複雑・ファジー小説
- Re: 渾身 集 ( No.1 )
- 日時: 2019/08/17 21:45
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
西暦647年 善徳女王崩御後…善徳女王が居住していた宮廷に隕石が落ち、毘曇は一気に土気をあげ、宮廷に攻め入る。
毘曇「先代王は女の身でありながらも王座に就き、暴政を働き民たちを長き間苦しめた!そして善徳女王の暴政を先導するキム・チュンチュやキム・ユシンは先代王の崩御後も反省するどころか先代の妹を王位に就けるよう推挙した。これ以上 彼らが国を混乱させるのを黙って見ているわけには行かない!故に彼らを処断し国を正そうではないか!」
兵士「ピダム公。忠。忠。忠!」
華麗な花の中を歩くチュンチュ。
キム・チュンチュ「我らが成し遂げる三韓一統を乱子賊子の毘曇によって潰されてたまるか。私は必ず三韓一統の夢を成し遂げるのだ。」
キム・ユシン「太子殿。必ず三韓一統を成し遂げねば我らも死ねぬからな。」
キム・チュンチュ「ああ。その通りだ。私は絶対に乱子賊子などに屈したりはせぬ。」
そこに兵士の声が聞こえる。「毘曇が宮廷に攻め入ってきている」と。
【王殿】
毘曇「キム・チュンチュとキム・ユシン、そして大王をここへ連れてこい!」
そこにキム・チュンチュとキム・ユシンと真徳女王が。そして刀を持ったチュンチュと毘曇が対面する。
キム・チュンチュ「ピダム。なぜ挙兵をして王宮を侵した。」
毘曇「チュンチュ公とユシン公が王位に就いてはならぬ者を王位に就けるなど!到底許されぬ事だ!」
キム・チュンチュ「ハッハッハ。では女族の先代王と噂になったのだ?」
毘曇「何だと?」
キム・チュンチュ「現の女王様が何故駄目で、先代の女王様は何故いいのだ!ただ名文をあげたいだけであろう。」
毘曇「黙れ!私は…お前とキム・ユシン、現の大王を殺し、私が大王になってやる!」
毘曇が キム・チュンチュに刀を振り落とそうとした時…
プロローグ 終
- Re: 渾身 集 ( No.2 )
- 日時: 2019/08/17 21:57
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1話 西暦647年 善徳女王崩御後…善徳女王が居住していた宮廷に隕石が落ち、毘曇は一気に土気をあげ、宮廷に攻め入る。
毘曇「先代王は女の身でありながらも王座に就き、暴政を働き民たちを長き間苦しめた!そして善徳女王の暴政を先導するキム・チュンチュやキム・ユシンは先代王の崩御後も反省するどころか先代の妹を王位に就けるよう推挙した。これ以上 彼らが国を混乱させるのを黙って見ているわけには行かない!故に彼らを処断し国を正そうではないか!」
兵士「ピダム公。忠。忠。忠!」
華麗な花の中を歩くチュンチュ。
キム・チュンチュ「我らが成し遂げる三韓一統を乱子賊子の毘曇によって潰されてたまるか。私は必ず三韓一統の夢を成し遂げるのだ。」
キム・ユシン「太子殿。必ず三韓一統を成し遂げねば我らも死ねぬからな。」
キム・チュンチュ「ああ。その通りだ。私は絶対に乱子賊子などに屈したりはせぬ。」
そこに兵士の声が聞こえる。「毘曇が宮廷に攻め入ってきている」と。
【王殿】
毘曇「キム・チュンチュとキム・ユシン、そして大王をここへ連れてこい!」
そこにキム・チュンチュとキム・ユシンと真徳女王が。そして刀を持ったチュンチュと毘曇が対面する。
キム・チュンチュ「ピダム。なぜ挙兵をして王宮を侵した。」
毘曇「チュンチュ公とユシン公が王位に就いてはならぬ者を王位に就けるなど!到底許されぬ事だ!」
キム・チュンチュ「ハッハッハ。では女族の先代王と噂になったのだ?」
毘曇「何だと?」
キム・チュンチュ「現の女王様が何故駄目で、先代の女王様は何故いいのだ!ただ名文をあげたいだけであろう。」
毘曇「黙れ!私は…お前とキム・ユシン、現の大王を殺し、私が大王になってやる!」
毘曇が キム・チュンチュに刀を振り落とそうとした時…
プロローグ 終「出仕」
西暦645年 善徳女王は危篤状態に陥り、国も共に混乱に陥る。そして、朝廷はピダム公が牛耳っていた。
ピダム「陛下。上大等である私 ピダムに摂政をご命じください。」
トンマン「ピダム!摂政をそなたに任せろとは!図に乗るでないぞ!」
ウンチェ「陛下がご回復なさるまではピダム公に摂政を任せ、回復した時に陛下が再び親政を行うようにしては?」
トンマン「黙れ!」
トンマンはピダムに刀を向ける。
トンマン「もう余も我慢する事はできぬ。そなたを殺してやる!」トンマンがピダムに刀を振り落とそうとする__
新羅の地をを馬が走る
西暦633年 即位した善徳女王は唐に積極的に近づいて朝貢を重ねた。 そして西部国境地帯に百済の侵入を受けるのだった。
武王「新羅を滅亡させるのだ!」
義慈王子「父上。このような事をしていいのですか?新羅のキム・チュンチュと高句麗の栄留王は仲が良いそうですぞ。」
武王「キム・チュンチュ?誰だ?」
義慈王子「新羅の太子候補の者です。」
武王「私が太子でもない者を恐れるとでも?」
【新羅朝廷】
アルチョン「陛下。私が西部国境地帯に向かい、百済軍を討伐して参ります。」
キム・チュンチュ「アルチョン公とユシン公を共に向かわせては?」
善徳女王「ではアルチョン公を討伐軍首長、キム・ユシンを討伐軍長に。」
アルチョン「ありがたき幸せ。」
【百済・東宮殿】
ソンチュン「太子様。ケベクを連れ、新羅へ自ら出兵するですと?」
ケベク「私は太子様の命令に従うだけです。」
ソンチュン「ケベク。そなたも太子様を止めなさい。新羅がどれほど危険か分かっているのか?」
義慈王子「そんな新羅を止めるのが我らの役目だ。国のためになりたくば私の出兵に協力するのだ。もうキム・チュンチュには屈したりなどせぬ。」」
ソンチュン「太子様!」
そこに、武王がやって来る。
武王「太子。義姉様(善徳女王)を殺してはならぬぞ。私の妻が悲しむだろうから。」
義慈王子「父上。いくらなんでも息子が母を苦しめることなどいたしません。」
武王「ありがたい。」
3ヶ月後…百済の義慈王子は大軍を使い、新羅に出兵をする。そして新羅は大伽耶城のピダム公に援軍を求めた。そして見事に百済を撃退するのだった。
【新羅朝廷】
アルチョン「陛下。ピダム公が援軍を率いて百済を撃退したという戦功は見事な事柄ですゆえピダム公に官位を与えてはどうでしょうか。」
チュンチュ「アルチョン公の仰る通りです。ピダム公を朝廷に出仕されてください。」
キム・ユシン「ですが、ピダム公は野心家だそうです。ピダムは''王位に上りたい''と口にしたことがあるとか。そのような逆臣を朝廷に出仕させるわけにはいきません。」
善徳女王「しかしピダム公がいなかったとすれば新羅は滅亡していただろう。」
キム・ユシン「ではピダム公に金品を与えてはいかがでしょう。」
善徳女王「よかろう。そうせよ。」
キム・チュンチュ「仰せの通りに致します。」
【ピダム公の屋敷】
ピダム「この金品は何ですか?」
キム・チュンチュ「大王陛下から頂いた褒美の品だ。」
ピダム「何故私は官位ではなく金品を?」
キム・チュンチュ「官位が欲しいか?」
ピダム「8万の援軍ですよ?高句麗との境界線であり、いつ高句麗に攻撃されても分からない大伽耶城から宮廷に8万の援軍を送ったんですよ。それなのに私は何故官位ではなく金品を?」
キム・チュンチュ「やはりユシン公の仰っていた通りであったようだな。誠にそなたは野心家のようだ。」
ピダム「私が自ら大王陛下に謁見し、訴訟します。」
キム・チュンチュ「そうか。勝手にするがいい。」
【王殿】
バク内官「大王陛下。大伽耶城の城主ピダム公が王殿に来ております。」
善徳女王「そうか。中へ通せ。」
ピダムが入ってくる。
ピダム「大王陛下。褒美の件でお話ししに参りました。」
善徳女王「まぁ座れ。」
ピダムが座る。
善徳女王「既にチュンチュから話を聞いている。褒美を官位に変えて欲しいと?」
ピダム「はい。大王陛下。私は8万の者たちに援軍を誘いました。そして宮廷に援軍しました。その援軍した者たちへの代金が900両で足りると?私は今にも援軍した者たちに殺されそうです。官位を…官位を下されば陛下に何だってします。」
善徳女王「誠か?それならそなたに参拝(チャンバン、正6品)の座を与える。」
ピダム「誠ですか?」
善徳女王「しかし願いを聞かねばその座を手にする事は出来ぬぞ。」
ピダム「何なりとお申し付けください。」
善徳女王「それなら百済の義慈太子と和平交渉をして来るのだ。」
ピダム「和平ですと?」
第2話 お楽しみに
- Re: 渾身 集 ( No.3 )
- 日時: 2019/08/03 20:45
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第2話 「和平交渉」
【百済・東宮殿】
義慈王子「新羅の大伽耶城の城主が和平交渉を?」
ソンチュン「はい。そやつの首を斬り落として新羅に送りつけますか?」
義慈王子「まずは様子を見てみようではないか。その城主を入れよ。」
そこにピダムが入ってくる。
ピダム「太子様に謁見いたします。」
義慈王子「まあ座るがいい。」
ピダムが座る。すると、ピダムが衣から何かを包んだ布を義慈王子に渡す。
義慈王子「これは?」
ピダム「あの有名なチュモン公が特別に製作された金刀です。」
義慈王子「これは賄賂のつもりか?」
ピダム「いえ、ほんの気持ちです。」
義慈王子「これは明らかに賄賂であろう。一国の太子に賄賂を送りつけるなど何と不届きな。新羅にこのような不届きな者がいたとは!こやつを直ちに投獄せよ!」
ピダム「太子様。太子様!太子様!」
ケベク「はい。太子様。」
ケベクと兵士がピダムを連れて行く。
【新羅朝廷】
アルチョン「陛下。何故朝廷に内密で百済に和平交渉をあやつにさせたので?」
キム・チュンチュ「全く…賄賂を送りつけるとは。けしからん奴だ。」
アルチョン「陛下。このままでは百済との関係が終わってしまいます。」
キム・チュンチュ「それでは私が百済に和平交渉をしに参ってきます。」
善徳女王「頼んだぞ。チュンチュ。」
【百済・東宮殿】
義慈王子「そなたは何故あのような者を百済に送って参った?」
キム・チュンチュ「実はこれは新羅の大王陛下があの者を試すために和平交渉に行かせたそうなのです。」
義慈王子「なるほどな。そうだったのか。それでまた和平を組みに?」
キム・チュンチュ「はい。太子様。」
義慈王子「いいだろう。父上にお許しを得る。それと父上は新羅に出兵をしてしまった事を謝っておられた。」
キム・チュンチュ「陛下がわざわざですか。我らの陛下も百済の兵士に傷を付けてしまった事を謝っておられました。」
【百済・牢獄】
牢獄から出てくるピダム。
ピダム「チュンチュ公。私をお救いくださり誠に光栄です。」
キム・チュンチュ「時期に和平が組めるだろう。陛下はそなたに感謝しておられておった。故に参拝の座は渡せぬが吉忠(キルジュン、正8品)をそなたに与えられた故陛下に感謝しなされ。」
ピダム「はい。チュンチュ様。」
【キム・ユシン 精鋭武士教養所】
精鋭武士を指導するマングン。そんなマングンの元にやって来るユシン。
キム・ユシン「そなた、今最精鋭の兵士を動かせるか?」
マングン「現在、百済出兵時の傷を負った最精鋭の兵士の内1人が休養しています。」
キム・ユシン「ではその1人を除く最精鋭の兵士を今すぐ動かさねばならぬようだ。」
マングン「何故…」
キム・ユシン「高句麗と和平を組もうとしていた新羅が百済と和平を組もうとしている事に栄留王が腹を立て、出兵しようとしている。」
マングン「わかりました。」
