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複雑・ファジー小説
- Re: 何回目かのサヨウナラ。 ( No.8 )
- 日時: 2019/07/30 20:27
- 名前: 白刃 さとり (ID: jx1peQyr)
「亜里彩。売られるの?。」
ふと、亜里彩は憂鬱にそう言った。叶は手を止めた。
「そんなことはしないっ。」
持っていた布を置いて叶は言った。亜里彩はぼうっとした瞳で叶を見つめた。叶は感情を表に出したことが恥ずかしかったのか、顎を引いて斜め下を向いた。
「ここに居て良いの?。」
叶は微笑んで頷いた。そして、亜里彩のおでこを撫でる。亜里彩は戸惑ったような顔をした。
「私、呪われてる。周りの人間、傷つける。」
亜里彩の目に涙が浮かんだ。
「うん。そっか、辛かったね。怖かったね。」
叶は亜里彩のことを抱きしめた。
亜里彩は叶の腕の中で思いっきり何叫んだ。
初めて少女は両親以外の人間に甘えた。
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