複雑・ファジー小説

Re: 何回目かの初めまして。 ( No.16 )
日時: 2019/07/10 22:40
名前: 白刃 さとり (ID: DLaQsb6.)


 つづき


 6.2回目の始めまして[朔]

  俺は、思わず彼女の名前を呼んでいた。

  朔…

  そう呟いた彼女の声は、歓喜と不安に包まれていた。


 7.何回目かの最期[朔]

  やっぱり、君のいない未来なんて考えられない。

  そう言って、俺は楓と共に深い眠りについた。


 8.昭和時代真ん中[楓]

  あ。

  空に舞った君のハンケチが、追いかけろといっている。

  そして車道に飛び出した。


 9.江戸時代真ん中[朔]

  俺は、楓と川へ飛び込んだ筈だった。

  心中なんて馬鹿馬鹿しいと神が言ったのだろう。

  しかし隣には、冷たくなった君がいた。


 10.蒼[楓]

  君の瞳は何処を見ているの?

  何処へ向かっているの?

  私のいない君の人生なんて考えたくない。