【高句麗朝廷】
ヨン・ゲアムン(ヨン・ゲソムンの兄)「我らと和平の約束をした新羅のキム・チュンチュは無礼極まりありません。故に新羅に出兵してはいかがでしょう」
栄留王「いいや、新羅の徐羅伐にはピダムという大伽耶城の8万の大軍を手に持つ城主がおる故…」
ヨン・ゲアムン「陛下!キム・チュンチュだけでも倒しましょう。」
栄留王「では暗殺するのだ。内密に。」
【キム・ユシンの屋敷】
キム・ギグァン「父上。おかえりなさいませ。お客様がお部屋に。」
キム・ユシン「客?そうか。部屋へ戻って休んでいいぞ。」
【屋敷・部屋】
そこには正装したヨムジョンが。
ヨムジョン「ユシン公。久方ぶりですな。」
キム・ユシン「貴様…何故ここへ来た!」
終
登場人物紹介
主人公 キム・チュンチュ 後の武烈王
善徳女王の甥、国に忠誠を尽くす。ピダムの主人
ピダム (吉忠→参拝→イチャン→角干→上大等)
チュンチュの部下、チュンチュに忠誠
善徳女王
新羅27代王、チュンチュの叔母、ピダムの野心を疑う。
キム・ユシン
キム・チュンチュの幼馴染。
ヨムジョン(解担→参拝→陽舞→イチャン)
ピダムの部下、キム・ユシンのライバル
- Re: 渾身 集 ( No.4 )
- 日時: 2019/08/04 16:53
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第3話 「高句麗の怒り」
【キム・ユシンの屋敷】
キム・ユシン宅に戻ってくるユシン。
キム・ギグァン「父上。おかえりなさいませ。お客様がお部屋に。」
キム・ユシン「客?そうか。部屋へ戻って休んでいいぞ。」
ギグァンは去っていくと、自身の部屋へ向かう。
【キム・ユシンの屋敷・部屋】
そこには下に甲冑を着て、正装したヨムジョンがいた。
ヨムジョン「キム・ユシン殿。久方ぶりですな。」
キム・ユシン「貴様…何故ここへ来た!」
ヨムジョン「ユシン公はチュンチュ公の幼馴染みだとか。チュンチュ公を…」
キム・ユシン「貴様!高句麗の手先になって新羅を裏切ったくせに新羅に再び戻ってくるとは!出て行け!」
ヨムジョン「そう冷たくなされるな。」
キム・ユシン「今度は栄留王にチュンチュを暗殺しろとしでも言われたのか?」
ヨムジョン「ユシン公は勘が鋭いですな。故にもうお察しでしょう。私は既に甲冑を着ており、ユシン公に力で脅しに来た事を。」
キム・ユシン「そなたに私が負けるとでも?」
ヨムジョンは刀を抜いて、ユシンに向ける。
ユシンは刀をヨムジョンから奪い、ヨムジョンに刀を向ける。
キム・ユシン「我らはもう友人関係ではない。それは既に消えた関係だ。もう帰れ。」
ユシンは刀を捨てる。すると、ヨムジョンがその刀を奪おうとした時…ユシンがその刀を足ですくって手に取り、ヨムジョンの目に刺す。
ヨムジョン「貴様!よくも…私の龍眼を…」
目を押さえながら去っていくヨムジョン。
【キム・ユシン宅の帰り】
目を押さえながら歩くヨムジョンの前に現れるピダムはヨムジョンの姿に驚く。
ピダム「だ、大丈夫か?」
ヨムジョン「どなただ?」
ピダム「私の屋敷に参れ。手当てをしてやる。」
ヨムジョン「あなたは吉忠のピダム公では?」
ピダム「そうだ。そんな事より早く屋敷に来い。」
ヨムジョン「キム・チュンチュの場所を?」
ピダム「何故だ?チュンチュ様は現在百済の首都におられる。」
ヨムジョン「百済に?」
ヨムジョンはそこから走って去っていく。
ピダム「何だったのだ?」
【王殿】
善徳女王が国書を書いている。''チュンチュは後に太子となる身です。故にチュンチュの暗殺をやめてください。''と。
キム・チュンチュ「これを高句麗の王に?」
善徳女王「ああ。そなたに頼むぞ。」
【キム・チュンチュの屋敷】
ピダム「何故私に?」
キム・チュンチュ「そなたを信頼しているからだ。」
ピダム「誠ですか。チュンチュ様。」
キム・チュンチュ「ああ。これを高句麗王に渡し、高句麗から無事に帰って来い。」
ピダム「そんなチュンチュ様のご期待に添えるよう高句麗へ渡りに行って参ります。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.5 )
- 日時: 2019/08/04 16:54
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第4話 「昇進の出兵」
【高句麗王殿】
栄留王「早く出て行け!顔も見たくない!」
ピダム「新羅の国王は大王殿下は''先に出兵をしたのは高句麗だ。何故それを止めて高句麗は怒るのだ?我らには新羅の民と国を守る義務がある故、怒られる筋合いなどない''と仰られました。」
ヨン・ゲアムン(この者は…大王を恐れていない。これは大王を廃位するのに適する男だ。)
ピダム「大王陛下!どうしますか!我ら三韓が和平を組むか、それとも百済と新羅を敵に回しますか!」
栄留王「誠に百済からは三韓の和平の許可を得られたというか?」
ピダム「はい。百済の義慈太子からは承諾を受けました。三韓の和平は可能です。」
栄留王「よし。では国書の通りチュンチュ暗殺の命は取り下げよう。」
その栄留王の裏にはヨムジョンがいた。
ヨムジョン「ピダム公…何という事だ。。。」
【王殿前】
ピダムの前にヨムジョンがやってくる。
ヨムジョンは跪き、「私を…下にお置きください。」と。
ピダム「そなた、何の真似だ!」
ヨムジョン「あなたこそが私の主君です。あなたからものすごい気が感じられるのです。」
ピダム「そこまで言うなら仕方ないな。」
【新羅朝廷】
善徳女王「ピダム、よくやったな。」
キム・チュンチュ「私は良い部下を持ったと思えます。」
ピダム「ありがたき幸せです。」
善徳女王「そなたに参拝に任命する。」
ピダム「聖恩の限りでございます。」
【朝廷・前】
ヨムジョン「主君。さすがです。私が見込んだ通りでしたな。」
ピダム「ハッハッハ。ヨムジョン。そなたもいつかは宮廷に出仕させてやろう。」
ヨムジョン「主君。私はそのような事は望んでおりません。ただ、主君に仕えられれば十分です。しかし、主君。チュンチュ公とは手をお切りください。」
ピダム「何故チュンチュ様と手を切らねばならぬのだ?」
ヨムジョン「彼は危険な人物ですぞ。」
そこにキム・ユシンがやって来る。
キム・ユシン「ピダム公。よくやったな。」
ピダム「''よくやったな''ですと?私は官位六品の参拝ですぞ。これよりユシン公は私に敬語をお使いください。」
キム・ユシン「そうですな。''参拝様。''」
そこに、後ろからチュンチュがやって来る。
キム・チュンチュ「ピダム公!ユシン公に無礼ではないか!」
チュンチュはピダムを睨みつける。
キム・チュンチュ「ピダム公。参拝の座を手に入れ、一気に態度を変えるとは!けしからん奴だ。そなたとは手を切ることにする。」
ピダム「いいでしょう。チュンチュ公とはもう関わりたくもありません。私は宮廷のしきたりに従うだけです。」
ピダムとヨムジョンは去っていく。
キム・チュンチュ「ピダムがあのような者だったとは…あやつは絶対に許さぬぞ。」
キム・ユシン「ついにあやつが本性を現した様だな。」
【善徳女王の寝室】
ピダム「陛下。私にイチャンの座をお与えに。」
善徳女王「イチャンだと?」
ピダム「私がナンビ城(高句麗・平壌地方の城)を奪還して参ります。」
善徳女王「それが可能なのか?」
ピダム「私の今 手元にいる2万の兵士と辺境にいる8万のうちの2万の兵士をお与えください。」
善徳女王「4万の兵士だけでナンビ城を堕とす事が可能なのか?」
ピダム「はい。私にお任せに。」
それを、外から盗み聞きするキム・ユシン。
キム・ユシン(ピダム…次はイチャンの座に上り、チュンチュ公まで追い越す気か。)
【宮殿・前】
ピダム「私、参拝ピダムは!高句麗のナンビ城を堕として参ります!」
そこに甲冑を着たヨムジョンがやって来る。
ヨムジョン「ピダム公。私も付いていきます。」
ピダム「私は心強いぞ。ヨムジョンよ。」
ヨムジョンは馬に乗る。
【善徳女王の寝室】
キム・チュンチュ「何故ピダムにナンビ城へ出兵を許可したのですか。」
善徳女王「そなたにとってはどちらも嫌な事だろう。 ナンビ城でピダムが敗北すれば高句麗の怒りを買い、新羅に犠牲者が出るだろう。そしてピダムがナンビ城の奪還に成功し、戦功を立てればピダムが昇進するだろう。」
キム・チュンチュ「それなのに…何故…」
善徳女王「私はそなたに高句麗に行ってもらう。」
キム・チュンチュ「どういうことですか?」
善徳女王「そなたが高句麗の栄留王にピダムがナンビ城に出兵している事を伝えにいくのだ。そして、栄留王にピダムを始末してもらい、新羅の犠牲が出ぬように説得するのだ。」
キム・チュンチュ「つまり、高句麗と手を組み、ピダムを始末すると?」
善徳女王「この前、高句麗と問題を起こしたばかりである。慎重に言葉を選ぶのだぞ。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.6 )
- 日時: 2019/08/04 16:56
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
【用語解説】
鳳凰…中国で聖徳を備えた天使の兆しとして現れるとされた、孔雀に似た想像上の瑞鳥。
高麗(高麗、コリョ)…918年~1392年に朝鮮半島に実在した国。ワン・ゴンが創始した国。
後高句麗…クンイェが建国した既に滅びた高句麗を復興した国。
後百済…キョン・フォンが建国した既に滅びた百済を復興した国
新羅…唐と共に百済、高句麗を滅ぼし、三韓一統を果たした大国。
二韓一中同盟…百済と高句麗、唐が同盟を組んだ時の名称。
使臣…君主 又は国家の代理で外国に派遣される使者。
同盟…思想などの一致した者らが(敵を同じくした者たち)共に個人や勢力同士で協力を約束する事。
復位…元の位に戻る事。
反正…正しい状態にする事。(暴君を王を廃位して国の規律を正すなど)
武烈王…新羅29代王、三韓一統を果たし新羅大盛期を起こした国王
国書…外交文書、外交交渉に用いられる一切の公文書。
醍醐天皇…平安時代の倭国(日本)の第60代天皇
- Re: 渾身 集 ( No.7 )
- 日時: 2019/08/04 16:57
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
【登場人物】
ワン・ゴン…後の高麗創始者(919年)
ワン・ラン…ゴンの弟、後新羅愛国者
ホン・ユ…ゴンの親友。後の開国功臣
ぺ・ヒョンギョン…ワン・ゴンの親友
シン・スンギョム…ワン・ゴンの親友
ポク・チギョム…ワン・ゴンの親友
景明王…新羅の54代国王
景哀王…新羅55代国王
敬順王…新羅56代王
キョン・フォン…後百済の国王
クンイェ…後高句麗の国王
神恵夫妻…ワン・ゴンの妻
雷安君…クンイェの弟、ワン・ゴンの親友
朱全忠…後の後梁皇帝
哀帝…唐23代皇帝。唐で操られる皇帝
大湮饌…渤海第15代王
大幃階…渤海14代王
李裕…唐の廃帝 昭宗を廃位し、廃位された皇帝
昭宗…唐の皇帝
チェ・ヤンス…後のチェ・ジモンの父
李茂貞…朱全忠に流刑に処された男。ワン・ゴンに協力。
李克用…ワン・ゴンの協力者
- Re: 渾身 集 ( No.8 )
- 日時: 2019/08/04 16:58
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:プロローグ
9世紀末…唐の力で高句麗・百済を滅亡させた新羅は6世紀~8世紀まで栄えていたが、百済・高句麗は再興され、新羅の国力は衰えた。
それにより、百済や高句麗を倒そうとする貴族勢力の反乱が絶えなかった。
