複雑・ファジー小説
- Re: 奴隷育成所 ( No.2 )
- 日時: 2019/09/02 21:55
- 名前: アマギ (ID: HuynY/aq)
第一章 「監禁」
今日も仕事が終わった。やっと週末だー!
そう、今日は金曜日だ。仕俺は急いで家へ帰る。
「賢人〜、急いで帰ってるけど彼女が料理作って待ってくれてるんでしょ?」
「岡崎君はいいわね、私なんて岡崎君より年上だけど彼氏すらいないわ」
リョウスケと九条課長。なんで彼女が料理作って待ってることがわかるんだろう....? はっきり言って、この人達の相手をしている暇はないのだ。急げ急げ!と
俺は急いでキラキラと輝く繁華街を歩き、電車へ乗る。
ところで、電車に乗ると眠くなる。まだ寝てはいけないのだ、そう自分に言い聞かせる。ガタガタという電車の音と心臓の音がうまく合わさる。
「ただいまぁ〜」
少し興奮しながら、マンションのドアを開ける。
玄関の奥から美味しそうな匂い。きっとカレーだな!
「おかえり〜っ、今日はカレーだよ」
迎えてくれるのは、彼女の彩夏ちゃん。
彼女の作る料理はいつも美味しい。そしてかわいい。
一人暮らしはしていたが、生活能力の低いまま俺の代わりに家事はほとんど彼女がやっている。
本当は分担しなきゃいけないのだが。
だらしなく、生活能力の低い俺からすると、家事が出来てかわいい女の子なんてすぐに惚れてしまう。
なんと、俺の好きなカレーときたら今日は夕食が一秒でも早く食べたいと思う。
俺は黒いスーツをハンガーにかけ、カレーのいい匂いに釣られてキッチンへ行く。
「いただきまーす」
一秒でも早くほおばりたい。言う言葉が早口になる。
俺はカレーを口に入れる。特別な料理ではない、ごく普通のカレーライス。
でもこれがうまいんだ。カレーって大好き。
彼女がいるだけで、料理を食べるだけで、
上司から叱られた時やハラスメント、同僚から絡まれたときのイライラがすっと消えていく。
カレーを食いながらぼーっとしていると
「あひっ、あひっっ」
出来立てだったからジャガイモが熱い。
でも、出来立てっていいよな〜とニヤニヤしながら想う。
「もう賢人なにしてんの!」
少し怒られてしまった..... でもなんか嬉しいんだ。
ゆっくりと味わいながら、二人で話して咀嚼しながら笑っていた。
いつまでも、彼女の横で笑っていたかった——
寝る前にスマホを見た。すると気になる記事がある。
都市伝説で、この国には借金などを背負ったり、罪を犯しても
他人を担保として奴隷にすることで金を払わなくても、
刑を受けなくてもよいというシステムがあるということだ。
えっ、何それ怖い。他人なら誰でもいい、家族でも、友人でも、彼女でも.......
まっまさか、彩夏ちゃんに限ってないよな.....?
そもそもこんな話、デマなはず!
ブルーライトが身体を蝕むのではないかと思いつつ、恐ろしいと思いつつもスマホの画面をスクロールしていった。
数日後、このことが本当になるとは誰も知らなかった.....