複雑・ファジー小説

Re: 何回目かの初めまして。 ( No.17 )
日時: 2019/07/16 20:31
名前: 白刃 さとり (ID: DLaQsb6.)


 朔目線

 「楓。」

 恐る恐る、彼女に話しかけた。それは、まるで試すようなやり方で言ってからちょっと後悔した。楓は顔を上げる。

 自己紹介の時、誰よりも驚いていたのは彼女だった。まるで、夢の中にいるような。

 それが”恐る恐る問う”という行動にさせた理由の1つだ。

 「うん。なあに?。」
 思ったより、彼女はあっさりと返した。でも、その瞳はさっきよりも苦しそうだった。

 まず、俺に逢いたくなかったのか、そう考えてしまった。無理もない。こんなに苦しいのであれば逃れていたい。そう思うことだってあるだろう。

 「楓。ちょっと良いか?。」
 その気持ちを払拭するかのように俺はそう言った。