900年 後高句麗がクンイェによって建国され、後百済がキョン・フォンによって建国される。その頃、唐では李裕は皇太子になり、クーデターで昭宗を廃位し、皇帝へ即位した。そして、李裕の暴政はとてつもないものであり、朝鮮半島にも影響を及ぼした。
- Re: 渾身 集 ( No.9 )
- 日時: 2019/08/04 17:02
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1章「戦いの始まり」第1話 「クンイェの怒り」
【占いの館】
占い師「そなたは闇の中にずっと居続ける運命だ。__そなたがその運命から逃れる方法は王位に昇ることだ。そなたは王位に登らなければならぬ。」
ワン・ゴン「何ですと?」
占い師「戦い続けるのが嫌ならば王位に就け。」
ワン・ゴン「ですが、方法など…」
占い師「本気で王位に就くつもりなら今の国王のクンイェの元へ行き、まずはクンイェに諛うのだ。」
ワン・ゴン「諛うのですか…」
占い師「ああ。諂え。」
西暦900年 【高句麗朝廷】
クンイェ「私たちを滅ぼした唐の使臣がこの国に何の御用でしょう。」
唐の使臣「唐へ高句麗の特産物を献上せよとの詔が下された故に…」
クンイェは机を叩く。
クンイェ「黙れ!唐の皇帝に埃でも献上せよ!埃でも食っとけ!と。」
唐の使臣「クンイェ殿!唐に無礼を働く気か!」
クンイェ「唐は我らの敵国だ!我らを滅ぼしたのはそちたちであるのを忘れでもしない限り特産物を献上しようとなんて言わないだろう。そなたを殺さないだけマシだと思え。早く帰れ!」
唐の使臣「クンイェ殿。覚えておきなされ。あなたにはどのような罰が待っているでしょう。楽しみですな。」
【唐朝廷】
李裕「何だと?高句麗が特産物を渡さない?」
唐の使臣「はい。陛下。クンイェに処刑を命じては…」
李裕「それは不可能であろう。高句麗は新羅に保護されており、勝手にはそのような手を下せる事ができぬ。」
唐の使臣「では…どうするのです。」
李裕「暗殺すればいい。」
唐の使臣「つまり真っ向から攻撃するのではなく、回り込んで攻撃するのですね。」
李裕「ああ。その通りだ。」
【高句麗宮殿・外】
宮殿に入ろうとした時…
「何者だ?唐人か?殺せ。」
すると唐の兵士たちにズバッと一瞬にして斬られる。
【クンイェの寝室】
唐の兵士たちはクンイェの首に刀を向ける。
すると、寝室にワン・ゴンと兵士たちが入ってくる。ワン・ゴンは兵士に刀を向ける。すると、兵士はクンイェの首に刀を当てて人質にする。
その後ろからぺ・ヒョンギョンが刀を手にして入って来る。そして、ぺ・ヒョンギョンが兵士を背後から斬る。ワン・ゴンが兵士の顔を見る。
ワン・ゴン「唐人です。やはり王様の予想通りでしたね。」
クンイェ「ああ。やはり唐の皇帝は暴君のようだ。廃位しよう。」
ワン・ゴン「はい?」
クンイェ「宦官を買収し、宦官勢力のクーデターを装い、廃位された昭宗殿下を復位させればいい。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.10 )
- 日時: 2019/08/04 17:03
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1章 「戦いの始まり」 第1話「クンイェの怒り」②
901年(天復元年)1月4日 李裕反対勢力の宦官らとクンイェらによって退位させられる。その後''徳王''と呼ばれるようになるになる。
【王殿】
クンイェ「陛下。ご復位、誠におめでとうございます。」
昭宗「ハッハッハ。余は既に聞いておる。そなたたちの活躍あってこその反正だったとか。そなたに褒美を使わそうではないか。」
クンイェ「それでは褒美の代わりに新羅と同盟をお取り消しください。」
昭宗「何だと?たわけた事を申すな!」
昭宗は机を叩き、立ち上がり、クンイェの胸ぐらを掴む。
クンイェ「唐は我らを滅ぼそうとした国です。唐に共に滅ぼされた百済と同盟を組めば、唐に出兵しすぐにでも唐を滅ぼす事は不可能ではありませんぞ。」
昭宗「分かった。決まり次第知らせよう。」
【新羅・宮妓楼】
酒と女に溺れている孝恭王。
孝恭王「全くだ。亡き英雄キム・ユシンと武烈王が敷いた三韓一統を壊してしまった。この私が。私は高句麗や百済に対抗もできないとは。なんと無能な王だ。」
妓女「大王殿下のせいではありません。そうだ。唐に国書を送ってははどうですか?」
孝恭王「唐とは既に和平も組んでいるそれなのに国書が必要なのか?」
妓女「昨晩、高句麗の王クンイェが唐の政変に加担したそうです。それで新皇帝から寵愛を受けているとか。このままだとクンイェは我らの和平までを壊そうとするでしょう。その前にご対処を。」
孝恭王「そうだったのか。よし。即刻国書を書こうとしよう。」
【唐朝廷】
昭宗「全くだ。新羅からも国書が来た。」
パンソク「陛下。どうするおつもりで?」
昭宗「これは…高句麗・百済か新羅を今選ばねばならぬ事では?」
パンソク「どちらを選んでも兵士たちがが攻めて参ります。」
昭宗「これは…高句麗・百済と和平を組むべきだと私は察した。」
パンソク「何故 高句麗・百済を?」
昭宗「今は高句麗・百済は建国して間もないから力がそれほど強くない。時が経てば、高句麗・百済も力を付け、唐と高句麗 百済が和平を組めばまさしく最強だ。」
パンソク「分かりました。ではクンイェを釈放するとしましょう。」
昭宗「あぁ。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.11 )
- 日時: 2019/08/04 17:04
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1章「戦いの始まり」 第2話「二韓一中同盟」
【唐の牢獄・外】
三日月のでる夜__
クンイェ「これは我らと和平を組むという事として見ていいのだろうか。」
ワン・ゴン「そうでしょう。ただし、あの頑固なキョン・フォンをどう説得するかが問題ですな。」
クンイェ「今日全部で考えるのは無理だ。今日は酒を飲んで今度にでも考えようではないか。」
翌朝
【百済の朝廷】
キョン・フォン「何だと?我らが高句麗と手を組めと?」
マンチュン「このままでは新羅には到底勝つ事は不可能でしょう。新羅に負けるか。かつて和平を組んだ事もある高句麗と手を組むか。」
ロクニョン「王様。高句麗がかつて新羅と同盟を組んだことも忘れてはなりませんぞ。」
キョン・フォン「だが新羅はかつて百済の最後の国王義慈王に土下座とてさせた。余は新羅を許す事は到底できぬ!よって高句麗と和平を喜んで組もうではないか!」
【唐朝廷】
昭宗「左様か。ならば''二韓一中同盟''を組もうではないか!」
クンイェとキョン・フォン「ありがたき幸せ。我らは喜んで同盟を組みます。」
901年1月9日 クンイェとキョン・フォン、昭宗が血を流して同盟を組んだ。それに怯えた孝恭王は酒に溺れ続け、孝恭王は日に日に削れていく領土に目を向けもしなかった。領土が削られて行くにつれ臣下らの報告に怒りを感じ、臣下らの粛清を行った。これを''孝恭慈乱''と。
901年1月24日 左大臣・藤原時平の甘言により醍醐天皇が右大臣・菅原道真を太宰権帥として太宰府に左遷した。この事件を倭国では''昌泰の変''と呼ばれる。新羅の忠臣キム・ユシンの子孫 キム・ジェミンは醍醐天皇に助けを求め、倭国と和平を組んだ。これを''昌泰和平''という。
【倭国朝廷】
醍醐天皇「そちはかつての英雄キム・ユシンの子孫であるな?」
キム・ジェミン「はい。その通りです。」
藤原時平「我らと急を要して和平を結びたいと申してきたが何か新羅であったのか?」
キム・ジェミン「唐と百済、高句麗が和平を組んだのです。」
醍醐天皇「何ですと?」
藤原時平「それは我ら倭国にも影響が及ぶのでは?」
キム・ジェミン「兵士を1000いや、500人頂けますか?」
藤原時平「500でいいのか?そなたが望めば我らだって10000は出せるぞ。」
キム・ジェミン「あと、時平様と天皇陛下にお願いがございます。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.12 )
- 日時: 2019/08/04 17:05
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1章「戦いの始まり」 第3話「五国の戦い」
【倭国・朝廷】
藤原時平「我は新羅のキム殿と共に出兵に出る事とした。醍醐天皇陛下!私、藤原時平は出兵より無事に帰って参ります!」
醍醐天皇「さぁ行って参れ。必ず生きるのだ。それがそなたたちの宿命だ。」
【唐朝廷】
キョン・フォン「私、キョン・フォンはクンイェ将軍と共に倭国の出兵を妨げてみせます!」
クンイェ「私、クンイェはキョン・フォン将軍と共に倭国の出兵を妨げてみせます。」
昭宗「必ず無事に帰ってくるのだ。」
【新羅朝廷】
孝恭王「そうか。キム・ジェミンはよくやった。あやつに…褒美を授けよ。私は…もう力が抜け、動くことも容易ではあとはキム・ジェミンに全権を授けようではないか。」
宦官「陛下。陛下。陛下。起き上がってください。」
孝恭王「もう余は無理だと申しているだろう。後はキム・ジェミンに任せる。キム・ジェミンは余の従兄弟だ。故にキム・ジェミンに王位を継承させよう…もう余には力など残っておらぬ。余は酒を飲み、新羅の領土がすり減るのを見ているだけに限る。早くそなたも休め。下がれ。」
902年 6月5日 新羅の国王・孝恭王は責任逃れのために自害しようするが失敗。7月14日にはクンイェ、キョン・フォン連合軍が藤原時平を退却させる。そして連合軍は新羅王宮を包囲する。すると、藤原時平は倭国に戻る。
【倭国朝廷】
醍醐天皇「ではキム・ジェミンの願いを聞き入れよう。」
キム・ジェミン「それでは私は天皇陛下と藤原時平殿に願いを聞いて頂きたいです。」
藤原時平「願いとは?」
キム・ジェミン「私が兵を1人連れ、あちらへ投降します。そして、私が「倭国には手を出すな」と念を押しておきます。その夜 私が既に連れた8000の兵を連れて、高句麗・百済に攻め入ってください。もし失敗してもいいように倭国からも兵を多めに出していただけると嬉しいです。」
醍醐天皇「よかろう。こちらから70000出そう。」
藤原時平「誠に良いのですか?」
醍醐天皇「これで全てが終わるのならば。」
キム・ジェミン「ありがたき幸せ。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.13 )
- 日時: 2019/08/04 17:07
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1章「戦いの始まり」 第3話「五国の戦い」②
【百済・新羅 宿舎】
酒を飲むキョン・フォンとクンイェ
キョン・フォン「今日は誠に見事であった。あの新羅のキム・ジェミンらを倭国へ追い込むとは。」
そこに、兵士がやって来る。
【宿舎・外】
そこには土下座をしたキム・ジェミンが。
キム・ジェミン「両大王陛下。私は新羅の代表として百済と高句麗に投降をお伝えを参りました。」
クンイェ「何だと?」
キョン・フォン「誠に投降するのか?」
キム・ジェミン「はい。そう言うと思ったか?かかれ!」
大軍が宿舎に攻め入る!
そして、キョン・フォンに矢先を向ける兵士が矢を放ち、キョン・フォンの肩に毒矢が刺さる。
キョン・フォン「よくも…よくも…皆殺しにせよ!」
そこに藤原時平が馬に乗って7万の大軍を率いて宿舎に攻め入る!
