複雑・ファジー小説

Re: 渾身 集 ( No.4 )
日時: 2019/08/04 16:53
名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)

第3話 「高句麗の怒り」

【キム・ユシンの屋敷】
キム・ユシン宅に戻ってくるユシン。
キム・ギグァン「父上。おかえりなさいませ。お客様がお部屋に。」
キム・ユシン「客?そうか。部屋へ戻って休んでいいぞ。」
ギグァンは去っていくと、自身の部屋へ向かう。

【キム・ユシンの屋敷・部屋】
そこには下に甲冑を着て、正装したヨムジョンがいた。
ヨムジョン「キム・ユシン殿。久方ぶりですな。」
キム・ユシン「貴様…何故ここへ来た!」
ヨムジョン「ユシン公はチュンチュ公の幼馴染みだとか。チュンチュ公を…」
キム・ユシン「貴様!高句麗の手先になって新羅を裏切ったくせに新羅に再び戻ってくるとは!出て行け!」
ヨムジョン「そう冷たくなされるな。」
キム・ユシン「今度は栄留王にチュンチュを暗殺しろとしでも言われたのか?」
ヨムジョン「ユシン公は勘が鋭いですな。故にもうお察しでしょう。私は既に甲冑を着ており、ユシン公に力で脅しに来た事を。」
キム・ユシン「そなたに私が負けるとでも?」
ヨムジョンは刀を抜いて、ユシンに向ける。
ユシンは刀をヨムジョンから奪い、ヨムジョンに刀を向ける。
キム・ユシン「我らはもう友人関係ではない。それは既に消えた関係だ。もう帰れ。」
ユシンは刀を捨てる。すると、ヨムジョンがその刀を奪おうとした時…ユシンがその刀を足ですくって手に取り、ヨムジョンの目に刺す。
ヨムジョン「貴様!よくも…私の龍眼を…」
目を押さえながら去っていくヨムジョン。

【キム・ユシン宅の帰り】
目を押さえながら歩くヨムジョンの前に現れるピダムはヨムジョンの姿に驚く。
ピダム「だ、大丈夫か?」
ヨムジョン「どなただ?」
ピダム「私の屋敷に参れ。手当てをしてやる。」
ヨムジョン「あなたは吉忠のピダム公では?」
ピダム「そうだ。そんな事より早く屋敷に来い。」
ヨムジョン「キム・チュンチュの場所を?」
ピダム「何故だ?チュンチュ様は現在百済の首都におられる。」
ヨムジョン「百済に?」
ヨムジョンはそこから走って去っていく。
ピダム「何だったのだ?」

【王殿】
善徳女王が国書を書いている。''チュンチュは後に太子となる身です。故にチュンチュの暗殺をやめてください。''と。
キム・チュンチュ「これを高句麗の王に?」
善徳女王「ああ。そなたに頼むぞ。」

【キム・チュンチュの屋敷】
ピダム「何故私に?」
キム・チュンチュ「そなたを信頼しているからだ。」
ピダム「誠ですか。チュンチュ様。」
キム・チュンチュ「ああ。これを高句麗王に渡し、高句麗から無事に帰って来い。」
ピダム「そんなチュンチュ様のご期待に添えるよう高句麗へ渡りに行って参ります。」