複雑・ファジー小説
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.1 )
- 日時: 2019/06/13 21:54
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
ある夏の日、大阪府。
ここは大阪府某市の市立第五中学校。
市内で有数のマンモス校。三つの小学校の卒業生が入学してくる。
そして、三年のクラスが並ぶA棟二階。
三年六組が私のクラス。
「.....おい!.....おーい!」
ハッと目を覚ました。
坂野
「.....はっ?!何や!?」
???
「もう数分で次の授業やぞ!!理科室へ移動せんと!!」
そう言ってやかましく起こしたのは、私の友人。
坂野
「おう、すまんやったな。下場」
下場 春山(もとば はるや)
「遅刻するとこやったぞ。移動するで!!」
ガサゴソと理科の持ち物をまとめた。
下場
「俺が日直で良かったなぁ。カギ閉めんで~!」
坂野
「へいへい。行きましょか」
ガラガラガラ.....ガチャン、と教室のドアを閉め、カギをかけた。
下場
「急ぐで!!」
タッタッタッ.......
そうして半ば走りながら教室へ向かった。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.2 )
- 日時: 2019/06/13 21:53
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
同じ棟の一階にある理科室Aのドアを乱暴に開けた。
ガラガラガラ!!!
下場
「間に合ったっ。.....セーフッ!!!」
坂野
「マジで危なかったわぁ.....」
国谷先生
「下場ぁ!!坂野ぉ!!早う座れ〜!!」
ササッと椅子に走り、荷物を置いた。
キーンコーン.....カーンコーン......。始業のチャイムが鳴り終わった。
国谷先生
「.....学級委員号令っ!!」
坂野
「起立っ!!!」
皆がガタガタと椅子から腰をあげた。
そして、恒例のアレが始まった。
国谷先生
「.....!!おいおい、名札はどうした真北ぁ?お前もだぞ妹尾ぉ」
真北 元気(まきた げんき)
「職員室に借りに行きますよ〜..」
妹尾 朋美(せのお ともみ)
「すみません。教室に置いてきました.....」
先生はハァ.....、と溜め息をつき、坂野にアイコンタクトを出した。
坂野
「気を付けっ!!.....礼っ!!」
続々と「お願いしまーす」と声が聞こえてくる。
授業の始まりだ。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.3 )
- 日時: 2019/06/13 22:06
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
チョークの音が理科室に響く中、理科の実験道具が係に配られた。
国谷先生
「何時も言ってるが〜安全には注意だぞ!!」
皆がそれぞれの返事を返す。
私の班にも配られた。
どうやら電極を使った電池の実験の様だ。
「ねぇねぇ〜」
突然、声をかけられて体ごと反応してしまった。
坂野
「.....!?.....な、何や?」
その声は立見の声だった。
立見 由緒(たつみ ゆい)
「いやいやびっくりし過ぎでしょ.....」
クスクスと笑ってこっちを見た。
坂野
「んで、何だよ??」
立見
「あのさ〜ちょっと教えてほしいとこ、あるんだよね。きてきて〜」
異性と接する事に何ら抵抗の無かった私は
「ハイハイ、何処が分からんのや?」と班の中で移動した。
立見
「ここの化学式が良く分からないんだけどさ、教えてくれない?」
私は「転校して少しだから分からないのかな?」
そう思って出来るだけ親切に教えた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.4 )
- 日時: 2019/06/13 22:25
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「これがそうだから陰イオンになるんや」
指差しでプリントをなぞりながら、私は解説した。
立見
「電子が持ってかれたらプラスで、入ったらマイナスなのか〜!!すごい!」
相手は合点して頷いた。
国谷先生
「私語を慎め、坂野〜。」
話していると先生に注意された。
真北
「おいおい坂野〜、授業中に公開デートかぁ〜?」
真北はニヤニヤしながら、私を弄り始めた。
坂野
「うるせぇ!!勘違いすんなよっ!」
私は半ば笑いながら訂正した。
立見
「いいな〜。私も彼氏欲しいなぁ〜」
坂野
「!...ほら、余計な事言わん!!むしろ勘違いされるやろーが!!」
相変わらず立見はクスクスと笑ってこっちを見つめるだけだった。
そしてしばらく経ち、終業のチャイムがなった。
皆が号令の後、ぞろぞろと教室へ戻っていった。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.5 )
- 日時: 2019/06/13 22:37
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
さっきの理科の授業が、六時間目だったから学活に入った。
ガラガラガラ!!
亀家先生
「はい学活するぞ〜。時間割かくにーん。はいどぞ」
彼は私のクラスの担任教師。
ノリが良いと評判がある。
妹尾
「.....六時間、数学でーす。」
下場
「確認終わり〜」
亀家先生
「はい、ありがとうございま〜す。他、委員会や係の報告はありませんか?」
回りはシーンとしている。
亀家先生
「はい号令」
.....そしてそれぞれ部活や委員会、帰宅していった。
私は毎週一回の学級委員会に出席していた。
大体はここ最近のクラスの様子の報告だった。
坂野
「.....っはぁ〜!!終わった終わった。疲れたっ部活行こ。」
そして私の所属している部活「銃剣道部」の部室へ向かった。
因みに副部長だ。
今日も練習試合が楽しみだ。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.6 )
- 日時: 2019/06/13 22:59
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
ここは体育館。
私の部活の活動場所だ。
カンッカンッ!!と練習の打ち合いが始まった。
「かま〜え〜!!!.....銃っ!!!」
部員達は一斉に自分の銃剣を構えた。
部長の掛け声と共に突き上げる。
蓬田 孝(よもぎだ たかし)
「突けっ!!((エイッ!!))突けっ!((エイッ!!))終わり!!全員、練習試合の準備しろっ!!」
「ハイッ!!」の返事と共に走り出した。
副部長の私と対し、部員達が試合を仕掛けるそうだ。
大変だ。
そう思ってた時、部長が私の方をチョンチョンとつついてきた。
坂野
「おん?どしたんや部長」
蓬田
「ついさっきな、新しい部員が入った。お前を知ってるらしいで?」
坂野
「それは気になるな〜」
そんな会話をしていると、部員の皆が整列して練習試合を待っていた。
坂野
「よっしゃ、やったるで」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.7 )
- 日時: 2019/06/13 23:13
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
バチンッ!!バチンッ!!銃剣同士が弾き合う音が響く。
エイヤッ!!!
