複雑・ファジー小説
- Re: 今日の宿題:明日までに人間を殺してください ( No.6 )
- 日時: 2019/06/18 21:25
- 名前: 塩鮭☆ユーリ (ID: 7/pkw8b6)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12560
☆第1章 シニガミガッコウ 第5話
その時だった。
雑音と騒音が入り乱れる大通り、黒いローブをかぶり、透明人間と化した俺たちは、あるものを見た。
幽霊。
現世をふよふよとさ迷う幽霊は、目が虚ろで、屋敷にいる幽霊たちとはどこかが違っていた。女子高校生なのだろう、膝丈より少し短くした制服スカートに、紺色のジャケット、薄い茶髪の髪はポニーテールにしていた。
足はーーない。
彼女がスニーカーを履いているのか、はたまたローファーなのかもわからない。
「行ってくる」
ファミは反論する余地すら与えず、俺に荷物を押し付けるだけ押し付けると、ひゅんっと高い指笛を鳴らした。待ってましたとばかりに、ファミの鎌が猛スピードで飛んでくる。
とりあえず端のほうへ行って地面に荷物を置いた。
幽霊とファミは空中に浮いている。二人とも他の人達には見えていない。
別に、そこで戦いが始まるわけでもない。
何か話していたが、困ったようにファミが振り向いて、女子高生の幽霊を連れてやってきた。近くで見たからわかったのだが、幽霊は、目鼻立ちがしっかりしていて、ファミほどはないけれど可愛かった。
相変わらず目は虚ろなままだったが、喋ることはできるようで、意志疎通が可能だった。
「キミ、この幽霊が見える?」
「うん」
俺が頷くと、ファミはやっぱり、という顔をしながら事情をかいつまんで話してくれた。
曰く。
彼女ーー須田原友里亜は、好きな男子に告白する直前に事故にあい、亡くなってしまったという。そのせいで、心残りがあって、現世にとどまってしまったという。
友里亜は、俺を品定めするようにじっくりと見るとファミに向かって口を開いた。
「年下だけどまぁいいわ。背も高いほうだし、顔も悪くない。このくらいで妥協しといたげる」
唐突な言葉に俺の脳内が?マークでいっぱいになる前にファミが説明をいれてくれた。
「心残りっていうのが、男子とデートしたことがないってことらしいの。それでキミ、悪いんだけど明日一日この子とデートしてくれない?」
……は?
断りたい。
ファミの頼みでも、こっちだって初デートである。
本当に好きな人とデートしたいと思うのは勝手だろうか。
しかも。
「デートしたとして、幽霊じゃ、俺が一人で出掛けてるみたいになるじゃないか」
俺がどうして幽霊が見えるのかはわからないが、周囲には見えてないようである。
二人でデートした場合、一人でデートスポットを回るように見えないだろうか。それは普通に嫌だ。俺が黒いローブを被ればいいのかもしれないが、それではおそらく死神の店はともかく普通の店での買い物は難しい。なにしろ透明人間なのだから。
「そこのところは手をうっておくから大丈夫」
ファミがそう言うなら大丈夫なのだろう。