複雑・ファジー小説

Re: 毘曇 ( No.3 )
日時: 2019/08/03 20:40
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

第1話 西暦647年 善徳女王崩御後…善徳女王が居住していた宮廷に隕石が落ち、毘曇は一気に土気をあげ、宮廷に攻め入る。

毘曇「先代王は女の身でありながらも王座に就き、暴政を働き民たちを長き間苦しめた!そして善徳女王の暴政を先導するキム・チュンチュやキム・ユシンは先代王の崩御後も反省するどころか先代の妹を王位に就けるよう推挙した。これ以上 彼らが国を混乱させるのを黙って見ているわけには行かない!故に彼らを処断し国を正そうではないか!」
兵士「ピダム公。忠。忠。忠!」

華麗な花の中を歩くチュンチュ。
キム・チュンチュ「我らが成し遂げる三韓一統を乱子賊子の毘曇によって潰されてたまるか。私は必ず三韓一統の夢を成し遂げるのだ。」
キム・ユシン「太子殿。必ず三韓一統を成し遂げねば我らも死ねぬからな。」
キム・チュンチュ「ああ。その通りだ。私は絶対に乱子賊子などに屈したりはせぬ。」
そこに兵士の声が聞こえる。「毘曇が宮廷に攻め入ってきている」と。

【王殿】
毘曇「キム・チュンチュとキム・ユシン、そして大王をここへ連れてこい!」
そこにキム・チュンチュとキム・ユシンと真徳女王が。そして刀を持ったチュンチュと毘曇が対面する。
キム・チュンチュ「ピダム。なぜ挙兵をして王宮を侵した。」
毘曇「チュンチュ公とユシン公が王位に就いてはならぬ者を王位に就けるなど!到底許されぬ事だ!」
キム・チュンチュ「ハッハッハ。では女族の先代王と噂になったのだ?」
毘曇「何だと?」
キム・チュンチュ「現の女王様が何故駄目で、先代の女王様は何故いいのだ!ただ名文をあげたいだけであろう。」
毘曇「黙れ!私は…お前とキム・ユシン、現の大王を殺し、私が大王になってやる!」
毘曇が キム・チュンチュに刀を振り落とそうとした時…

プロローグ 終「出仕」

西暦645年 善徳女王は危篤状態に陥り、国も共に混乱に陥る。そして、朝廷はピダム公が牛耳っていた。

ピダム「陛下。上大等である私 ピダムに摂政をご命じください。」
トンマン「ピダム!摂政をそなたに任せろとは!図に乗るでないぞ!」
ウンチェ「陛下がご回復なさるまではピダム公に摂政を任せ、回復した時に陛下が再び親政を行うようにしては?」
トンマン「黙れ!」
トンマンはピダムに刀を向ける。
トンマン「もう余も我慢する事はできぬ。そなたを殺してやる!」トンマンがピダムに刀を振り落とそうとする__

新羅の地をを馬が走る
西暦633年 即位した善徳女王は唐に積極的に近づいて朝貢を重ねた。 そして西部国境地帯に百済の侵入を受けるのだった。

武王「新羅を滅亡させるのだ!」
義慈王子「父上。このような事をしていいのですか?新羅のキム・チュンチュと高句麗の栄留王は仲が良いそうですぞ。」
武王「キム・チュンチュ?誰だ?」
義慈王子「新羅の太子候補の者です。」
武王「私が太子でもない者を恐れるとでも?」

【新羅朝廷】
アルチョン「陛下。私が西部国境地帯に向かい、百済軍を討伐して参ります。」
キム・チュンチュ「アルチョン公とユシン公を共に向かわせては?」
善徳女王「ではアルチョン公を討伐軍首長、キム・ユシンを討伐軍長に。」
アルチョン「ありがたき幸せ。」

【百済・東宮殿】
ソンチュン「太子様。ケベクを連れ、新羅へ自ら出兵するですと?」
ケベク「私は太子様の命令に従うだけです。」
ソンチュン「ケベク。そなたも太子様を止めなさい。新羅がどれほど危険か分かっているのか?」
義慈王子「そんな新羅を止めるのが我らの役目だ。国のためになりたくば私の出兵に協力するのだ。もうキム・チュンチュには屈したりなどせぬ。」」
ソンチュン「太子様!」
そこに、武王がやって来る。
武王「太子。義姉様(善徳女王)を殺してはならぬぞ。私の妻が悲しむだろうから。」
義慈王子「父上。いくらなんでも息子が母を苦しめることなどいたしません。」
武王「ありがたい。」

3ヶ月後…百済の義慈王子は大軍を使い、新羅に出兵をする。そして新羅は大伽耶城のピダム公に援軍を求めた。そして見事に百済を撃退するのだった。

【新羅朝廷】
アルチョン「陛下。ピダム公が援軍を率いて百済を撃退したという戦功は見事な事柄ですゆえピダム公に官位を与えてはどうでしょうか。」
チュンチュ「アルチョン公の仰る通りです。ピダム公を朝廷に出仕されてください。」
キム・ユシン「ですが、ピダム公は野心家だそうです。ピダムは''王位に上りたい''と口にしたことがあるとか。そのような逆臣を朝廷に出仕させるわけにはいきません。」
善徳女王「しかしピダム公がいなかったとすれば新羅は滅亡していただろう。」
キム・ユシン「ではピダム公に金品を与えてはいかがでしょう。」
善徳女王「よかろう。そうせよ。」
キム・チュンチュ「仰せの通りに致します。」

【ピダム公の屋敷】
ピダム「この金品は何ですか?」
キム・チュンチュ「大王陛下から頂いた褒美の品だ。」
ピダム「何故私は官位ではなく金品を?」
キム・チュンチュ「官位が欲しいか?」
ピダム「8万の援軍ですよ?高句麗との境界線であり、いつ高句麗に攻撃されても分からない大伽耶城から宮廷に8万の援軍を送ったんですよ。それなのに私は何故官位ではなく金品を?」
キム・チュンチュ「やはりユシン公の仰っていた通りであったようだな。誠にそなたは野心家のようだ。」
ピダム「私が自ら大王陛下に謁見し、訴訟します。」
キム・チュンチュ「そうか。勝手にするがいい。」

【王殿】
バク内官「大王陛下。大伽耶城の城主ピダム公が王殿に来ております。」
善徳女王「そうか。中へ通せ。」
ピダムが入ってくる。
ピダム「大王陛下。褒美の件でお話ししに参りました。」
善徳女王「まぁ座れ。」
ピダムが座る。
善徳女王「既にチュンチュから話を聞いている。褒美を官位に変えて欲しいと?」
ピダム「はい。大王陛下。私は8万の者たちに援軍を誘いました。そして宮廷に援軍しました。その援軍した者たちへの代金が900両で足りると?私は今にも援軍した者たちに殺されそうです。官位を…官位を下されば陛下に何だってします。」
善徳女王「誠か?それならそなたに参拝(チャンバン、正6品)の座を与える。」
ピダム「誠ですか?」
善徳女王「しかし願いを聞かねばその座を手にする事は出来ぬぞ。」
ピダム「何なりとお申し付けください。」
善徳女王「それなら百済の義慈太子と和平交渉をして来るのだ。」
ピダム「和平ですと?」

第2話 お楽しみに