坂野
「突き!!」
後輩部員
「うごッ!!!」
蓬田
「坂野!!」
周りからはおぉ〜、と言う声が聞こえてきた。
坂野
「腕回りが落ち着いてないっ!!もっと気を締めろ!!」
後輩部員
「はいっ!!」
これで連続5勝目だ。疲れてきた。
坂野
「そろそろ練習試合はお仕舞いだろ〜?」
蓬田
「せやな〜。そろそろ各自練習するか」
後輩部員の一人が手を挙げた。
後輩部員
「.....私が戦います!」
私はそんな勇気のある後輩に、心底驚かされた。
坂野
「そうかそうか!!最後やしな、ええぞ!」
蓬田
「おい、良いんか?坂野」
私はヒソヒソ声で、
「所詮女や。勝てる勝てる。赤子の手を何とやら」
そして銃剣を構えた。
坂野
「遠慮はせぇへんぞ!!行くで!!」
私は早速、銃剣を突き上げだ。
これで決まるかと思っていたが、その部員は手に持つ銃剣で受け止めた。
バチンッと大きな音が響く。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.8 )
- 日時: 2019/06/14 16:05
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「.....はっ!?」
私の銃剣は宙を舞い、
「エイヤッ!!」の声と共に銃剣の先が、私の首に突き付けられた。
蓬田
「え、マジかよ」
周囲はシンと静まった。
後輩部員
「どうですか?敗けを認めます?」
私は潔く認めた。
この状況は覆せない。
坂野
「せやな、認める。認めます」
調子に乗っていた分、とても恥ずかしい感情が込み上げてきた。
その後輩は面を取り、顔を見せてきた。
上田 恵美(うえだ えみ)
「上田と申します。今日からよろしくお願いします!」
その子は微笑みながら、こちらに挨拶した。
私はまた驚かされた。
後輩で新入部員、こんな華奢な女子生徒に負けるとは。
坂野
「よろしくな。君が新入部員か。」
蓬田
「あんな大口叩いといて、こんな結果じゃまだまだやな」
ニヤニヤしながらそう言った。
顔面丸潰れだ。
蓬田
「こいつ、才能あるかも知れんで。お前が世話したれ」
坂野
「マジか?そりゃ困るわ」
蓬田は「拒否権は無い。やれ」と。
私は渋々世話する事になった。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.9 )
- 日時: 2019/06/14 16:23
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
「まず、何をしようか。練習?素振り?」
私は練習メニューを考えたがまとまらず、部長を頼った。
蓬田
「まずは基本や、素振りさせろ。」
坂野
「へいへい」
そんな事で体育館の端で、個人練習を始める事にした。
坂野
「まずは基本。構え銃!!」
その掛け声に応じる様に、彼女は構えの姿勢になった。
「突けっ!!」「戻せっ!!」「突き上げっ!!」
私は基本形を全て行わせた。
あっという間に帰宅時間となった。
上田
「副部長、今日はありがとうございました。」
坂野
「明日も基本や。お疲れさん。」
そして私は家に帰った。
両親は父方の母が病気に倒れ、九州に手伝いに行っている。
その為、しばらく私の独り暮らしだ。
「もしもし、今、帰ったよ。」
帰ったら親の携帯に電話するのが日課だ。
坂野
「あ〜疲れた、疲れた。ホンマ大変やで世話は。」
私は制服のまま、テレビを点けた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.10 )
- 日時: 2019/06/14 16:36
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
「.....ぇ.....ねぇ.....」
誰かが私の体を揺さぶる。
「ねぇってば!!」
坂野
「ハッ!?寝てた!テレビを消さんと。風呂入らんとあかん!」
私は飛び起きた。
???
「お風呂は入ってるよ?」
坂野
「お、そうか。それはどうm.....」
私は一瞬、硬直した。
「.....この家には俺しかいないはず。.....ならば誰の声だ?.....」
少し考えた。
すぐに気づいた。侵入者がいると。目の前に。
坂野
「お前誰ッッ!?」
???
「あなたの同居人」
そう答えたのは立見だった。
坂野
「立見。何故お前がここにいるんだ?」
私は妙に冷静だった。
立見
「そんな事はどうだって良いよ。」
坂野
「いや、良くない。お前、何漁ってんだ。やめろ」
立見は私の私物を漁っていた。
大変だ。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.11 )
- 日時: 2019/06/14 16:47
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「俺の、私物を、漁るな。」
立見
「これから生活するから、荷物を整理するの。待っててね。」
私は侵入者を家から追い出す為、銃剣を取りに行く事にした。
話が通じないのならば、実力行使だ。
???
「ダメですよ〜。勝手に行っちゃあ。」
(誰なんだ?)
咄嗟に階段前の廊下、横を向いた。
坂野
「死ぬッ!?」
???
「敗けを認めます?」
どっかで聞いたワードだった。
そこには銃剣を構えた上田がいた。
私の銃剣だった。
坂野
「お前、立見とグルか?」
上田
「さぁ?」
そして最悪の夜を迎えた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.12 )
- 日時: 2019/06/14 17:12
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「お前ら、大概にしろや。あと自由にさせろ。」
拘束された。私は抵抗したが無意味だった。
立見
「いや〜、純君の部屋は趣味があるね。」
上田
「そうですよね、憧れますね!先輩!」
坂野
「おい、人の部屋を勝手に見んなや。ふざけんなよ」
私は「何が目的や?」と聞いてみた。
彼女らは、「率直に言って付き合って欲しい。無理なら殺して私達も。」
何を言ってるんだ?私には到底理解できなかった。
坂野
「付き合え?無理や、無理。もっとええ男一杯おる。冷静になれ。」
立見
「じゃ〜殺すよ〜?」
彼女はニヤニヤしながら言った。
立見
「私は、あなたが好きなの。あなただって今日の理科の授業で優しく.....」
坂野
「それは善意や。好意とは違うで。」
上田が遮る様に入ってきた。
「副部長、殺しますよ?」
それはまずい。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.13 )
- 日時: 2019/06/14 17:59
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
ずっと監視されていて夜も眠れない。
これは辛い。
坂野
「な、なぁ。風呂に入らせてくれや。」
立見達は「んじゃお背中流します。」と言って拘束器具を外し着いてくる。
外された時に抵抗しようとしたが、腕を掴まれ無理だった。
坂野
「あのなぁ、服を脱ぐときくらいな、独りにさせろ。」
流石に当然と思ったのか、出ていった。
「逃げちゃ駄目だよ!!」そう言って部屋のドアの前に突っ立っていた。
私は急いで窓を開けた。
「音が鳴る。バレる。まずい。急げ急げ.....!!!!」そう内心は焦り、窓を開けきった。
「行けたっ!!」私は一目散に逃げ出した。
パーキングから車の横を通り、逃げた。
坂野
「はっはっはっ.....!!逃げた!!よっしゃ、やったったで!!」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.14 )
- 日時: 2019/06/14 18:11
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
家では立見達が逃げ出した事に気付いた。
焦っている様だ。
立見
「逃げちゃった。何で.....何で.....」
上田
「先輩、絶対捕まえましょう!!想いは伝える事に意味があるんですよ!!」
立見
「そうだよね!!」
そんな中、家をそのままにして逃げ出した私は下場の家を頼った。
息を切らしながら走りきった。
坂野
「お、おーい!!下場ァァ!!助けてくれ!」
今は午後8時。普通なら迷惑行為だ。
下場
「.....!!坂野やんけ!!どしたどした!?」
坂野
「お、俺を匿ってくれ!!」
下場
「お、おう!」
そして家に入った。
床の感覚で裸足の事に気づいた。
下場
「ほい、お茶。後、スリッパ履け。」
坂野
「おう、すまんすまん」
スリッパを探しだし、適当な物を履いた。
私は下場の淹れたお茶を飲んで、話し出した。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.15 )
- 日時: 2019/06/14 22:43
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「お、俺のクラスにさ?東京から来た立見っちゅう女子がおるやろ?」
下場
「おん、おるな」
坂野
「そいつがさ。..........俺の家にカギかけてんのに入ってきやがった。」
下場は驚く素振りを見せ、「そんでそんで??」と続きを聞きたがった。
私はお茶を一杯飲み、続きを話始めた。
坂野
「俺はテレビ点けとってさ、そのまま寝てんさ.....」
坂野
「んで目が覚めたら拘束されてんだよ.....」
下場は少し疑ったが、制服姿で裸足で逃げて来た事を考えると直ぐに信じた。
「ヤベェな.....」驚き混じりの共感を口にした。
下場
「お前、家に帰るんか?」
坂野
「そりゃそうや。あいつら多分、まだおるって。」
下場
「今日はここに泊まれ。危ない。警察に電話するわ。」
下場は電話に向かい、110番にかけ、私の家の住所を話した。
「これで安心や。」と彼は言った。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.16 )
- 日時: 2019/06/14 22:54
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
翌朝、私は学校を欠席した。
靴はサンダルを借り、家に戻った。
坂野
「さ、気を付けんとな.....」
家の前に来るとパトカーが停まっていた。
それも気にしつつ、私は玄関を通った。
私は.....人生で一番恐ろしくなった。
坂野
「血か?.....何でこんなに.....」
そんな時、リビングの方から一人の男性が歩いてきた。
その方は警察官の格好をしていた。
???