藤原時平「7万の兵士達よ!百済と高句麗を滅亡させよ!」
902年 9月18日 高句麗と百済は倭国と新羅の大軍に敗れ、「新羅の奪った領土を返す代わりに助けてくれ」とキョン・フォンは醍醐天皇にせがみ、五国は和平を組む。
西暦903年(天復3年)官僚を次々と殺害し、権力を持っていた李茂貞は901年宦官勢力がクーデター事件に関与していた朱全忠と和議を結び、901年に起こった李裕退位の乱を終結させた。その後、長安に帰還する昭宗すると、官僚殺害を続けた李茂貞を失脚させ、官軍だった朱全忠は大藩鎮として勢力を振るうようになる。さらに、朱全忠は自ら皇帝になろうと、宦官を約7000人処刑した。
【唐朝廷】
朱全忠「陛下。李克用を処刑なさいませ。陛下を還元で惑わし…」
李克用「陛下。奸臣の言葉に惑わされてはなりませんぞ!」
朱全忠「黙れ!」
朱全忠は刀を衣から出し、李克用の腹に刺そうとした時…
昭宗「やめなさい!皇帝の前で殺生を行うと言うのか!」
朱全忠「ですが…陛下…」
昭宗「ここは神聖な宮廷の場だ。殺生はならぬ。」
【高句麗朝廷】
クンイェ「唐朝廷で内乱が?」
ワン・ゴン「はい。王様。朱全忠という極悪非道な大藩鎮が内乱を起こしております。」
クンイェ「ハッハッハ。唐の皇帝陛下も歳を召されておるというに。臣下の内乱が起きるとは。陛下も大変だな。」
ワン・ゴン「朱全忠は自ら帝位に昇ろうとしています。このままでは高句麗にも被害が及ぶやもしれません。」
クンイェ「そうか。ではチュ・ヤンス、あの者を使臣として唐へ行かせろ。」
ワン・ゴン「はい。陛下。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.14 )
- 日時: 2019/08/04 17:08
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第2章「確執」 第1話「唐の内乱」
【朱全忠の屋敷】
朱全忠「よし、それならば謀反でも起こせばいい。」
舞梅「大藩鎮様。誠に…謀反を起こすと?」
朱全忠「それ以外に手段はなかろう。来年には謀反を起こしたい。精鋭軍を組み直せ。」
舞梅「はい。大藩鎮様。」
西暦904年1月、朱全忠は昭宗に圧力をかけ、自分の拠点・洛陽に都を遷移した。8月、朱全忠の謀反により、昭宗は朱全忠の手によって処刑される。そして皇帝には朱全忠を慕う哀帝を据え、朱全忠は摂政を預かり、哀帝より攘夷を狙っていた。
その頃、倭国では藤原時平対抗勢力が現れ倭国でも内乱が起こるのだった。
904年5月に、藤原時平が暗殺の危機に遭い、その責任を対抗勢力の長・加藤癸士和が処刑され、対抗勢力は散っていった。904年7月に再び藤原時平に暗殺の危機が。それを対抗勢力の残党に仕業と見ていた藤原時平だが、後々ロシア大国の仕業と分かり、倭国はロシア大国との関与を控える事となる。
【百済朝廷】
キョン・フォン「何を申す!我らと同盟を組んだ倭国と手を切れと申すか!」
ガンジョク「倭国はロシア大国の標的にされ、下手をすれば我らも共に標的になるやもしれませんぞ。」
キョン・フォン「黙らぬか!百済と倭国の同盟を邪魔する気か!」
しかしキョン・フォンはやむを得ず倭国との同盟を切り、高句麗と共に歩む道を決めた。。。
終
- Re: 渾身 集 ( No.15 )
- 日時: 2019/08/04 17:09
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第2章 第1話「唐の内乱」②
藤原時平「陛下。私はどうしてもロシアに恨みを晴らしたく存じます。」
醍醐天皇「止めておきなさい。倭国はもうロシア大国に関与せぬと決めたのであろう?」
そこに藤原櫛麗がやって来る。藤原櫛麗(ふじわらくじなら、藤原時平の甥、醍醐天皇から寵愛を受ける。)の隣にはロシアのバリーアヌ(ロシア朝廷教授)がいた。
バリーアヌ〈天皇陛下。ロシアの首相大臣ルーシック殿が謝罪をすると。〉
醍醐天皇「何だと?バリーアヌ教授。誠に首相大臣が?」
バリーアヌ「ええ。もちろん。」
ロシアと倭国はこれを機に和平を組んだ。ロシア、高句麗、倭国の三國の和平はとても強いものだった。しかし、この和平を一番恐れたのはキョン・フォンらの百済だ。まさかキョン・フォンらはロシアが謝罪をして和平を組むなどと思いもしなかっただろう。 それに高句麗と倭国は敵国の防御対策に必要なロシアでしか手に入らない''黒石(火薬爆弾)''の原料を貿易できた。後に12世紀末期に日本と元の間で起こる''元寇''でも黒石が使われた。
終
- Re: 渾身 集 ( No.16 )
- 日時: 2019/08/04 17:11
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
序章
一五九七年〈慶長二年〉六月十九日 講和交渉決裂によって、閉ざされていた戦いが再び開幕されてしまう__それは加藤清正が朝鮮側の元助防将ソン・ヨンギルとチョ・ギョンを撃退した後イ・スンシンを銃殺し、加藤清正は当時の関白・豊臣秀吉を連れて朝鮮と明に降参を求めようと朝鮮に向かった。しかし、その途中 豊臣秀吉は病死し、加藤清正は戦いを止めることを命じた。。そんな帰り道彼らはある島(国)を見つける。
「あれは何だ?島か?」と加藤清正が黒田長政に問う。
「はい。そのようです。近づいて探索でもしましょうか?」と黒田長政。
そうして加藤と黒田はその島へ近づこうとした時、銃を二人に向ける。そして、加藤と黒田が乗る船に銃弾を放つ。
「止めよ。この船には豊臣様のご遺体があるのだ」と黒田長政。
すると、[何だ?倭国の人間か?]と島住民が。
「何だ…女真族か(後の中国王朝・清国の当時の名称)」と黒田長政。
そんな黒田と加藤の元にその島の国王がやってくる。
「ここは国です故に密入国になりますぞ?」と日本語を話す国の国王・泰万王が。
「国だと…」と加藤清正と黒田長政。。。
- Re: 渾身 集 ( No.17 )
- 日時: 2019/08/04 17:12
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1話
この物語は短編フィクションです。
一五九九年〈慶長四年〉九月二十八日
加藤清正と黒田長政 来日から約2年__''国''は泰清と名付けられ、倭国、朝鮮、明、女真 いろんな国の民族が訪れ、約人口7千を超える国になった__泰万王が崩御し、泰億王が即位した。
泰清では基本的に日本語(倭国語)を使ったため、日本との交流が深かった。特に豊臣秀吉から当時、日本一の権力を持つ徳川家康に寝返り、再び権力を持った加藤清正との交流が深かったために日本人も多かったためいつからか日本語を使うようになった。ちなみに、泰億王は泰清3代目の国王だ。泰清は初代王・太清王がかつて朝鮮の島・下清島を奪取し1560年に建国した国だ。
そんな頃、朝鮮は日本への復讐を考え、朝鮮の頭脳明晰な王子・光海君を日本に派遣させた。
終
- Re: 渾身 集 ( No.18 )
- 日時: 2019/08/04 17:13
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第2話
一五九九年〈慶長四年〉十月二日
光海君は徳川家康との親交を深め、隙を突こうとしていた。そんな光海君の様子を知った泰億王の謀臣中川 石鎌は加藤清正にその事を伝える。そうして徳川家康は光海君の入国を認めなかった。光海君は朝鮮王・宣祖にその事を知らせ、再び日本へ出発して海を渡り、泰清国に着陸する。
しかし、その事を知った中川石鎌は皇太子 海王を利用して光海君の''入国''を認めなかった。しかし光海君は兵を率いて''入国''する。「何故、非公開の国がこのようなところにある!」と言って、泰億王の首に刀を突きつける。
終
- Re: 渾身 ( No.19 )
- 日時: 2019/08/04 17:15
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第3話
しかし、それを先に察していた中川 石鎌と皇太子 海王が光海君を取り押さえる。そうして人質となった光海君は父・宣祖の「二度と日本を攻撃しない」と言う誓いと光海君を引き換えに交換した。
一六〇〇年〈慶長五年〉一月十日
徳川家康は泰清を褒め称え、泰清を公開する''国''とした。しかしその事により泰清のように海の上に土地を造る国に嫉妬する明は泰清にいる明国民を自国に返すように言い、軍を率いて泰清に向かわせた。だが、日本の援軍により、一件落着した。しかし、明の皇帝・万暦帝は諦めなかった__
終
- Re: 渾身 ( No.20 )
- 日時: 2019/08/04 17:16
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第4話
一六〇〇年〈慶長五年〉一月十二日
万暦帝は日本に使臣を派遣している時、泰清に2千の兵を送り、泰清から明国民を自国に返却した。
その後‥泰清と明は和平を結んだ。
一六〇〇年〈慶長五年〉一月三〇日
その頃、泰清では疫病(死に至る感染症)が流行した。それを知った朝鮮は泰清にホ・ジュンと言う名医を送り、疫病を治すよう泰清に命じた。その頃、明も 會兆を送り、泰清の疫病を治めるために専念した。
一六〇〇年〈慶長五年〉三月八日
2ヶ月も続いた疫病感染は無事に集結した‥しかし、明と朝鮮と和平を組んだ泰清にさらなる危険が及ぶ__
次回「倭国の襲撃」
お楽しみに
- Re: 渾身 ( No.21 )
- 日時: 2019/08/04 17:17
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第5話
一六〇二年〈慶長七年〉 一二月十日
倭国で最も大きな氏族となり権力を振るう徳川家康は貿易で人口を二年で7千から5万に急上昇させている泰清をついに倭国に吸い込もうと画策する…しかし、子もいず、継承者のいない泰億王が42歳で急死し、泰億王の弟であり、品性最悪の泰海王が即位した。そして泰清は一気に窮地に陥る。そうして徳川家康は加藤清正に反対されながらも泰清に出兵する。すると、泰海王は新たに''武人堂''と言う国と王室を守る組織を新たに創立し、倭国から泰清を守り、徳川家康は出兵をやめた。
その後…一六〇五年〈慶長十年〉 七月七日に莫大な費用をかけて洪水が起こる村に仏壇を創立し、一六〇六年 〈慶長十一年〉五月頃、朝鮮との回路を作り、朝鮮との貿易を可能にし、人口を30万に急上昇させた。泰海王は即位前とは違う雰囲気の中 治世を過ごした。
波乱万丈な生涯を歩む泰清国。一六〇六年〈慶長十一年〉、ついに光海君に危機が__
終
- Re: 渾身 ( No.22 )
- 日時: 2019/08/04 17:18
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第6話
一六〇六年〈慶長十一年〉 四月十三日
庶子(妾の息子)である太子は光海君に危機が訪れた…王妃と宣祖の息子・永昌大君が嫡子(本妻の息子)として生まれ、光海君は太子の地位でいられる事が難しくなった__
その頃 泰清では…
一六〇六年〈慶長十一年〉 七月
面積が朝鮮の100分の1だった泰清は面積を日本の16分の1の大きさに拡張し、世界中に泰清の名が知られるようになる__千六百三年に江戸幕府を開いた徳川家康は征夷大将軍となり、豊臣家を滅ぼそうと目論んでいた。
一六〇八年〈慶長十三年〉 三月十七日
永昌大君は太子に任命されないまま、宣祖が急死したため、光海君が即位した__
光海君は倭国への復讐を始める__
終
- Re: 渾身 ( No.23 )
- 日時: 2019/08/04 17:19
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第7話
一六〇八年〈慶長十三年〉 三月二十日
光海君の即位式が行われた。
一六〇八年 〈慶長十三年〉四月二日
大同法が光海君により実施され、大きく明、倭、朝鮮に大きな影響を及ぼした。泰清も朝鮮に倣い、大同法を実施した。そんな頃、光海君は大同法と同時に倭国への復讐をしようとしていた…そして、間も無く出兵の準備が始まった。
一六〇八年 〈慶長十三年〉四月六日
朝鮮が出兵の準備をしようとしている事が加藤清正から徳川家康に伝わった。それと同時に泰海王は忠臣・智兆慶喜により朝鮮出兵の件を伝えられ、倭国に早急に援軍を送ろうとするが、黒田長政によって「下手に動いてはいけない」と伝えられた。
一六〇八年〈慶長十三年〉 四月十一日
朝鮮に対抗すべく倭国はこの頃 生産が始まった''火縄銃''を数え切れないほど仕入れて朝鮮から倭国を守ろうとするが、朝鮮は20万の大軍を送ろうとする…
一六〇八年〈慶長十三年〉 四月二十八日
ついに光海君は20万の大軍を率いて倭国に向かう__どうなる倭国?
