんが手紙に目を落としたままそう言った。きっとカード(役割)の事だろう。

 「そうだね。」

 僕も同意した。


 「このゲーム………。松本杏奈もやったのか?。」




 山澤君が、今一番言ってはいけないことを言った。

 僕や畠中さんはもちろん、皆が動揺し、焦ってしまうだろう。

 「これで、松本杏奈………いや、杏ちゃんの死の真相を知れるんだ…………。」

 山澤君は、前を向いた。真っ直ぐな瞳が、僕らを写していた。

 「杏ちゃんのこと、ずっ、………と後悔してたんだ。」

 そう言えば、山澤君と松本さんは幼馴染みだ。関わりが無さすぎて忘れていたが。

 きっと松本さんの命日に何かがあったのだろう。

 後悔してもしきれない、そう彼は言った。

 「それじゃあ、山澤クン。君…………。」

 鹿山くんが目を光らせた。

 「ああ。…………………もういいだろ、百合(畠中百合巴のこと)。」

 山澤君がそう言って畠中さんをみた。

 畠中さんは山澤君を一瞬だけ睨み付けると、そっぽを向いた。





 「俺と百合と、しお(神崎汐里のこと)は、前のゲームの参加者だ。」





 その事実が、裏切りのように感じた。