「やぁ君が坂野 純君かい?」
そう言いながら警察手帳を見せてきた。
坂野
「は、はい。そうです。」
末松巡査
「某市警察交番の末松と申します。親御さんは?」
坂野
「両親は祖母の病気の為、手伝いに行ってます。私一人です。」
末松巡査は少し不安そうな顔をしてリビングに連れてくれた。
末松巡査
「君宛ての手紙が置いてあったよ。血で書かれてる。大丈夫かな?」
私はその手紙を読んだ。
確かに血で書かれている。えげつない。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.17 )
- 日時: 2019/06/14 23:04
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
私はその手紙を手に取り、読んだ。
「さかのクンへ
ヨルのこと、びっくりしたかな?でも、これだけじゃないよ。
わたしたちは、まだまだいろいろしかけるよ。きみのすきなひとは、わたしだけ。
ことわったこと、コウカイさせてやる。だから、スキになってね
サカノくん」
私は心の底から震え上がった。
手紙をテーブルに置き、周囲を見渡した。
床や白い壁には血が飛び散っている。誰かの遺体があるのか、と思ったが
「何も無かったよ。安心して。」と言う末松巡査の言葉に一旦、安堵した。
坂野
「俺は今後、どうしたら良いでしょうか.....。」
末松巡査
「ここの家にいたら、君の命が危ない。他に頼りはあるかい?」
私は少し戸惑い、「下場の家です。」と言おうとしたが、彼も巻き込みたくない。
坂野
「無いです。九州には父の実家がありますが。とてもじゃないですが遠いです。」
末松巡査
「んじゃ、昨日は何処で寝たの?」
坂野
「下場君って言う友人の家で寝ました。」
末松巡査
「だったら、九州の家に行きなさい。親御さんはもう呼んだから、交番で待とう。」
「話も聞きたいからね。」と付け加えた。
私は制服から着替え、パトカーに乗り交番へ向かった。
家の前には2台の警察のバンが停まっていた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.18 )
- 日時: 2019/06/14 23:14
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
交番の聞き取り室に入り、先程の巡査と会話した。
末松巡査と「家のカギをかけたのに入ってきた事」「それは私の友人だった事」
そして「拘束された事」「殺害予告を受けた事」等、昨日の事を全て話した。
外は昼だった。今頃、給食だろうか。
坂野
「.....以上です。覚えてる限り、全て話しました。」
末松巡査
「辛かったのに頑張って話してくれたね。ありがとうございます。」
末松巡査は私を両親が来るまで交番にいるように言った。
私はもちろん従った。
暇潰しにあまり使ってないスマホに目をやった。
チャットアプリを見てみると通知は100を超えていた。
「一体誰や.....?」それは軍事同好会のグループ会話とか友人の気まぐれの送信とかでは無かった。
この100通以上のチャットは全て.....立見だった。
坂野
「こ、こいつ.....何処までやるつもりや?」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.19 )
- 日時: 2019/06/14 23:27
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
大体のチャットの内容は
「電話の応答」「大好き」「付き合って」や「殺してやる」「ごめんね」等の繰り返しだった。
恐ろしさと共に、私はどんな形であろうと好かれている事を実感していた。
「やり方は変わっているが、これはこれで彼女なりの愛情表現なのだろう。」
そう考えたりもした。この行動に理解できてしまう自分にも恐ろしくなった。
坂野
「.....可哀想な事をしてしまったかも知んないなぁ.....」
少しの罪悪感を感じ返信しようとしたが、それも相手の感情を逆撫でする物になるので止めた。
そして3時間程、待っていたら父が飛び込んで来た。
父
「純!!純!!大丈夫やったか!?怪我は無いか!?大丈夫か!?」
父は私の肩を掴み、私の体や体調を心配する言葉をかけてくれた。
坂野
「大丈夫やで!!おん!!離してーや〜」
母も走って来た。
同じく体や体調を心配する言葉をかけてくれた。
母
「純君!!大丈夫だった?ごめんね〜怖い思いさせてしまって!」
私の母もとても心配していた。
両親に無事、出会えて安堵した。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.20 )
- 日時: 2019/06/14 23:36
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
その後、落ち着いて来た頃に末松巡査が私の両親に起こった事を伝えた。
両親は即座に九州に引っ越す事を決め、私もそれに同意した。
確かに友人達、先生方と別れるのは寂しかったが命の為だ。
そして荷物をまとめる為に家へ帰った。
自宅の前には沢山のパトカーが停まっていた。
父
「はぁ〜。派手にやってんな〜.....」
母
「けど、何処も壊されたりとかは無いみたいよ?」
私は自分の洗面用具や服類等の身の回りの物を集めた。
だが、血の着いた物や捜査に関係する物は証拠として置いていった。
引っ越しの業者がやって来て、汚れてない家具はそのまま向こうへ引っ越す事に。
「でも、家はあるん?」と私は聞いてみたら
父
「おばあちゃんの別荘が実家の近くにあるから大丈夫や。多少古いけど」
と説明してくれた。
九州にはあまり帰った事が無かったので楽しみだった。
家は鑑識や取り調べの終わった後、売り払われた。
ほとんど建てた時と変わらない値段で売られた。
父
「誰も買わなそうやけどな〜」
坂野
「せやせや。血飛沫散った家は恐ろしくて堪らんやろな。」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.21 )
- 日時: 2019/06/15 00:13
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
私は九州に行きの新幹線に乗った。
そこから数時間走って.....着いた。
新大阪駅から九州に到着し、タクシーで実家に向かった。
父
「やっと着いたな〜。純、久し振りやろ?ここ来んのさ。」
坂野
「めっちゃ久し振りや。小学生の頃位やな〜」
母
「ここだったら平和やから。これからは気にせんで過ごせるわよ!」
私は田舎の穏やかな環境と、都会の堅苦しい環境ならば田舎の環境が合っていた。
夏だからか、そこら中からセミの鳴き声が聴こえる。良い環境だ。
坂野
「着いたん?」
父
「ここや。久し振りに来たわな〜」
前庭の石畳を歩いて、玄関を開けると父の従妹のおばさんが料理を作っていた。
おばさん
「着いた〜?.....いやぁ〜大きくなって〜!!」
私を見るなり、おばさんは頭を撫でてきた。