戦いが始まってしまった__
- Re: 渾身 ( No.24 )
- 日時: 2019/08/04 17:20
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第8話
一六〇八年〈慶長十三年〉 四月二十九日
朝鮮が出兵した事を聞く万暦帝は宦官に「何としても全面戦争を止めろ」と言って朝鮮方面に出兵させる万暦帝。
一六〇八年 〈慶長十三年〉五月七日
明国の兵士らに止められながらも出兵を続ける朝鮮の姿を見た泰海王は新たに建築させた''泰海殿''で特別訓練をした精鋭隊たちを朝鮮に3万派遣し、朝鮮は出兵を止めた…
一六〇八年 〈慶長十三年〉五月二十日
明国の中に存在する海西女真と野人女真はヌルハチによって統一されそうになっていた__
一六〇八年〈慶長十三年〉 五月二十二日
ヌルハチの居城ヘトゥアラ城に朝鮮民族が入り、ヌルハチの怒りを買った朝鮮は再び危機へ…
終
- Re: 渾身 ( No.25 )
- 日時: 2019/08/04 17:21
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第9話
一六〇八年〈慶長十三年〉 十二月十日
臨海君はヘトゥアラに密偵として朝鮮民族を忍ばせ、流刑へ…そして長き間1万を超える大軍を使いヌルハチは朝鮮に攻め込むが、敗北してしまう。
1608年、朝鮮と後金は敵対関係へ…それから現在はこの事件を''大敗の戦乱''と呼ばれるようになる。
一六〇九年〈慶長十四年〉
臨海君はその後流刑地を脱走し、挙兵した罪で処刑された。その最期には''泰清に気をつけろ''と。
その通りだ。この後、泰清は光海君にとっては最大の脅威となるであろう。
一六〇九年 〈慶長十三年〉七月五日
ヌルハチは明との境界線をつけ、女真の権威を示した。そして、倭、明、泰清、朝鮮が女真を恐れるようになる。
終
- Re: 渾身 ( No.26 )
- 日時: 2019/08/04 17:22
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第10話
一六〇九年 〈慶長十四年〉七月十二日
泰清では女真族の荒らしが絶えず、泰清は急速に崩れていった。そして泰海王は泰海殿の主・中山 煌流を使い、女真族の侵略を防いだ。
一六一〇年 〈慶長十五年〉五月三十日
日本との友好関係を築きつつ、朝鮮とも友好関係を築き、女真の様子を伺っていた泰清の元に更なる危機が訪れる。それは、泰海王の危篤だ。当時 泰海王は…49歳であったために年を召し、病にかかる。
一六一一年〈慶長十六年〉 六年九日
ついに泰海王は崩御した。しかし、国王の座に座れるような者は一人を除き誰もいなかった…
そのために彼を王位に据えた…
終
- Re: 渾身 ( No.27 )
- 日時: 2019/08/04 17:23
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第11話
一六一一年(慶長十六年〉六月十二日
泰清では泰海王の息子・泰元王が王位に就き、女真族を倒すことに専念し、国を平定した__
泰海王が建てた泰海殿をはじめとした建物を強化し、泰海殿の中山・煌流を国王親衛隊長に命じた。
一六一一年〈慶長十六年〉六月十五日
女真族の侵略が迫る中、中山・煌流は義兵を集め、新たに精鋭隊を作ることを泰元王に勧めた。
しかし、中山・煌流の兄であり、議臣の中山・慧文はそれに反対し、先に女真との和平を結ぶ事を勧めた。
一六一一年〈慶長十六年〉六月二六日
女真族の長のヌルハチは明への領地拡張を求めに詰問し、圧迫した。その事により、明の半分以上の領地を手に入れたヌルハチ。
その頃、朝鮮では光海君が幼い永昌大君を暗殺しようとしている事が重臣に知られ光海君に危機が訪れる。
終
- Re: 渾身 ( No.28 )
- 日時: 2019/08/04 17:23
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第12話
一六一一年〈慶長十六年〉六月二十七日
朝鮮の謀臣イ・イチョムと共に光海君は永昌大君を殺そうとしていた。
一六一一年〈慶長十六年〉七月一日
光海君は泰清の病弱な泰元王の後を誰も継げないように長男・泰康を殺害し、泰清を徹底的に潰そうと目論み、この日より光海君と泰清は対立するようになった。
一六一一年〈慶長十六年〉七月五日
ヌルハチの居城ヘトゥアラ城にて朝鮮と女真族は和平を組み、咸鏡道と女真南道を開通し、貿易を可能にした。
一六一一年〈慶長十六年〉八月二日
徳川家の家臣・加藤清正は徳川家康により毒殺され、日本中が徳川家康の処刑を願い出るようになり、国民からの信望を失った。
豊臣秀頼は加藤の死を誰よりも慈しんだ。
終
- Re: 渾身 ( No.29 )
- 日時: 2019/08/04 17:24
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第13話
一六一二年〈慶長十六年〉一月十日
光海君とヌルハチの性格不一致により、少しずつ和平が崩れていく__そして、泰清は泰康の仇を取ろうと、光海君に復讐を誓う__
一六一二年〈慶長十六年〉二月一日
倭国と泰清は手を組んで朝鮮撃退を目指し、出兵を急いだ。ついに朝鮮は明の使臣を襲撃させ、社会混乱を招き、朝鮮滅亡の危機に陥る。そして、光海君は次々に王位継承者の永昌大君らを殺害し、国を乱し暴君へ。。。
一六一九年〈元和五年〉
時は経ち、ヌルハチは明を超えた大国となり、明と朝鮮が手を組み、ヌルハチを撃退しようとする__明・朝鮮連合軍は約5万の大軍を討ち、国の名前を''女真''から''後金''に変えた
終
- Re: 渾身 ( No.30 )
- 日時: 2019/08/04 17:25
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第14話
後金となった女真は泰清を滅ぼそうとする__泰康の復讐を果たせないまま、泰元王は崩御する。王位継承者もいないまま崩御した泰元王は最期に「泰統を即位させろ。」と。
一六二二年 一月二日
泰統の即位により、国は安定となり、後金侵略防止を行うが次々と脱清が行われた…そうして、泰清は最期を迎える…嵐により、泰清に飲み込まれる__
一六二二年 滅亡した明の残党によると「泰清と言う国が確実にあった__」と「残明伝」で記されているが、それが確実かは分からない。。。
泰清は約20年も続いた小国でありながらも島だ__この国も終期を迎えた__
1623年 暴君・光海君は後金と朝鮮の王室反対派に廃位され、流刑に処される。
1627年 明の残党が後金に始末される
1636年 後金が中国の国名を「清」に変更した。
1637年 朝鮮は清に降伏、朝鮮と清は服従関係へ。
1909年 清滅亡
1910年 朝鮮滅亡、日本統治時代へ
2006年 中国で「残明伝」発見
2019年 「伝説の国」を私が記す__
終
今までご覧いただいた方、誠にありがたき光栄です。
- Re: 渾身 ( No.31 )
- 日時: 2019/08/04 17:27
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第15話 「泰清残党の生き残り」編
一六二三年 四月十日
明と泰清は滅亡した__そんな中、泰清の残党・泰統らは後金と朝鮮へ復讐のため、明の残党と手を組み、挙兵し、泰康の復讐のために光海君を廃位する__
一六二三年 四月十三日
泰統はその後 明と泰清ら残党と共に処刑された__
この物語では泰統に全然触れなかったが、泰統の生年など情報を差し上げよう
泰統 (1602~1623年)(存位2年)
1602年 泰清 の 清南地方で生まれる。その後、朝廷に登用される。1612年、10歳にして頭脳明晰に。
1619年 泰元王に寵愛を受け、1620年 王として即位する。 しかし突然の嵐にて泰清は崩れ、滅亡し、朝鮮 光海君を廃位するため挙兵するが処刑される。
泰清は各国に影響を齎した国だ。しかし、残念ながら「朝鮮実録 光海君日記」にも''泰清''の名は記されていないため、実在した事を知る事は不可能やもしれん。ただ「残明伝」を信じるしかやみをえない。。。
終
- Re: 渾身 ( No.32 )
- 日時: 2019/08/04 17:36
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:プロローグ
兵士らは女王廃位と記された旗を上に挙げ、馬に乗り砂漠の上を走る。。
647年 1月
伽耶城にいた4千の精鋭隊を率いて長き間当時大王であった善徳女王の忠臣として活躍して来た上大等ピダムは宮廷を襲撃した__しかし、キム・ユシン率いる精鋭花郎従たちと戦い3ヶ月でピダムら反乱軍は反乱に失敗し氏族が抹殺された。
648年
新羅の首都・徐羅伐 や楽仁・臨真を襲う包囲し、襲おうと計画していた_
臨真は既に百済の大将軍ケベクによって墜とされる…そんな百済に対抗しようとする男たちがいた__
その中には新羅の英雄キム・ユシンがいた…
臨真 隣州・臨海・臨海城
臨海城にやって来るキム・ユシンと真徳女王(現在の女王)。二人の元に部下を連れて馬に乗ってやって来るケベク。
ケベク「キム・ユシン!お前の首をはねに参った!」
真徳女王「あれは…ケベクではないか…あやつが何故ここへ…」
キム・ユシン「陛下。お逃げください。」
真徳女王は宦官を連れ、逃げる。
キム・ユシンは城から降りる。キム・ユシン「ケベク。ついに戦う時が来てしまったようだ。」
ユシンは刀を抜きケベクの腹に刺そうとするが…避けられ、首を斬られそうになる…
その頃 朝廷では…徐羅伐
高句麗・百済連合軍の大軍が徐羅伐を攻めていた__そんな中連合軍に唐の大軍が襲おうとしていた。。。
百済・マガ将軍「唐が徐羅伐に援軍を送っているだと?」マガの奉公「将軍。今 退却せねば我々が死んでしまいます。」
臨海城
ケベクと互角の激戦を繰り広げるユシン。ユシンがケベクの被る笠に刀を刺し、ユシンがケベクの顔に切り傷を入れる。そこに百済の軍がやって来る。軍「将軍!将軍!大変です!唐が徐羅伐に20万の大軍を送り込んでくると。」
そして_唐の援軍により百済は退却した。それから7年 西暦655年__運命の戦いと実話が始まる。
上大等:朝廷の最高位でもあり和白会議をまとめる人物
~あらすじ~を載せます
第1話 >>33
時は655年の新羅、新羅は敵国・百済の出兵の危機に陥ると、新羅の重臣・アルチョン公は和平交渉のため百済に向かうが…
第2話 >>34
唐の救援により、新羅は百済出兵の危機から逃れる。国の安定のために国王・武烈王は太子を立てる。。。
第3話 >>35
百済は再び新羅に復讐を考えようとする。百済は高句麗と同盟を組んで新羅への出兵するが、再び唐の助けによって百済 高句麗を撃退する。
第4話 >>36
ユンボムとラングンはアルチョン公に殺されかける。その後 アルチョン公はキム・ユシンに叱責される。それに怒ったアルチョン公はキム・ユシンを殺そうと政変を起こす__
第5話 >>37
政変を起こして、死去したアルチョン公の遺体を裂けと民は訴えるが、キム・ユシンはそれは人の道を外れてしまうと考えて反対する。
- Re: 渾身 ( No.33 )
- 日時: 2019/08/04 17:36
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:プロローグ
兵士らは女王廃位と記された旗を上に挙げ、馬に乗り砂漠の上を走る。。
647年 1月
伽耶城にいた4千の精鋭隊を率いて長き間当時大王であった善徳女王の忠臣として活躍して来た上大等ピダムは宮廷を襲撃した__しかし、キム・ユシン率いる精鋭花郎従たちと戦い3ヶ月でピダムら反乱軍は反乱に失敗し氏族が抹殺された。
648年
新羅の首都・徐羅伐 や楽仁・臨真を襲う包囲し、襲おうと計画していた_
臨真は既に百済の大将軍ケベクによって墜とされる…そんな百済に対抗しようとする男たちがいた__
その中には新羅の英雄キム・ユシンがいた…
臨真 隣州・臨海・臨海城
臨海城にやって来るキム・ユシンと真徳女王(現在の女王)。二人の元に部下を連れて馬に乗ってやって来るケベク。
ケベク「キム・ユシン!お前の首をはねに参った!」
