複雑・ファジー小説
- Re: 今日の宿題:明日までに人間を殺してください ( No.7 )
- 日時: 2019/06/26 18:23
- 名前: 塩鮭☆ユーリ (ID: 7/pkw8b6)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=1190.png
挿し絵つき。
URLにのせているのでよかったら見てください(*- -)(*_ _)ペコリ
☆第1章 シニガミガッコウ 第6話
翌朝。
ファミの屋敷で自分の部屋としてもらった部屋から出ると、そこにはファミが立っていた。
……いや、ここはファミの家なので、ファミがいることに疑問を持ったわけではない。
ただーー。
服装が、全く違う。
いつもはオーバーオールに長い髪をたらしているのだが、今朝は。
レースのついた白いシャツに、瞳の色に合わせたのか赤いチェックの吊りスカート。純白の髪を赤いチェックのシュシュでまとめている。
「秘技、なんだってさ」
俺が驚きのあまり動けないでいると、ファミが口を開いた。確かにファミの声だがーー何かが違う。
「よくわかんないけど、この体を貸すって言われて、今あの死神の意識はない。この姿で、デートできるな」
愉快そうにそう言われ、俺は戸惑いながらも納得した。
秘技ーーというからには、何かあるのだろう。俺に見えないところでわざわざするようなものが。
「じゃあ、行こっか」
使用人の幽霊さんたちに見送られながらも、俺は屋敷を後にした。
友里亜の外見は普通とだいぶ違うため、この田舎を抜けて町に来たときなんかは、振り返らない人がいないくらいだった。
「どこに行くんだよ」
初デートは、好きな人と。
そう思っていたが、思ったよりもすんなりと受け入れられた。
それは、俺が仕事だと割りきったからなのか、友里亜がファミの外見をしているからナノかはわからないが。昨日の抵抗感はすでになかった。
自然につなぐことになった手も違和感がない。
「デートといったら、遊園地よ!」
ぴょんっと、楽しげに飛びはねると、再び俺を引っ張ってこの町の遊園地へと向かった。
ーー遊園地、ね。
「どれで遊ぶ?ジェットコースター?観覧車?お化け屋敷?」
入場券の列に並びながらも一向に変わらないテンションで話しかけてくる友里亜に、俺は実は……と、打ち明ける。
「遊園地って、初めてなんだ」
家族でも行ったことがない。そもそも、まともに家族で出掛けたことなんてないのだけど。
「へぇっ!そうなんだ!じゃあじゃあ、全部のらなきゃねっ!」
入場券やらなんやらをファミのお金で買うと、友里亜はまず、観覧車へと俺を引っ張っていった。彼女の性格的に、ジェットコースターに延々と乗り続けるタイプかと思ったが、そうではないらしい。
「まずは、この観覧車から、遊園地のどこに何があるのかキッチリ把握するよ!」
地図を見ればいいんじゃ……っていう言葉は、彼女のキラキラした笑顔を前に何も言えなくなった。