私は小学生の頃以来、来ていなかったから驚かれたのだろう。
これからの生活が楽しみだ。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.22 )
- 日時: 2019/06/15 00:22
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
おばさんの作ってくれた晩御飯を食べ終えた。
とても美味しかった。
坂野
「美味しかったなぁ〜」
おばさん
「お粗末様です。良かった良かった。」
父
「腹一杯や〜.....」
私はうとうとしてしまい、お風呂に入る事を思い出して急いで入った。
疲れが取れていく。ここ最近は色々起こりすぎた。
坂野
「ふーっ.....。ババンバンバンバンバン.....」
しばらく湯船に浸かり、体を良く洗ってお風呂を上がった。
坂野
「.....あっ、銃剣を失くしちまった。」
母
「あ〜.....まぁ良いんちゃう?」
坂野
「おん、もうええわ。探すのめんどい。」
そして母と父も風呂に入って、もう寝る所だった。
布団を引いて、戸締まりを確認して床に着いた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.23 )
- 日時: 2019/06/15 00:33
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
床に着いたら、やっぱり思い出す。
目を覚ましたらいるのではないか.....
これがトラウマと言うんだろう。私は憂鬱にもなりながら無理して眠りに着いた。
そして朝。目を覚ましたら、そこは別荘の天井で両方には両親が朝の支度をしていた。
坂野
「おはようさ〜ん。」
母
「おはよう。朝ごはん出来てるわよ〜」
私はパジャマ姿で朝食を取った。
これが普通の暮らしなのだろうと、大切さに気付いた。
今日は父が引っ越し届けと転校、転入届けを出しに行く日だった。
今日は休んだ。
坂野
「いってらっしゃーい。」
母も同時に声をかけた。
父
「行ってきま〜す。」
父さんは元々持っていた国家資格で、すぐに就職できた。
家計には影響がないから母も安心していた。
母
「お婆ちゃんの所に行くわよ。準備なさいな」
坂野
「はーい」
そしてお婆ちゃんの家に出発した。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.24 )
- 日時: 2019/06/15 01:05
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
お婆ちゃんは元気そうにしていた。
良かった。私はお婆ちゃんの家の掃除や片付けを手伝い、病院へ再度行き、家に戻った。
坂野
「元気そうで良かった良かった。」
母
「早く退院してくれると良いけどねぇ。」
そして中古車に乗り、家に帰った。
そこには宅配便の業者が来ていた。
母
「只今、印鑑持ってきますね〜。」
そして、受け取った。
どうやら私宛の様だ。
坂野
「誰からやろ?」
私は自室に入り、箱を開けて中を見た。
そこには失くしてしまった銃剣が「血まみれ」で入っていた。
「な、何じゃあこりゃ!?」と大声を上げようにも謎の恐怖が背筋を登った。
坂野
「何でこんな物が.....!!手紙や。何や.....」
「ゼッタイにコウカイさせてやるからな、サカノくん」
私は急いで110番した。
駐在所の警官が来てくれた。
私はこの荷物を見せ、思い当たる事を話した。
また、地獄が始まるのか。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.25 )
- 日時: 2019/06/15 10:57
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
結果としては、取り敢えず待機となった。
駐在員が交代で張り込む事になり、何かあれば直ぐに職質。
坂野
「落ち着かんなぁ〜」
父
「学校は行くんか?」
坂野
「当たり前やろ。行かんと学力が追い付かんて。」
私は駐在員の方に同行して、学校に行くよう言われたが、私は断った。
「自分の事は自分で守れますよ。銃剣もありますし。」私は喧嘩には勝てる自信があった。
翌朝、事件後の初登校。
学校に着きさえすれば大丈夫だろう。
坂野
「田舎の朝は気持ちええなぁ」
学校は、家から10分程の近距離だった。直ぐに着いた。
学校では歓迎された。
阿賀野先生
「ここ、3年1組の新しいクラスメートの坂野 純さんです!」
坂野
「どうも。おはようございまーす。大阪の某市から来ました坂野と申します。」
新しい学校生活の始まりだ。
私は「ここにまで来ることは無いか。」と安心していた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.26 )
- 日時: 2019/06/15 13:02
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
一気に人気者にもなって、滑り出しは上々だった。
そのまま夕方、家に帰っている途中。
私は「拉致された」
坂野
「グッ!?.....誰や?!誰や?!おい!」
???
「大人しく.....してよ!!」
私は袋を被せられ、そのまま運ばれた。
???
「よぉしオッケー.....」
袋が取られると、そこは家の近くの公園だった。
坂野
「おい!!止めろやボケ!!」
私は全身で抵抗した。
どうやら手錠が掛かっているらしい。
???
「重かったんだよ〜?私の事、覚えてる?」
坂野
「..........!?た、た、立見ぃ!?」
「何故ここに来たんだ」そんな驚きを隠せなかった。
私はリュックに銃剣を仕込んでいた事を思いだした。
坂野
「な、なぁ.....何が目的や?」
立見
「貴方と付き合う事。好きになってもらうまで一緒に過ごしてもらうよ〜」
坂野
「それはそれで良いけどな。トイレ行かせてくれや、なぁ?」
立見
「ダーメーでぇす。それで逃げられたからね〜」
そう言いながら私を立たせ、ベンチに座らせた。
大変な事になった。抜け出さなければ。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.27 )
- 日時: 2019/06/15 13:25
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
座らせるなり立見は手を掴んで来た。
立見
「ねぇ」
坂野
「何や?」
立見
「.....私と付き合っても損は無いと思うよ?」
私は少し黙りこんだ。
「コウカイさせてやる」の言葉が脳裏を過った。
坂野
「さぁな.....知らんわ。」
立見
「貴方と付き合う事になったら、私は何処までも着いていくよ?」
彼女は「貴方に尽くしたい」と言わんばかりに私を見てくる。
私は辛くなってきた。
坂野
「ストーカーやんけ.....。」
立見
「それほどに好きだからね」
坂野
「だからと言って九州までに来るか?」
ここまで来ると可哀想だ。
どうしたら良いんだろうか?
