複雑・ファジー小説

Re: 「死ぬな」なんて聞き飽きた僕ら ( No.23 )
日時: 2019/07/22 11:52
名前: Nahonn (ID: DLaQsb6.)


 僕はゆっくりとドアを閉める。

 電気をつけていないからか、人見さんに恐怖を与えてしまったようだ。

 人見さんの顔色は暗くなっていった。

 「神崎さんの件、知ってるよね。」

 恐怖を与えないように僕は微笑んだ。

 しかし、逆効果のようで人見さんは恐る恐る頷いた。

 「僕が思うに、神崎さんとクラスの人の間になんらかのトラブルがあった。」

 きっと、神崎さんの死にたい理由はこれだろう。

 人見さんは頭を抱えてしゃがみ込んだ。

 「この学校はいじめを許さない。大丈夫だよ。先生達には言わないよ。」

 この学校はいじめを許さない。否、許せない。

 世間から有名エリート私立学校のレッテルを貼られたこの学校は、悪目立ちするのを嫌うのだ。

 いじめの主犯格の人見さんは只では済まないだろう。

 人見さんは恐る恐る口を開いた。