複雑・ファジー小説

Re: 何回目かの初めまして。 ( No.13 )
日時: 2019/06/30 22:00
名前: 白刃 さとり (ID: DLaQsb6.)




 私が、幾つもの時代で生きたように

 そして、君もまたその世界で生きるのだろう。






 「朔が………死んだ……?。」

 朝のホームルーム。先生にそう告げられた。
 音が、止まった。景色が、止まった。それほどに朔の死は私の中で大きかった。

 止まっていた音が、景色が、漸く動き出した頃には、もう私は家の前にいた。
 振り返るとそこは昨日と同じような夕暮れ時。遠くまで広がっている空と、山並み。日が、山の端に沈みかけている。流れていく雲が、この世界がとてつもなく広いことを示していた。この世界のどこかに朔はまだ生きているんじゃないか。そんな愚かな考えさえも頭を過ってしまう。
 私は、逃げるように眠りについた。