真徳女王「あれは…ケベクではないか…あやつが何故ここへ…」
キム・ユシン「陛下。お逃げください。」
真徳女王は宦官を連れ、逃げる。
キム・ユシンは城から降りる。キム・ユシン「ケベク。ついに戦う時が来てしまったようだ。」
ユシンは刀を抜きケベクの腹に刺そうとするが…避けられ、首を斬られそうになる…
その頃 朝廷では…徐羅伐
高句麗・百済連合軍の大軍が徐羅伐を攻めていた__そんな中連合軍に唐の大軍が襲おうとしていた。。。
百済・マガ将軍「唐が徐羅伐に援軍を送っているだと?」マガの奉公「将軍。今 退却せねば我々が死んでしまいます。」
臨海城
ケベクと互角の激戦を繰り広げるユシン。ユシンがケベクの被る笠に刀を刺し、ユシンがケベクの顔に切り傷を入れる。そこに百済の軍がやって来る。軍「将軍!将軍!大変です!唐が徐羅伐に20万の大軍を送り込んでくると。」
そして_唐の援軍により百済は退却した。それから7年 西暦655年__運命の戦いと実話が始まる。
上大等:朝廷の最高位でもあり和白会議をまとめる人物
終
~れんらく~
7月17日 スレ誕生
7月18日 第1話
7月19日 第2話 第3話 第4話
~あらすじ~を載せます
第1話 >>01
時は655年の新羅、新羅は敵国・百済の出兵の危機に陥ると、新羅の重臣・アルチョン公は和平交渉のため百済に向かうが…
第2話 >>02
唐の救援により、新羅は百済出兵の危機から逃れる。国の安定のために国王・武烈王は太子を立てる。。。
第3話 >>03
百済は再び新羅に復讐を考えようとする。百済は高句麗と同盟を組んで新羅への出兵するが、再び唐の助けによって百済 高句麗を撃退する。
第4話 >>04
ユンボムとラングンはアルチョン公に殺されかける。その後 アルチョン公はキム・ユシンに叱責される。それに怒ったアルチョン公はキム・ユシンを殺そうと政変を起こす__
第5話 >>05
政変を起こして、死去したアルチョン公の遺体を裂けと民は訴えるが、キム・ユシンはそれは人の道を外れてしまうと考えて反対する。
- Re: 渾身 ( No.34 )
- 日時: 2019/08/04 17:38
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:1話
時は西暦655年 百済は勢力を上げる新羅に再び出征を仕掛けようとする…しかし、キム・ユシンが出征を妨げ、戦功を立て、朝廷に出仕する事を恐れたアルチョン公は出征を止めようとする__
[朝廷]
アルチョン公「出征はなりません。出征をしては戦乱に犠牲者が出て新羅が滅びてしまうだけです。故に戦乱をやめ、和平を結ぶように百済に和平交渉をするのです。」
武烈王「和平交渉だと?アルチョン公はこれまで百済に幾たびも和平交渉を行い、和平交渉に行かせた使臣たちが殺され続けるのをまた見ると言うのか?そなたは再び''使臣''という犠牲者を出すと?それとも今回は成功でもさせる自信があるのか?」
キム・ユシン「大王陛下。今 伽耶城で百済軍と戦い続ける兵士たちがいるのに…」
アルチョン公「私は命を呈して百済朝廷へ参内し和平交渉を乞うて参ります!」
[百済・朝廷]
義慈王「また新羅が使臣を?」
ソンチュン公「大王陛下。玉谷門での戦いのように再び新羅が裏切るやもしれません。故にその使臣を殺し、新羅への見せしめにしては如何でしょう。」
ケベク「それはなりません。大王陛下。使臣はアルチョン公と言う百済にもアルチョン公に賄賂を渡され動いている豪族がおります。故にもしアルチョン公を殺害すれば豪族らの反乱が起きるでしょう。」
ソンチュン公「何故そのような心配を?まさかアルチョン公の手先と言うのはケベクそなたの事か?」
ケベク「ソンチュン公。なんと言う事を!」
義慈王「余も豪族の反乱は恐れておる。アルチョン公は殺してはならぬ。来月の7日に 泰臨楽に丁重に歓迎して差し上げよ。」
[百済と新羅の辺境・伽耶城]
戦いが収まっていた伽耶城にアルチョン公が輿に乗ってやって来る。
アルチョン公「新羅の使臣である!開城するのだ!」
そんな伽耶城の上にソンチュン公が立ち、矢をアルチョン公に向ける。
ソンチュン「あの者を殺せ!」
終
主人公 キム・ユンボム(キム・ユシンの息子、三韓統一を夢見る。) 2話 子供として登場
トンスン(花郎、ユンボムの親友、三韓統一を夢見る。)未定
キム・ガンウ(文武王の弟、王位を狙う人物)7話 登場
主要人 マンスン王妃(キム・ユシンの娘、文武王の王妃、ユンボムの姉) 3話 登場
文武王(マンスンの妻、武烈王の次の王) 2話 登場
王女(ガンウの妹、ガンウと共に新羅と唐の合併を夢見る。) 7話 登場
ジェハ(ユンボムの忠臣) ユンボムの成人後 登場(未定)
ラングン(トンスンの親友、三韓統一の夢を見る)未定
- Re: 渾身 ( No.35 )
- 日時: 2019/08/04 17:38
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:2話
時々 ソンチュン公→ソンチュンに変わってたりしている事があります 名称変更が激しいです。すみません。
[伽耶城]
ソンチュン「あの者を殺せ!」
ソンチュンが矢を放とうとした時、義慈王がやって来る。
義慈王「待つのだ!ソンチュン!王名に逆らうとは!どれほどの大罪か分かっているのか!」
ソンチュンがひざまずき、頭を下げる。
ソンチュン「お許しを!大王陛下。命を持って償います。」
ソンチュンが刀を抜き、首に向ける。すると…
義慈王「やめよ。余は知っておるそなたが国と余のために新羅の使臣を殺そうとした事は。故に命を絶つな。余がそなたの命を守る代わりに自粛せよ。」
[新羅 キム・ユシンの屋敷]
月が空に出ている真っ暗な夜。
キム・ユシンが息子の幼いユンボムと遊んでいる。
キム・ユンボム(幼)「父上。ウォンスル兄上はいつお戻りに?」
酒に酔ったウォンスル(少年時代)が戻って来る。
キム・ウォンスル「父上。私は父上の息子だからと妓楼にも入れませんでした。」
キム・ユシン「すまないな。誠に申し訳ない。」
キム・ウォンスル「上大等が妓楼までもを支配して私の出入りを制限している事など分かっています。しかし、私は父上が恨めしくてたまりません。父上こんな私をお許しください。」
キム・ユシン「ウォンスルよ。誠に悪いと思っている。」
二人の泣く姿を見るユンボム。
キム・ユンボム「父上と兄上は何故泣いているの?」
キム・ウォンスル「幼い弟にこのような姿を見せて悪いな。」
ウォンスルはユンボムを抱く。
キム・ウォンスル「ユンボムよ。私は来たがそなたはまだ食べていないだろう?私が食べさせてやる。部屋で待っておれ。」
キム・ユシンはウォンスルの肩を叩く。
[新羅朝廷]
咳き込み、王座に座る武烈王
武烈王「余もそろそろ年を召した。故に王位を継承させる太子を決めようと思う。」
ガンジョン「大王陛下。現在 上大等が不在しております。上大等がいる時に決めましょう。」
武烈王 (上大等がいれば…文武が太子に就ける確率はそう多くない。上大等がいない時に決めねば…)
武烈王「しかし、余は死んでもおかしくない状況だ。今すぐに太子を決め、明日にでも封冊せねば…」
キム・ユシン「それでは文武王子を太子に推薦いたします。」
ガンジョン「それならば私らも文武王子を推薦いたします…」
西暦655年 そうして文武王子が太子となった…
[東宮殿]
文武太子が眠る東宮に宦官がやって来る。
宦官「太子様!太子様!大変です!高句麗と靺鞨が連合軍となり、出征しようとしています!」
655年 1月
高句麗と靺鞨、後に百済が連合軍となり麗済同盟を結んだ__
終
- Re: 渾身 ( No.36 )
- 日時: 2019/08/04 17:40
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:3話
[泰臨楽]
座り、書物を読むアルチョン公の元へやって来る武装した義慈王。
義慈王「アルチョン公。さぁ新羅へ戻り、我々は出兵は出来ず、高句麗を同盟を組む。と伝えるのだ。」
アルチョン公「大王陛下。何ですと…高句麗と手を組むと仰るのですか…あの恐ろしいヨン・ゲソムンと手を組むのですか…」
義慈王「もう既に決めた事だ。新羅へ戻れ!」
[新羅・梅城]
百済軍と戦うウォンスルとユシンと兵士達
キム・ユシン「百済軍を皆殺しにせよ!」
キム・ウォンスル「父上。このままでは全滅してしまいます。退却しましょう。」
[新羅・雷城]
百済軍と戦う文武太子たち。
文武太子「退却せよ!」
555年1月 新羅は百済と高句麗連合軍の出兵により新羅は全33の城を略奪された…その結果 新羅の滅亡の危機に陥る。そうして新羅は高句麗に攻め入ろうとするが兵力を失い、勝率は低い。そのため新羅は唐に援軍・救世軍を求めた。しかし、高句麗は再び出兵しようとして来る…しかし高句麗の背後を狙ってやって来た唐により高句麗は退却した。そして2年の時を経て、武烈王は少しずつ地を復興していった…
西暦557年 文武太子はマンスン太子妃と婚姻し、子をもうける。そうして王室の権威も共に上げていく__しかし、百済から2年前に帰国したアルチョン公は宮廷の官位を武烈王に辞職させられる__そうして辞めていく官吏が後を絶たない。それを機にアルチョン公は再び宮廷への出仕を狙っていた。
[新羅・朝廷]
ガンジョン「大王陛下。再びアルチョン公を宮廷に出仕させて下さい。アルチョン公がいない朝廷を辞職する官吏が後を絶ちません。」
武烈王「それはそうだが、余はアルチョン公の命を救ったのだ。これ以上恩恵を与えれば…」
[アルチョン公の屋敷]
アルチョン公「時が経てば大王陛下も私を宮廷に出仕させようとするだろう。」
ガンジョン「ですがそう言い始めて2年が経ちました。」
アルチョン公「そう心配するでない。」
[新羅朝廷]
武烈王「余は王命を下す!」
王命令書を開く武烈王。
武烈王「アルチョン公は既に余の恩恵を手にした。そのため、次は恩恵を町にいる民に授けようと思う。」
武烈王 即位3年目にして科挙制度を導入した__そうして武烈王は民に''真輿王に続く聖君''と崇められた。
その後も武烈王は奪われた城の代わりの城を創作した。そして朝廷の前に立つその城は敗れる事のない巨大な城となり、麗済城と名付けられる。そして、後に鉄砲の元となる武器を創作し麗済への対抗した。
終
- Re: 渾身 ( No.37 )
- 日時: 2019/08/04 17:41
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:4話
2年後…557年(武烈王3年)
科挙制度の導入で第2次の新羅大盛期となった。。
[町]
町を歩く幼いユンボムとラングン。
ラングン「ユンボム。久々に唐菓子を買いに行かないか?」
ユンボム「唐菓子?そんな物ばっか食ってるからお前は太るんだよ。」
ユンボムはラングンの大きなお腹を叩く。
ラングン「ユンボム。いいだろ?今日だけでいいからさ。」
ユンボム「自分で買いに行けよ。」
ラングンたちの前にアルチョン公が立ち阻む。
ユンボム「おじさん。どいて下さい。」
アルチョン公「君がキム・ユシンの息子かね?」
ユンボム「そうですがおじさん誰ですか?」
アルチョン公「私はアルチョン公だ。」
''アルチョン公''と聞いた瞬間ラングンの手を繋いで逃げ出すユンボム。
ラングン「ユンボム。どうしたんだよ。そんな慌てて逃げ出して。」
ユンボム「あれがアルチョン公だ。あれが私の叔父フムスン公を殺したアルチョン公だ。」
その後ろからユンボムを矢で狙い定めるアルチョン公の元にキム・ユシンがやって来る。
キム・ユシン「卑怯だぞ。アルチョン公。子供で私を陥れようとわけか。」
アルチョン公「これは。ユシン公。あれがユシン公の息子か?そなたの息子だったのか。それはかたじけない。あ。そうだそなたに次期に逮捕状が下るだろう。」
キム・ユシン「逮捕状?」
アルチョン公「楽しみに待っているがいい。ユシン公。」
[朝廷]
ユシンだけがいない朝廷
アルチョン公「今日はユシン公に参内を中止する申し付けました。」
武烈王「誠にユシン公が百済と内通していたと?」
ユシン派・ウォンスル「大王陛下…臣下キム・ユシンは…」
アルチョン公「ウォンスル公。朝廷に公私を持ち込んではならぬ。またユシン公の親族をこの参内に参加させるべきではなかったようだ。」
