複雑・ファジー小説

Re: 毘曇 ( No.4 )
日時: 2019/08/03 20:45
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

第2話 「和平交渉」

【百済・東宮殿】
義慈王子「新羅の大伽耶城の城主が和平交渉を?」
ソンチュン「はい。そやつの首を斬り落として新羅に送りつけますか?」
義慈王子「まずは様子を見てみようではないか。その城主を入れよ。」
そこにピダムが入ってくる。
ピダム「太子様に謁見いたします。」
義慈王子「まあ座るがいい。」
ピダムが座る。すると、ピダムが衣から何かを包んだ布を義慈王子に渡す。
義慈王子「これは?」
ピダム「あの有名なチュモン公が特別に製作された金刀です。」
義慈王子「これは賄賂のつもりか?」
ピダム「いえ、ほんの気持ちです。」
義慈王子「これは明らかに賄賂であろう。一国の太子に賄賂を送りつけるなど何と不届きな。新羅にこのような不届きな者がいたとは!こやつを直ちに投獄せよ!」
ピダム「太子様。太子様!太子様!」
ケベク「はい。太子様。」
ケベクと兵士がピダムを連れて行く。

【新羅朝廷】
アルチョン「陛下。何故朝廷に内密で百済に和平交渉をあやつにさせたので?」
キム・チュンチュ「全く…賄賂を送りつけるとは。けしからん奴だ。」
アルチョン「陛下。このままでは百済との関係が終わってしまいます。」
キム・チュンチュ「それでは私が百済に和平交渉をしに参ってきます。」
善徳女王「頼んだぞ。チュンチュ。」

【百済・東宮殿】
義慈王子「そなたは何故あのような者を百済に送って参った?」
キム・チュンチュ「実はこれは新羅の大王陛下があの者を試すために和平交渉に行かせたそうなのです。」
義慈王子「なるほどな。そうだったのか。それでまた和平を組みに?」
キム・チュンチュ「はい。太子様。」
義慈王子「いいだろう。父上にお許しを得る。それと父上は新羅に出兵をしてしまった事を謝っておられた。」
キム・チュンチュ「陛下がわざわざですか。我らの陛下も百済の兵士に傷を付けてしまった事を謝っておられました。」

【百済・牢獄】
牢獄から出てくるピダム。
ピダム「チュンチュ公。私をお救いくださり誠に光栄です。」
キム・チュンチュ「時期に和平が組めるだろう。陛下はそなたに感謝しておられておった。故に参拝の座は渡せぬが吉忠(キルジュン、正8品)をそなたに与えられた故陛下に感謝しなされ。」
ピダム「はい。チュンチュ様。」

【キム・ユシン 精鋭武士教養所】
精鋭武士を指導するマングン。そんなマングンの元にやって来るユシン。
キム・ユシン「そなた、今最精鋭の兵士を動かせるか?」
マングン「現在、百済出兵時の傷を負った最精鋭の兵士の内1人が休養しています。」
キム・ユシン「ではその1人を除く最精鋭の兵士を今すぐ動かさねばならぬようだ。」
マングン「何故…」
キム・ユシン「高句麗と和平を組もうとしていた新羅が百済と和平を組もうとしている事に栄留王が腹を立て、出兵しようとしている。」
マングン「わかりました。」

【高句麗朝廷】
ヨン・ゲアムン(ヨン・ゲソムンの兄)「我らと和平の約束をした新羅のキム・チュンチュは無礼極まりありません。故に新羅に出兵してはいかがでしょう」
栄留王「いいや、新羅の徐羅伐にはピダムという大伽耶城の8万の大軍を手に持つ城主がおる故…」
ヨン・ゲアムン「陛下!キム・チュンチュだけでも倒しましょう。」
栄留王「では暗殺するのだ。内密に。」


【キム・ユシンの屋敷】
キム・ギグァン「父上。おかえりなさいませ。お客様がお部屋に。」
キム・ユシン「客?そうか。部屋へ戻って休んでいいぞ。」

【屋敷・部屋】
そこには正装したヨムジョンが。
ヨムジョン「ユシン公。久方ぶりですな。」
キム・ユシン「貴様…何故ここへ来た!」


登場人物紹介

主人公 キム・チュンチュ 後の武烈王
善徳女王の甥、国に忠誠を尽くす。ピダムの主人

ピダム (吉忠→参拝→イチャン→角干→上大等)
チュンチュの部下、チュンチュに忠誠

善徳女王
新羅27代王、チュンチュの叔母、ピダムの野心を疑う。

キム・ユシン
キム・チュンチュの幼馴染。

ヨムジョン(解担→参拝→陽舞→イチャン)
ピダムの部下、キム・ユシンのライバル