「いっその事や、付き合う事もええんかな.....」私は妥協も考えた。
立見
「良いでしょ。付き合おう?」
坂野
「ならあんたは、付き合いたい相手を縛るんか?あ"?」
立見
「それなら....」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.28 )
- 日時: 2019/06/15 14:03
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
立見は私の手を引き、古い空き家に連れ込ませた。
抵抗は無いのか?
夜に入りつつある夕方。
坂野
「何をする気や!?」
立見
「もう離れさせないようにするよ.....」
その家の中は最低限暮らせる環境にあった。
布団が二人分、ちゃぶ台、冷蔵庫にキッチン。風呂場もあってラジオ等もある。
ここで共に暮らそうと言うのだろうか。
立見は私を布団に寝かせ、その横に彼女は座った。
私は顔を撫でられ、そして見つめてくる。
その目には光が無かった様に見えた。
坂野
「俺をどうするつもりや。ここで暮らそうってのか.....?」
立見
「ちょっと早い夫婦になろうよ。貴方には辛い思いをさせないよ?私が尽くしてあげる。」
坂野
「(どうにでもなれや.....)俺は疲れた.....」
そのまま私は眠りについてしまった。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.29 )
- 日時: 2019/06/15 14:32
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
目蓋を開けると、そこは我が家だった。
包丁のトントンと言う音が聴こえる。
母
「早く起きなさ〜い!!」
坂野
「.....お、おう.....おはよーさん」
私は食卓に着いた。
朝御飯を食べ終え、着替えようとした時、何処からか声が聞こえた。
「ぉ〜..........だよ〜.....あさだよ〜.....朝だよ!!」
.....私は目を覚ました。
先程のは夢だった様だ。
立見
「おはよう。坂野君」
立見は微笑みながらこちらを見る。
ちゃぶ台には食事が置かれていた。
どうやら自分で作った様だ。
坂野
「.....!!手錠が外されとる。」
立見
「辛そうだったからね。ご飯どうぞ、美味しいと良いけどね.....」
私は味噌汁を一口飲んでみた。
「.....家に帰らんと.....」私は味噌汁を味わいながら、そう考えた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.30 )
- 日時: 2019/06/15 14:51
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
朝食を食べ終えるまで、立見は私をずっと見ていた。
飽きない物だ。
坂野
「飯は美味いんやけど.....そんな見つめられても困るんよなぁ.....」
立見
「ずっと見てても飽きないよ?」
私は家に帰る事を伝える事にした。
坂野
「.....と言う事なんや。帰らせてくれへんか?」
立見
「..........ダメだよ.....坂野君はずっと私といるの。他の女に取られちゃ嫌だ。」
何とも独占欲の強い女だ。
立見
「だから、私といてよ?分かった?」
坂野
「ん.....だが警察が動くで。お前は捕まる。高校も行けなくなる。」
立見
「それでも良いよ。私は坂野君がいるだけいいもん。」
坂野
「俺はこれからどうしたらええねん。ニートか?」
立見はこちらを見て顔を掴んできた。
「ここにいるだけで良いよ.....」そう言っては.....
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.31 )
- 日時: 2019/06/15 17:32
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「いやはや.....いきなり顔を掴んではキスをしてくるとは、何や気でも狂ったか?」
立見
「一つの愛情表現だよ。美味しかった?」
坂野
「無味や。無味。」
私はキスをされた時、左手の手首辺りに幾つかの切り痕があったのを見つけた。
恐らく、大阪の家や私の銃剣の血は彼女のであろう。
坂野
「後悔させてやるつってったけど、何かせぇへんのか?」
立見
「まだ秘密。」
私はここで過ごす為のお金等はどうしていくのかが気になった。
何も手段が無ければ必然的に去る事にもなるだろう。
坂野
「せや、ここでお前は暮らすっちゅうけどな。資金はあんのか?」
立見は少し躊躇って答えた。
立見
「殺す。殺してお金を奪う。」
坂野
「は?何つった?」
私は恐怖を感じた。
「俺もいつかは殺されるんとちゃうか?」
立見はこちら見て焦って言った。
立見
「だ、大丈夫だよ?!坂野君を殺したり何かしないから!!ね?」
私は疑いを含みながら
「そうか。それやったらええんやけどな。」
曖昧に答えた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.32 )
- 日時: 2019/06/15 17:59
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
その後、彼女は皿を洗い、資金調達(殺し)をしに出掛けた。
どうやらドアは内側からもカギが無いと開かない様だ。
意地でも閉じ込めようと言うのか。
坂野
「ラジオでも聞くか.....」
ジジ、と言う音と共に音声が流れてきた。
「.....昨日の夕方、午後6時頃に長崎B市立中学校の生徒の坂野 純君が誘拐されました。
長崎県警察は帰宅途中に誘拐されたと言う見解を述べました。
もし、目撃した等の情報が御座いましたら直ぐに警察にお伝えください。.....」
坂野
「早速、ニュースになってるやん。こりゃ見つかるのも時間の問題やな。」
私は昨日から風呂に入っていないのに気づき、シャワーを軽く浴びた。
それから制服とパンツが乾くまで、腰にタオル姿で過ごしていた。
坂野
「あいつに見られたら恥さらしやで」
突如、ドアがガチャンと音を出しカギが開いた。
まずい。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.33 )
- 日時: 2019/06/15 18:17
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
ガチャンとドアが開いて、立見が帰ってきた。
私を見た途端、驚く素振りを見せた。
立見
「キャッ!!なんて格好してるの!」
坂野
「いや!!おい!!着る服がないねんって!!」
立見はしばらく恥ずかしそうにしながら、理由を聞いた。
立見
「わ、分かった。服は直ぐに用意するね。」
坂野
「可及的速やかに頼む。」
立見は近くの古着屋でメンズの服を揃えた。
「US ARMY」と書かれた半袖シャツ。
少し色あせたジーンズ。数枚のパンツ、シャツ。
取り敢えず着てみた。
立見
「ど、どう?大きさ、合うかな?」
坂野
「おん。合ってるで。ピッタリや」
立見は私の役に立てて嬉しそうにしている。
鏡で見てみると中々カッコいい。
立見
「ねぇねぇ。今日の晩御飯さ、何が良い?」
坂野
「せやなぁ.....適当でええよ?(まだ留めさせるのか.....)」
立見
「もー、適当って返答が一番困るんだよ?でも頑張るよ。」
坂野
「おん、頑張れ。」
私は暇潰しにちゃぶ台のラジオを掛けて待っていた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.34 )
- 日時: 2019/06/15 19:02
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
ラジオから流れてきたのは、警察についてのニュースだった。
「.....今日、午後1時20分頃、○○の山中に刺殺された死体が発見されました。