武烈王「余はユシン公が百済と内通したと言う証拠が欲しい。」
アルチョン公「未だ宮殿に出仕できぬ私が証人です。」
武烈王「何だと?」
アルチョン公「キム・ユシンは私の政治の邪魔をした!故に私が政変を起こし、キム・ユシンとキム・ユシンの幼き頃からの友の大王殿下を殺し、私が世を治める。」
そう言い、アルチョン公は胸から短刀を取り出し、武烈王の腹部に短刀を刺す。すると、キム・ユシンらが朝廷に入ってくる。
キム・ユシン「大王!」
ガンジョン「大王とキム・ユシンを殺せ!」
キム・ユシン「逆賊らを残らず皆殺しにせよ!」
アルチョン公はキム・ユシンによって倒れ、政変の為に外で準備していた兵も既にユシンにより死んでいた__
しかし武烈王は危篤状態であった__宮中を走り回る医者たち。
終
- Re: 渾身 ( No.38 )
- 日時: 2019/08/07 20:16
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:5話
[王宮・王殿]
鍼を打たれる武烈王
キム・ユシン「どうだ?回復はしておるのか?」
主治医「峠は越えたと思われます。」
キム・ユシン「このような政変がこの新羅に起こってはならぬと言うに。」
そこに、パンチャンが入ってくる。
パンチャン「大変です。ユシン公。アルチョン公を晒し首にしろと。たみが訴えております。」
キム・ユシン「何?」
[王宮前・麗済城]
民「せっかく我らに科挙制度と言う制度を登用し、国を安定させた大王陛下を殺そうとしたアルチョン公を晒し首にしてください。」
麗済城にやって来る。
キム・ユシン「止めるのだ。アルチョン公は既に死んだ。故にもう諦めよ。」
民「それでは遺刑をお下しに…」 遺刑(ゆいけい、ユギョル)…大逆罪人の遺体を裂く刑罰。
キム・ユシン「ゆ、遺刑だと…」
民「ユシン将軍。ご英断をお下しに…」
【王の神殿】
大王の神殿には謎の男の影が…
キム・ユシン「どうしますか。」
?「ユシンよ。アルチョン公は旧友でもある。私が生きていることを明かそうではないか。」
終
- Re: 我らの訓音 ( No.39 )
- 日時: 2019/08/04 21:32
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
我らの訓音:プロローグ
時は1422年(世宗5年)世宗が集賢殿を宮中に学問研究所として設置して2年有望な儒学者や外国人らを登用し、研究を次々と行った。集賢殿は政策会議機関として朝廷から優遇されるようになり、朝鮮文化と朝鮮発展のため集賢殿は力を注いだ。また、紙幣経済の浸透までを検討し、朝鮮を盛んにさせた。
【朝廷】
咳き込む太宗は雨の降る中、内官に支えてもらいながら立つ。
太宗「昌慶宮の先を出た藩村(ごちょん、はんむら)で疫病が流行っているのだとか。」
内官「上王様はご自分の体調だけを置きになさって下さい。」
太宗「私が崩御し死んで霊となった時には神に余の民を助けてくれと。頼もうではないか。」
内官「上王様…」
太宗「そなた、そなたは余が死んだ時には王様に忠誠を捧げなさい。」
内官「上王様。そのような不吉な事は仰らないでください。」
太宗「私の死が…民のために捧げられるならば…死など怖くもない…」
太宗は倒れ、手を落とす。
内官「上王様!なりませぬ!まだ…逝ってはなりませぬ!」
上王の衣服にポタンッと雨の水が垂れる。
西暦1422年5月10日、雨の中崩御した太宗の命日には毎年雨が降った。それ故「太宗の雨」と言われ続けている。15世紀中期から20世紀初期まで批判続けられていた太宗だが、後に息子の世宗イ・ドと共に全盛期を築き上げた父子として歴史に刻まれた。 御陵は献陵にある。
西暦1422年6月18日にイ・ドは初の親政を行うようになる。
終
- Re: 我らの訓音 ( No.40 )
- 日時: 2019/08/04 21:32
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
登場人物
世宗イ・ド 国王、ハングル創作を目指す。
チョン・インジ 集賢殿 殿真馬部、ドの補佐官吏
ソン・サムムン 集賢殿 殿真員、ドの部下
ワン・ジャギョン 高麗氏族残党、恭譲王の孫息子、ハングル創作に協力
チャン・ヨンシル 元奴婢、免賤した殿真員。
昭憲王后 シム氏 ドの妻、ハングル創作に協力
パク・イムニョン ジャギョンの部下、ドへ復讐心を抱くが、ジャギョンの朝鮮への忠誠心を知り、思い留まる。
パク・ガンスク イムニョンの異母兄弟、高麗残党・鮮襲団の首長、世宗へ逆心を抱く
チ・ハン ドに協力、チャン・ヨンシル の親友、司憲府の府員
- Re: 史伝 ( No.41 )
- 日時: 2019/08/04 21:04
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
我らの訓音:第1話
(1422年6月18日)
【勤政殿】
チョン・インジ「王様。親政への昇進を心よりお祝い申し上げます。」
世宗「早速だが、余の義父上である元領議政シム・オンの名誉回復を行う。」
チョ・マルセン「王様。シム・オンは王様と先の上王様のお命を狙い謀反を企てました。我々朝廷としてもシム・オンの名誉回復には賛成することができません。」
世宗「では、宮中から出て行くがいい。」
チョ・マルセン「王様?」
ファン・ヒ「王様。いい判断でございます!王様に従わぬ奴は粛清して下さいませ。」
チョ・マルセン「右議政 大監!何をおっしゃるのですか!」
ファン・ヒ「吏曹判書。王様親政後の初の王命です。宮中から追い出されたくなければシム大監の名誉回復に賛成するのです。」
チョ・マルセン「私は!決して賛成しませんぞ!決して宮中から追い出されても!いや、死んでも賛成は致しません。」
ファン・ヒ「王様。吏曹判書の罷免をご命じくださいませ。」
世宗「チョ・マルセン!私を軽んじておるのか!私が長い間名ばかりの王だったからと私を見下すような真似をするとは!吏曹判書の流刑を命ずる。」
ファン・ヒ「賢明なご判断でございます。」
チョン・インジ「王様。私は罷免はこのような罪状にして下すのは重い罰だと思います。」
世宗「そなたまで…」
チョン・インジ「吏曹判書様を殿真員に格下げし、国に役立たせてはいかがでしょう。」
世宗「殿真員に?殿真馬部。良い案だ。罪人を国に役立たせるという訳か。」
チョン・インジ「はい。王様。」
世宗「直ちに集賢殿に連れて行け!」
終
- Re: 神の史伝 ( No.42 )
- 日時: 2019/08/04 21:19
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
我らの訓音:第2話
(1422年6月20日)
【集賢殿】
チョン・インジの話を聞く殿真員たちの元に、手錠と足錠をつけたチョ・マルセンが入ってくる。
ソン・サムムン 「彼は?誰ですか?」
チョン・インジ「新たな殿真員だ。」
ソン・サムムン 「だいぶ老けているな。ハッハッハ。」
チャン・ヨンシルがチョ・マルセンを見つめている。
チャン・ヨンシル 「ん?吏曹判書様?」
チョン・インジ「もうそやつは吏曹判書ではない。新たな殿真員だ。そやつはもう一生宮中に出仕する事はない故、媚を売っても無駄だ。」
チョ・マルセン「殿真馬部!私は…必ず宮中に再出仕してやる!」
チョン・インジ「貴様!私を呼び捨てするとは!不届きな奴め!そやつを叩け。」
武官・ハンソル「殿真馬部様。良いのですか?」
チョン・インジ「ああ。そやつは私の部下だ。もちろん部下故躾をせねばな。」
ハンソルはマルセンを叩く。
チョ・マルセン「殿真馬部!覚えておれ!」
【王の神殿】
チョン・インジ「今、吏曹判書に体罰を与えております。」
世宗「やりすぎは良くないぞ。吏曹判書は出仕しようとすれば簡単にする男だ。十分に用心せよ。」
チョン・インジ「肝に銘じます。」
そこに…内官「王様。王妃様です。」
世宗「謁見か?通せ。」
そして神殿に王妃が入ってくる。
昭憲王后「殿真馬部殿は下がりなさい。」
チョン・インジ「はい。王妃様。」
終
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.44 )
- 日時: 2019/08/05 22:51
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
林巨正~晦き運命に響いた囁き~
〈登場人物〉
イム・コッチョン/羅義
義賊、賤民、奸臣イム・サホンの息子、処刑されたイム・サホンの仇を取るため、義賊になる。
晋城大君/イ・ヨク
先王・燕山君の弟で、イム・サホンを殺害した人物、国王・中宗
パク・ウォンジョン
イム・コッチョンを捕らえるため、稼働する高官、朝廷の中で不正を働き、民から金銭を取り絞る。
パク・マンス
パク・ウォンジョンの息子、パク・ウォンジョンの不正に嫌気が指し、出家する。
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.45 )
- 日時: 2019/08/06 21:26
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
我らの訓音:第3話
【王の神殿】
昭憲王后「王様。チョ・マルセンを罰してはなりません。父のシム・オンの旧友でございます。」
世宗「たとえそなたにそう言われようともあやつを集賢殿から解放する事は出来ぬ。」
そこに、怒りを露わにして入ってくるチョン・インジ。
チョン・インジ「王妃様!腹に子を宿し、安静にしておらねばいけない時期に偽りの涙を流してまで王様を欺き、政治に関与するとは!王妃様に朝廷と集賢殿が黙っておりませんぞ!」
昭憲王后「偽りの涙だと?無礼者!国家の龍涙を侮辱する気か!」
世宗「やめよ。もう2人とも出て行け。」
終
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.46 )
- 日時: 2019/08/09 18:07
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
西暦16世紀初頭 凶悪であった暴君・燕山君を廃位した中宗の治世。この時、朝鮮建国以来の反正により、朝鮮は未だ混乱していた。この反正で官職の大きい者らも粛清され、朝廷は官位を賜る者らの不足でとても朝鮮共に危機に陥っていた。その機会に明は朝鮮への出兵を控えていた。その噂を聞いた民たちは倭国やモンゴルへの逃亡を図った。
1510年に倭国との戦争が勃発。1514年に明の出兵により、朝鮮は食糧や火薬を倭国や明に奪われ、中宗の賢い弟の景明君に退位するよう朝廷は異議を唱えた。中宗の権威はどん底に失墜し、朝鮮は滅亡に近づく__
西暦1524年 花三郡 大卒些(おおそつさ、デチョルジャ)城
〈食糧と火薬を奪ってくるのだ!〉
机の上で眠っていた城の城主は大軍を率いた倭国の対象の倭国の言葉を聞き、眠りから覚める。目の前には倭国の大軍たちと戦う兵士がいた。
それを黙って見ている大卒些城の城主。そんな城主の元に部下のファン・ガクが。
「間も無く兵士たちが全滅します。兵士たちに退却のご命令を。」
ボーっとしていた城主は…
「悲しいものだな。このような国から皆が開放されればいいのに。何故…私たちはこのような国へ生まれてしまったのだろうか__」
「城主。しっかりなさって下さい。退却令を。」
城主は刀を抜き、上に挙げる。
「絶対に倭国の大軍に食糧と火薬を奪われてはならぬ!怯むな!」
城主は高い城壁飛び降り、倭国の大軍の前に立つ。しかし、城主の周りには誰1人の兵士もいない。
「私が…この朝鮮のために__最後まで戦ってやる。」
大将は槍を手にして城主の胸を目掛けて飛ばすと、城主の胸を貫通する。
「私は未だ__死んでたまるか!」
大将は馬から降り、刀を手にする。そして、城主の首を刺し斬る。
城主は刀を落とし、''神よ!晦きこの国の国王に助言するのだ__''と言い、吐血しながら倒れる。
終
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.47 )
- 日時: 2019/08/09 17:47
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
集中更新中!