40代の男性で何故、山の中にいたのかは不明。現在、長崎県警察による捜査が行われています。」
このニュースに立見が反応し、料理しながら言った。
立見
「あ、多分それ私がやったかも。山へ連れてって刺したんだよ?」
坂野
「.....マジかよ。あれは本当やったんか.....。どうやって連れてきたんや?」
立見
「色仕掛けして、山中ですると思わせて油断させた。」
確かに彼女の顔立ちは可愛らしい。
性格も、大人には謙虚な性格だったような気がする。
坂野
「へ、へぇ〜.....」
立見
「坂野君となら私は大歓迎だよ?いつでも良いよ?」
坂野
「い、いやいやいや.....それはまずいやろ。」
私は改めて彼女を恐ろしく.....は見えなかった。
彼女には独特の魅力が感じられた。
「心から尽くす」と言う行為に惹かれたのだろうか。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.35 )
- 日時: 2019/06/15 19:14
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「お風呂入るべ。」
立見
「待ってて。お風呂沸かすね。」
彼女は火を止め、お風呂場に行った。
私は、流石に何か手伝わないといけない、と思い「俺がやるわ」と言い止めた。
立見
「いいよいいよ。坂野君には苦労させないよ。だからゆっくりしてて?」
坂野
「.....おん.....分かった。」
シャワーで浴槽を適当に洗い、お湯を入れた。
奥から勢い良く水が入る音が聴こえる。
立見
「入れたよー。10分位で沸くから待っててね。」
坂野
「おん、どうも」
そして彼女は料理を始めた。
数分後、暖かい豚汁の食事が出てきた。
坂野
「おー美味そうやな〜」
立見
「一緒に食べよ?」
そして二人で手を合わせ食事を取った。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.36 )
- 日時: 2019/06/15 19:36
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
食事中、立見の方からこれからの暮らしについて話してきた。
やけに楽しそうだった。
立見
「ねぇねぇ、これから毎日、なにして行く?私達夫婦なんだからさ〜」
坂野
「いや、夫婦って前提なん?」
立見
「え、違うの?私達は同棲してるんだし、こんなに仲良しじゃん?」
私はここで否定しようと思ったが、命の危険を感じ、止めた。
彼女は話を進めた。
立見
「ほら、夫婦円満良い事でしょ?子供何人作ろっか〜」
坂野
「(完全に浮かれてるな.....)俺らは中学生だ、止めといた方がええ」
立見
「そっか〜.....子供はダメでも一緒に暮らせるなら良いよ?」
そして私達は食事を終えた。
私は早速風呂に入ろうと洗面所に行った。
立見
「あ、待って。背中を流してあげるよ。」
坂野
「.....今更、何も驚かへんわ.....」
私はそのまま風呂場に行った。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.37 )
- 日時: 2019/06/15 19:49
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
風呂場に入ると、後ろからタオル姿で立見が着いてきた。
私はかなり戸惑った。
坂野
「本気で一緒に入るんか?」
立見
「そうだよ?ささ、入ろ?」
私はそのまま風呂場に入り、桶にお湯を溜め、体を洗った。
立見は後ろで待っていた。
坂野
「んじゃ流すとすっかね」
立見は後ろから流してくれた。
まるで夫婦だった。
立見
「はい、流しおわったよ。次は私が洗う番ね。」
私はさっさと浴槽に入り、ゆっくりしていた。
だが、頭の中では脱走の事ばかり考えていた。
すると、立見は洗い終わり、浴槽に入ってきた。
坂野
「さ、さすがに小さいぞ?」
立見
「良いの良いの。」
そのままバスタオルを脱いで入ってきた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.38 )
- 日時: 2019/06/15 20:10
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
立見は私にくっつきながら入ってきた。
とても笑顔だ。
立見
「暖かいね」
坂野
「暖かいな.....」
私は立見が目の前にくっついている状況に緊張していた。
当の本人はニコニコしている。
坂野
「お、おい立見。お前、この状況をどうも思わんのか?」
立見
「思ってるよ?」
坂野
「何と思ってるんや」
立見
「嬉しいな〜」
彼女はとても喜んでいる様だ。
私は自然と彼女の頭を撫でていた。
立見
「.....!?」
私は先に風呂を上がった。
寝間着に着替え、歯を磨こうと思ったが歯ブラシが無かった。
立見
「はい、歯ブラシ。」
坂野
「おう、ありがと?!」
立見はタオル姿だった。
坂野
「服ぐらい着ろよ.....」
そして適当に歯を磨き、床に着いた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.39 )
- 日時: 2019/06/15 20:20
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
布団に入ると立見も入ってきた。
「チャンスだ。カギを探して逃げよう.....」そして回りを確認した。
ドアが近い、立見が起きたら塞がれるかも知れない。
立見
「ねぇねぇ坂野君。起きてる?」
坂野
「え?ああ、起きてるで?」
立見
「晩御飯の時、言っていた事は本気だよ?」
坂野
「どう言う事や」
立見
「坂野君とはしても良いって話だよ。」
私は断った。
こんな事して今後、絶対に悪くなる。
立見はやはり、私にくっついて来た。
私は熟睡した振りをした。
立見
「寝ちゃったのか〜。おやすみ、坂野君。」
それからしばらくして彼女は本当に眠った。
私はこっそり抜け出した。
カギを探さなくては。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.40 )
- 日時: 2019/06/15 20:26
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
私は彼女のカバンや、テーブルの上を探した。
カギは布団の横に置いてあった。案外、不用心だ。
坂野
「あったで〜.....!!逃げるぞ!.....」
私は寝間着姿でカギを開け..........逃げ出した!!
私は走った。必死に走った。
坂野
「よっっっしゃあ!!!逃げたぁぁ!!」
開けた音で起きたかも知れないが、逃げれたらこっちの物だ。
私はがむしゃらに走った。
坂野
「コンビニは何処や?交番は何処や?」
私は近くのコンビニに逃げ込んだ。
店員は私を不思議そうに見つめている。
坂野
「.....はっ!!はっ.....はっ..........た、た.....助けてくれぇ!!」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.41 )
- 日時: 2019/06/15 21:13
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
店員
「ど、どうしたんだい??君?」
彼は困惑した顔でこちらを見た。
坂野
「わ、私は誘拐された坂野.....坂野 純なんですよ!!!」
店員はハッとした顔をして110番した。
その数分後、パトカーが一台着いた。
警察官
「坂野君!!坂野君はいるか!?」
店員
「こ、ここに!!」
私は警察官の方へ向いた。
その警察官は無線を取った。
警察官
「捜索していた坂野 純君発見!!保護しました!!」
私はそのままもう一台のパトカーを待った。
だが、来たのはパトカーではなかった。
???
「もー、逃げちゃダメだよ〜。坂野君?」
警察官が私の前に出てから、その女子を止めた。
その女子は..........立見だった。
立見は刃渡りのあるナイフを持っていた。殺しのナイフだ。
警察官
「止まりなさい!!それを捨てなさい!!」
警察官は警棒を構えた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.42 )
- 日時: 2019/06/15 21:29
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
警察官
「.....止まりなさい!!それはおもちゃじゃない!!捨てろ!」
立見
「嫌だよ〜.....。私と坂野君の間を.....邪魔する人間は殺すよ?.....」
彼女の目には光が無かった。
完全に殺る気だ。
坂野
「た、立見!!止めとけや!!」
立見
「坂野君?今.....助けてあげるからね?」
そう言って彼女は警察官に襲いかかった。
警察官
「うっ!?」
警察官は警棒でナイフを弾いた。
なんと警察官は劣勢だった。
立見
「.....ンッ!!ほら死ねッ!!!さっさと!!」
警察官は馬乗りにされ、何とか警棒でナイフを防いでる様だった。
警察官
「うぉ.....!!!」
私は立ち尽くしていた。
そのまま立見のナイフは警棒を滑り.....
警察官
「ァッ.....」
脳天を貫いた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.43 )
- 日時: 2019/06/15 21:50
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「は、はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?マジかよッッ!?」
立見
「さぁ一緒に帰ろ?坂野君。」
立見は怒りと悲しみを交えながら言った。
私は焦った。本当に死ぬんだろうかと思った。
今は恐らく午前2時。人も少ない。
坂野
「むっむっむっ.....無理だぁぁぁ!!!」
私は彼女がナイフを持っている事も忘れ、押し退けた。
彼女はそのまま押し倒され、私も倒れて彼女を庇うようになった。
立見
「は、は、は.....坂野君.....」
彼女は照れた。
「照れてる場合か!!」そう思った。
私は腕を掴まれ、そのまま殺されるかと思った。
坂野
「や、やめてくれ。殺さんといてくれや.....」
立見
「大丈夫だよ。将来の旦那さんを殺したりなんてしないよ?」
「抵抗しなければね」と付け加えてきた。
私はナイフを突き付けられた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.44 )
- 日時: 2019/06/15 23:50
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「そろそろ、このナイフを外してくれへんか?」
立見
「ダメー。貴方を確実に、家に届けるまでは外さないよ。」
家に入ったら何をされるか分からない。
だが、両手は手錠、背中にナイフ。絶望的だ。
小一時間歩いて、とうとう家に着いてしまった。
何をされるか分かったもんじゃない。
私は死を覚悟した。この15年間の人生、寿命で死ねないのは惜しい。
立見
「着いた〜。さ、始めましょ。」
坂野
「は?何を?」
立見
「ささ、制服に着替えて?」
そう言うなり、私はカッターシャツと制服ズボンを着させられた。
彼女はセーラー服に着替えて来た。
立見
「結局言えて無かった.....しさ?一緒にお風呂に入って、同じ布団で寝た仲だから。」
坂野
「な、何や?はっきり言うてみい。」
そして彼女は少し躊躇い、言った。
立見
「私と付き合ってください。」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.45 )
- 日時: 2019/06/16 00:25
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
正直言って私は、こんなバケモノとは付き合いたくも無い。
一秒でも長く共に居たくない。
だが、あそこまで親しくした仲なのだ。
ここで断ったら死ぬのは目に見えている。何故か断ったら後悔すると感じている。
ここに私の拒否権は無いのだろう。いっそのこと付き合ってしまおうか。
私は固く閉じていた口を開いた。
「.....よろしくお願いします。」
「彼女」は泣いていた。
私も何故か涙が溢れていた。何故だろう、何故なんだ。
坂野
「そう言う事や。だから、もうナイフなんて持つなや?」
立見
「.....う、うん。.....わかったぁ.....!!ありがと.....ありがとう.....!!」
しばらく彼女は泣いた後、二人は寝間着に着替えた。
一枚の布団に入って眠った。
坂野
「おやすみ。」
立見
「おやすみ〜」
顔を向き合わせて二人は眠った。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.46 )
- 日時: 2019/06/16 00:39
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
朝の6時。彼女は起きて朝御飯の用意をし始めた。
フライパンでソーセージを焼く音。包丁で野菜を切る音で目を覚ました。
坂野
「.....!ふぁ〜.....おはようさん。」
立見
「おはよ〜!!今、朝御飯を作ってるからね〜」
私は洗面所へ向かい、顔を洗って髪を整えた。
坂野
「よしオッケー。」
洗面所から戻ると朝御飯が出来ていた。
立見
「出来たよ〜。今日もかっこいいね?純君!」
突然、下の名前で呼ばれて驚いた。
坂野
「じ、純君?!な、何か恥ずかしいな.....まぁええわ。」
彼女は少し残念そうにして言った。
立見
「え〜。純君は私を『由緒』って呼んでくれないの〜?」
私はかなり困った。恥ずかしい。
坂野
「わ、分かったよ.....由緒?」
彼女は学校で見せてくれた様な、心からの微笑みで私を見つめていた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.47 )
- 日時: 2019/06/16 00:54
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
朝食の後、ラジオを点けると私に関するニュースが流れていた。
「.....長崎県A市坂野純君誘拐事件捜査本部は一時的に捜索を中断すると発表。
続いて大阪府坂野家監禁事件も捜査を終了すると当局は発表しました。
捜索は各交番にポスターを張りだし、情報が入り次第捜索を再開する事になりました。.....」
坂野
「とうとう俺の捜索も終了したんやな.....」
立見
「私達で暮らして行きましょ?」
坂野
「せやな。金はどうして行くねん?」
立見
「私がこの体で.....」
私は体を乗り出して言った。
坂野
「それはあかん!!お前にそんな事はさせへん。」
立見
「えっ?.....そんなに大事にしてくれるなんて.....」
坂野
「大事にするも何も、そんな事はあかん。俺が何か探すわ。」
彼女は少し不安そうにしていた。
立見
「そんな事して他の女と結ばれたら.....」
坂野
「大丈夫や!!俺は浮気はせぇへん。」
仕事探しをする事にした。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.48 )
- 日時: 2019/06/16 02:04
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
仕事をしないと稼げない。
だが、中学生で坂野 純の名義じゃあ届けられて、立見とは別れる事になる。
私は、立見と一緒に仕事探しに出掛ける事が多くなった。
もちろん、マスクをしてバレない様に。
坂野
「中々見つからない物やな.....」
立見
「やっぱり私が働こうか?」
坂野
「ヒモは嫌や。何としても仕事を見つけ出す。」
そんな話をしながら、配達なら余り顔を出さなくても良いと思い、一軒の牛乳店に入った。
結果、牛乳配達の仕事を任された。これで儲けられる。安心だ。
実際に仕事が始まるのは明日で、今日はもう家に帰った。
立見
「良かったね〜。仕事見つかったじゃん。」
坂野
「せやなぁ。これからは危ない事をせずとも稼げる。」
立見
「実は私も働くの。私は配達じゃないけどね。」
坂野
「おん。そうかそうか。共働きな〜」
そんな事で立見と二人暮らしする事が現実味を帯びてきた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.49 )
- 日時: 2019/06/16 02:20
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
そして仕事始めて一週間が経った。
悲劇は突然やって来る。
私はいつもの様に自転車に股がり、牛乳カゴを後ろに載せ出発した。
坂野
「由緒〜。行ってくるで〜。」
立見
「純君、行ってらっしゃ〜い。」
私は手を振り、出発した。
坂野
「あーたらしーい、あっさがきーたー.....」
一軒目、二軒目.....と順調に置いていった。
そんな時、交番の前を通った。
私はマスクをしていたが、顔の上半分でバレた。
警察官
「君!!君!!停まって!!」
坂野
「.....!!あかん!」
私は急いで自転車をこいで逃げた。
だが、警察官も自転車に乗って追いかけて来た。
結果、路地裏へ走り、振り切った。
牛乳店へ戻って来て私は言った。
坂野
「由緒!!警察官にバレてしもた。この今日の仕事が終わったら、直ぐに帰るで!」
立見
「う、うん。分かった!!」
立見と私はせっせと仕事を片付け、その日はもう帰った。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.50 )
- 日時: 2019/06/16 02:37
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
私達は今日の給料を貰った後に、早歩きで家へと向かった。
玄関のカギを開け、部屋に入った。
坂野
「よっしゃ〜。着いた着いた〜。」
立見
「バレなくて良かったね、純君。」
坂野
「せや。これで大丈夫や。」
そして立見は晩御飯の用意、私はラジオを聞いて待っていた。
突然、ドアがけたたましく鳴った。
???