晦き運命に響いた囁き
【目次】
登場人物 (随時更新) >>43
用語解説>>49
第1章 「義賊への道」
1話 >>50 『運命の戦い』
あらすじ:大卒些城を倭国に奪われた朝鮮は倭国へ行く事を決め、護衛を決めに京畿道へ行く。
2話
3話
- Re: 鳳凰の戦い ( No.48 )
- 日時: 2019/08/07 20:13
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:最終話
キム・ユシン「私は!絶対に!アルチョン公を遺刑に処すことはない!」
民「将軍!」
キム・ユシン「これは!大王陛下が下した詔だ!」
民「では、大王陛下はご無事で?」
そこに、武烈王がやって来る。
武烈王「安心せよ。余は生きておる。余は別にアルチョン公を恨んでいる訳ではあるまい。安心せよ。」
キム・ユシン「大王陛下が下した命令だ。確と受け入れよ。」
その様子を偵察にやって来たケベク。
660年 新羅は唐に援軍要請をし、百済へ軍を起こす。
キム・ユシンの矢を受けるケベク。
ケベク「キム・ユシン…ハッハッハ。私はそなたの矢を受けて死ねる事が誠に光栄だ…来世で再び戦おうではないか…ハッハッハ。決して私のことを忘れるな…」
ケベクは刀を落とす。
こうして義慈王はケベクの死の報告を受け、降伏する。その数ヶ月後に義慈王は病死した。百済は唐の軍権支配の下に置かれる。
661年 文武太子は武烈王の崩御で文武王として即位する。文武王は再び唐に援軍を求め、高句麗を滅ぼす計画をしていた__
663年に百済の遺民と倭国連合軍と唐と新羅連合軍の戦いである''白村江の戦い''が起き、665年に高句麗の権力者ヨン・ゲソムンが死去した。668年に腹背を大軍を攻めた。政情で弱体化していた高句麗は首都の平壌を攻略された後、滅亡してしまう。
文武王「ユンボム。」
成人したユンボム「はい。大王陛下。」
文武王「そなたに三韓統一を果たした賞として''上大等''の位を与えよう。」
ユンボム「私が…三韓統一を果たしたと?」
キム・ユンボムの裏話を今からお伝えしよう。
【白村江の戦い】
百済の遺民と戦うユンボム
1人の数百の遺民を全滅させるユンボム。
【唐の高句麗出兵】
ユンボムがヨン・ナムセンの首に刀を当て、ヨン・ナムセンの首を斬るユンボム。
実は三韓統一はユンボムも活躍していた__一体__私はなぜユンボムを主人公とした物語というのにそれほど登場させなかったか?それは__私にも分からないな。
終
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.49 )
- 日時: 2019/08/09 18:06
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
【用語解説】
中宗/朝鮮11代王、晋城大君
大卒些(おおそつさ、デチョルジャ)/倭国との辺境地・花三郡にある城。
従事官/捕盗庁の従六品である。実務職を統括。
捕盗庁/朝鮮王朝時代に首都の京畿道一帯の警備、治安維持等を担当した官庁、東部と南部を左捕盗庁、西部と北部を右捕盗庁が担当。
倭国/日本の昔の名称
後柏原天皇/室町~戦国時代の104代天皇
日月五峰図(じつげつごぼうず、イルォボンド)/日と月を五つの峰を描いた朝鮮の絵である。大韓民国の1万ウォン札で世宗大王の後ろに描かれている。日月五峰図は勤政殿の御座の後ろに描かれている。
イム・サホン/燕山君の暴政を煽り、裏で政治を操った奸臣。1507年に死亡している。バンモンの実の父。
燕山君/先代、中宗の異母兄。朝鮮10代王、中宗に廃位された暴君。
白丁/最下層の民の身分である。最もひどい扱いを受け、最もひどい生活をしている。
龍顔/王の顔。
天劔(てんけん、天皇の劔)/天皇の初代から受け継がれて来た天皇の劔。
随時更新
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.50 )
- 日時: 2019/08/09 18:06
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
晦き(くらき)運命に響いた囁き
第1章「義賊への道」第1話『運命の戦い』
【朝鮮の王宮】
「大卒些(おおそつさ、デチョルジャ)城が倭国の手に渡っただと!」
中宗の怒鳴り声が勤政殿に響き渡る。中宗は日月五峰図の前にある御座から立ち上がり…
「私が直々に倭国へ参ることとする。倭国の天皇と後柏原天皇と対面することとする。」
【京畿道・楊州】
王宮の従事官がやって来る。
従事官は小さな声で武官にバンモン(後のコッチョンの父、イム・サホンの捨て子)を指差し、「あの者を王様の護衛に命じよ。」と悪巧みでもしてそうな顔をして言う。
武官はバンモンの腕を掴み、連れて行く。
バンモンは従事官にこう言われる。「そなたが王様の護衛をする。王様の身に何かあればそなたの命に保障はない。」と。バンモンは嫌々従事官に付いて行く。
【倭国の道中】
不安そうな顔をして王の乗る輿の横を刀を持って歩くバンモン。
そこに、刀を抜いて襲ってくる刺客が現れる。従事官も刀を抜き、王の首に刀を向ける。その時、バンモンは刀を抜いて、従事官の腰をスパッと斬る。従事官は刀を落とし、倒れる。刺客らはその様子を見て驚くが、バンモンに刀を向け、襲いかかる。バンモンは中宗に襲いかかろうとする刺客らを次々と倒す。
そして、バンモンは刺客を全て斬り倒す。それを見た中宗はバンモンの肩に手を置く。
「この様な武術に優れた者を京畿道の楊州で白丁として隠していたとは。全くだ。この者を朝鮮に帰国した時に従事官に任命する。」
と中宗がバンモンに言う。すると、バンモンは跪き、中宗に言う。
「しかしながら、王様。私は…奸臣であるイム・サホンの庶子です。朝鮮の政治を乱した者の息子が従事官となるとは…」
すると、中宗は驚いた顔をしてバンモンを見る。
「何だと?ハッハッハ。まあ別に良い。余の存位中は先代と共に暴政を働いた者らの子孫らには罪を問わず、普通に生活できるよう既に命じたのだ。そなたにどうしても従事官を命じたい。」
と真剣な顔をしてバンモンに話す。その龍顔を見たバンモンは(王様が承諾を真に願っている)と感じてバンモンは「聖恩の限りでございます。」と承諾の意を示す。
【倭国の王宮】
後柏原天皇(ごかしわばらてんのう、室町~戦国時代の104代目の天皇)が中宗に言う。
「大卒些城の件か?」と後柏原天皇が。
拳を握り、中宗が言う「はい。天皇陛下。大卒些城を返城してください。」
後柏原天皇は立ち上がり、天劔(ていけん、天皇の劔)を中宗に向ける。そして中宗はそんな後柏原天皇を下から冷徹な目で見つめる。
第2話「大卒些城の運命」
終
- Re: 晦き運命に響いた囁き ( No.51 )
- 日時: 2019/08/10 14:37
- 名前: 渾身の (ID: Xr//JkA7)
我らの訓音:第4話
【王妃の神殿】
昭憲王后「チョン・インジを殺せ。」
パク・ハンソク「はい?」
昭憲王后「チョン・インジは私を侮辱した!これは国母として到底許せぬ事だ。」
パク・ハンソク「私にお任せを。」
【チョン・インジの帰り道】
チョン・インジの目の前にハンソクが遣わした部下が刀を手にして現れる。
ハンソクの部下「あやつがチョン・インジだ!殺せ!」
ハンソクの部下がチョン・インジを斬ろうとした男の胸に世宗の矢が刺さる。
世宗「チョン・インジを狙う輩を皆殺しにせよ!」
終
- Re: 韓正伝史 〈晦き運命に響いた囁き〉 ( No.52 )
- 日時: 2019/08/11 21:15
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
毘曇に続く歴史を大きく揺るがした''女王''の物語__
「善徳女王〈伝えられた歴史的瞬間〉」
あらすじ
時は576年__真輿王の存位晩年 太子・真智と美室が対立し、真輿王の開いた全盛期が崩れようとしていた。
【目次】
第1話>>54
登場人物>>53
- Re: 韓正伝史 〈晦き運命に響いた囁き〉 ( No.53 )
- 日時: 2019/08/11 21:43
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
馬に乗り新羅王京の森の中を駆け走る真輿王。
西暦576年 真輿王晩年には真智(後の真智王)と真輿王の女護衛武士であり、朝廷を牛耳っていた美室の対立が繰り広げられた。真輿王は自らが開いた改革が2人によって壊され、衝撃を受け、数ヶ月間寝込んでいた。
西暦576年(真輿王晩年)
北漢山新羅真輿王巡狩碑に立つ真輿王 真輿王(新羅24代王)
「我は!この小国新羅を漢江まで領土を広げた。その記念碑として北漢山のこの碑を''真輿王巡狩碑''と名付け、その記念すべき事柄をここに記そう。」
と真輿王は声を張って言う。それを見守る美室と真智。
美室(花郎の長・風月主) 真智(真輿王の次男、太子王位継承者)
第1話「真輿王碑の前で」
そこに百済軍がやって来る。それに驚く真輿王と臣領たち。
その軍たちの先鋒将には武王が立っている。
「新羅王の首を取り、新羅に殺された兵士たちに供え物として捧げてやる!」
終
- Re: 韓正伝史 〈晦き運命に響いた囁き〉 ( No.54 )
- 日時: 2019/08/14 23:16
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第5話 「奪還出兵の罠」
馬に乗って高句麗へ向かうチュンチュ。
【ナンビ城・前】
ピダム「門を開けたまえ!」
そこに、栄留王が立つ。
栄留王「ハッハッハ。隋を滅亡させた15万の兵士達よ!新羅のピダムを生け捕りにせよ!」
ピダム「なぜ大王が!」
ヨムジョン「きっとキム・チュンチュが大王に伝えたのでしょう。」
そこに、キム・チュンチュが立つ。
キム・チュンチュ「ピダム!お前を今日、殺してやる。」
ピダム「チュンチュ公、私はチュンチュ公を殺し、イチャンになってやる!」
ピダムがチュンチュに向かって矢を向ける。
ピダム「ナンビ城を奪還しろ!」
【キム・ユシンの屋敷】
そこに、キム・ボムミンがやって来る。
キム・ボムミン「伯父上。大変です。」
キム・ユシン「どうしたのだ?」
キム・ボムミン「伯父上。ピダムの勢力が勝ち、父上が負けています。ナンビ城に鉄騎兵をお送りください。」
キム・ユシン「何だと?よかろう。鉄騎兵を送ってやろう。」
【ナンビ城・前】
キム・ユシン率いる3万の兵士たちがやって来る。
栄留王「あれは…キム・ユシンの鉄騎兵では…」
ピダム「ユシン殿。。感謝する。」
すると、兵を率いたキム・ユシンは足を止める。
キム・ユシン「罪人ピダムを捕らえよ!」
ピダム「ユシン公。何を言う。私は…ナンビ城を落としに参ったのに。」
キム・ユシン「大王陛下は正五品以下の官位を持つ者のを私兵を禁止した。」
ピダム「何だと?」
栄留王「ハッハッハ。ユシン公。ピダムはいつかは天にでも昇るかの勢いで上大等の座に昇るだろう。そのような相をしておる。用心せよ。もう用はないな?」
キム・ユシン「大王陛下。このピダムを排除したいと思います。」
【新羅朝廷】
アルチョン「大王陛下。ピダムを不当な理由で官位剥奪を命ずるとは。」
キム・ユシン「アルチョン公。ピダムは高句麗のナンビ城へ行く事は朝廷に許可を得ておらず、国の軍事を超えるほどの私兵を持っていた。5日と7刻(14時間)前にはすでに私兵廃止を大王は命じてた!ピダムは大王の命令や朝廷にも背を向けておるのです。」
アルチョン「それでピダムを?」
キム・チュンチュ「ピダムを流刑に処すべきと思います。」
西暦639年 高句麗と新羅は632年以来のナンビ城の取得権争いをしていた。また、新羅の朝廷で流刑から復帰し、善徳女王の信頼を取り戻したイチャンとなったピダムが中心的に権力を握っていた。しかしそれに対してチュンチュを太子に立てようとするチュンチュ勢力が現れ、2人は新羅を二つの党派に分裂させた。
【ピダムの屋敷】
チュンチュが歩いて来る。
キム・チュンチュ「ピダム公。まさか私兵を育むとは。これを謀反として見ても良いか?」
ピダム「キム・チュンチュ!」
終
- Re: 韓正伝史 〈晦き運命に響いた囁き〉 ( No.55 )
- 日時: 2019/08/14 23:31
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1話②「美室の野望」
美室と花郎が武王の軍らと剣を向け合い、戦う。
美室(花郎の長・風月主) 雷忠(ラチュン、花郎)
「大王をお守りせよ!」と美室が。
その美室の後を追い、戦う雷忠率いる花郎たち。
北漢山新羅真輿王巡狩碑の前が刀の音で響き渡る。
【新羅の朝廷】
ソンチョン(後のアルチョンの父) キム・バクス(伽耶系、伽耶の王子、後のユシンの祖父)
「陛下。風月主である美室は大層な美人であります。陛下とも釣り合う事でしょう。美室の功績に命じ、妾に迎えられては如何でしょう。」
とソンチョンが。すると、思道王后(真輿王の后)が言う。
「何だと?花郎である女を側室にするですと?卑しい花郎ごときが聖君の妻となれば後世にどう残すか分かっておるのか!」
「何ですと?王后様は元は女官の身であったではありませんか。大王に''私を王妃に''とせがむ昔の王后様の姿は誰も忘れておりませぬぞ。」とバクスが言うと…急に黙る思道王后。
「今回は王后の判断が正しい。妾にするもそれに宮中の女長が決めねばならぬからな。」