「長崎県警察だ。坂野君、いるね?開けなさい。」
坂野
「お、おいどうする?」
私は小声で言った。
何で分かったんだ?疑問が浮かんだが、それ所では無かった。
立見
「居留守で待っとこ。静かに静かに.....」
未だにドアは鳴っていた。
???
「突入するぞ!!3.2.1.....行けッ!!」
ドアは破られ、二人の警察官が入ってきた。
警察官a
「坂野君、保護!!」
警察官b
「.....!!あの警官を殺した奴だ!!捕まえろ!!」
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.51 )
- 日時: 2019/06/16 08:35
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
坂野
「立見!!あかんぞ!!」
彼女はナイフを構え、戦う姿勢だった。
警察官は私よりも、彼女に関心を向け警棒を構えた。
警察官b
「大人しく.....捕まれっ!!!」
警察官は警棒を振り下ろし、彼女に襲いかかった。
坂野
「ま、まずい!!」
私はその警察官に突進し、警棒を食らった。
その痛みに倒れ、彼女はその隙に警察官を刺した。
坂野
「グッ..!!.....」
それからしばらく経ち、私は目を覚ました。
彼女は私に膝枕をしており、私が起きたと気付くまで顔を撫でていた。
坂野
「.....!?どうなったんや?」
立見
「おはよ〜!!邪魔者は片付けたよ。」
私が部屋を見回すと、そこら一帯には血が飛び散っていた。
二人の警察官が倒れていた。腹部と胸部を刺されており、死体の下には血溜まりが出来ていた。
坂野
「おい、殺したんか?」
立見
「邪魔者は排除しなきゃ。増しや坂野君を攻撃する奴なんて.....。この世に存在しちゃ駄目だよ。」
私は正気じゃない事に、やっと気付いたんだ。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.52 )
- 日時: 2019/06/16 09:42
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
逃げようと思えばいつでも逃げられた。
牛乳配達の時、警察官にバレた時にそのまま保護されれば良かった。
なのに私は逃げた。
彼女と別れたくない、その一心で。
坂野
「立見.....」
立見
「なぁに??.....」
坂野
「自首.....するか?」
彼女は断るかと思ったが、予想は外れた。
「坂野君が言うなら。私は従うよ?」
そう彼女は言った。
坂野
「よっしゃ、行こか。」
そして私はドアを開けた。
???
「確保ォ!!」
私は腕を掴まれ、家から離された。
???
「坂野君、保護!!」
黒い格好をした男性がドアの前に立っていた。
私には分からなかった。
「突入!!」
そして数人の男性が入り、そのまま立見を捕まえた。
何があったのか全く理解出来なかった。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.53 )
- 日時: 2019/06/16 18:49
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
回りでは「SAT」と呼ばれている、黒い格好の集団。
彼らは私を保護し、彼女を殺人、監禁、拉致の容疑で連行した。
彼女は最後まで私の名前を呼び続け、そのまま車に乗せられた。
坂野
「由緒ッ!!立見ィィ!!!」
SATの隊員
「坂野君だね!!助けに来たよ!!さぁ、帰ろう。」
パトカーに乗せられ夜中、近くの交番に連れてかれた。
交番には私の両親や父の従妹のおばさんが待っていた。
両親は私を見て、泣き出した。
父
「純!!良かった!良かった!!!」
母
「無事やったのね!!本当に良かった.....!!」
坂野
「おう、大丈夫やで。俺は頑丈やからな!!」
少しして、警察関係者の人間がやって来た。
どうやら、彼女には精神的な負担があり、その衝動で私に手を出したと言う。
起訴するかどうかは私に問われたが、不起訴にした。
坂野
「由i.....。彼女はとても良い人なんです。私を拉致して監禁したと言いますが。」
坂野
「そんな事は絶対にありませんでした。」
その人は彼女を不起訴にした事を確認した後、交番を去っていった。
裁判の結果は「まだ幼い。恐らく猶予が着くだろう。」と話していた。
- Re: 命を賭けてまで人を愛したくない!! ( No.54 )
- 日時: 2019/06/16 20:34
- 名前: 通りすがり (ID: pymfwt0Q)
後日、彼女はこの前の予想通り、少年院行きではなく監査が着くだけで済んだ。
私は今日、あの二人の家に行き、彼女に会う予定だ。
坂野
「ゆ、由緒!!おるか〜?」
部屋の中で物音がして、カギを開けて来たのはもちろん彼女だった。
立見
「純君!!ようこそ〜。いや、お帰りなさーい!!」
彼女は優しい微笑みを見せ、私を歓迎した。
坂野
「ただいまやで」
立見
「ご飯出来てるよ〜」
私はあれから、毎日放課後、休日には勉強を終え次第、よく来ている。
何故なら、彼女は私の「嫁」見たいな存在だからだ。
坂野
「やっぱり落ち着くで、ここ。」
立見
「良かった〜!!そうだ。純君、あの時見たいに勉強教えてよ?」
坂野
「ええで?何の教科?」
彼女は少し考え、答えた。
立見
「理科!!理科を教えて欲しいよ〜」
坂野
「もちろんええで。イオンからやな」
実は、彼女の両親は精神的な虐待をしており、それから逃げ出したらしい。
後輩部員の上田は大阪での事件により指導されたとの事だ。
由緒のした事は許されないが、彼女は深く後悔し、責任を感じているらしい。
何にしろ私は幸福者だ。 END