複雑・ファジー小説
- Re: 渾身 集 ( No.5 )
- 日時: 2019/08/04 16:54
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第4話 「昇進の出兵」
【高句麗王殿】
栄留王「早く出て行け!顔も見たくない!」
ピダム「新羅の国王は大王殿下は''先に出兵をしたのは高句麗だ。何故それを止めて高句麗は怒るのだ?我らには新羅の民と国を守る義務がある故、怒られる筋合いなどない''と仰られました。」
ヨン・ゲアムン(この者は…大王を恐れていない。これは大王を廃位するのに適する男だ。)
ピダム「大王陛下!どうしますか!我ら三韓が和平を組むか、それとも百済と新羅を敵に回しますか!」
栄留王「誠に百済からは三韓の和平の許可を得られたというか?」
ピダム「はい。百済の義慈太子からは承諾を受けました。三韓の和平は可能です。」
栄留王「よし。では国書の通りチュンチュ暗殺の命は取り下げよう。」
その栄留王の裏にはヨムジョンがいた。
ヨムジョン「ピダム公…何という事だ。。。」
【王殿前】
ピダムの前にヨムジョンがやってくる。
ヨムジョンは跪き、「私を…下にお置きください。」と。
ピダム「そなた、何の真似だ!」
ヨムジョン「あなたこそが私の主君です。あなたからものすごい気が感じられるのです。」
ピダム「そこまで言うなら仕方ないな。」
【新羅朝廷】
善徳女王「ピダム、よくやったな。」
キム・チュンチュ「私は良い部下を持ったと思えます。」
ピダム「ありがたき幸せです。」
善徳女王「そなたに参拝に任命する。」
ピダム「聖恩の限りでございます。」
【朝廷・前】
ヨムジョン「主君。さすがです。私が見込んだ通りでしたな。」
ピダム「ハッハッハ。ヨムジョン。そなたもいつかは宮廷に出仕させてやろう。」
ヨムジョン「主君。私はそのような事は望んでおりません。ただ、主君に仕えられれば十分です。しかし、主君。チュンチュ公とは手をお切りください。」
ピダム「何故チュンチュ様と手を切らねばならぬのだ?」
ヨムジョン「彼は危険な人物ですぞ。」
そこにキム・ユシンがやって来る。
キム・ユシン「ピダム公。よくやったな。」
ピダム「''よくやったな''ですと?私は官位六品の参拝ですぞ。これよりユシン公は私に敬語をお使いください。」
キム・ユシン「そうですな。''参拝様。''」
そこに、後ろからチュンチュがやって来る。
キム・チュンチュ「ピダム公!ユシン公に無礼ではないか!」
チュンチュはピダムを睨みつける。
キム・チュンチュ「ピダム公。参拝の座を手に入れ、一気に態度を変えるとは!けしからん奴だ。そなたとは手を切ることにする。」
ピダム「いいでしょう。チュンチュ公とはもう関わりたくもありません。私は宮廷のしきたりに従うだけです。」
ピダムとヨムジョンは去っていく。
キム・チュンチュ「ピダムがあのような者だったとは…あやつは絶対に許さぬぞ。」
キム・ユシン「ついにあやつが本性を現した様だな。」
【善徳女王の寝室】
ピダム「陛下。私にイチャンの座をお与えに。」
善徳女王「イチャンだと?」
ピダム「私がナンビ城(高句麗・平壌地方の城)を奪還して参ります。」
善徳女王「それが可能なのか?」
ピダム「私の今 手元にいる2万の兵士と辺境にいる8万のうちの2万の兵士をお与えください。」
善徳女王「4万の兵士だけでナンビ城を堕とす事が可能なのか?」
ピダム「はい。私にお任せに。」
それを、外から盗み聞きするキム・ユシン。
キム・ユシン(ピダム…次はイチャンの座に上り、チュンチュ公まで追い越す気か。)
【宮殿・前】
ピダム「私、参拝ピダムは!高句麗のナンビ城を堕として参ります!」
そこに甲冑を着たヨムジョンがやって来る。
ヨムジョン「ピダム公。私も付いていきます。」
ピダム「私は心強いぞ。ヨムジョンよ。」
ヨムジョンは馬に乗る。
【善徳女王の寝室】
キム・チュンチュ「何故ピダムにナンビ城へ出兵を許可したのですか。」
善徳女王「そなたにとってはどちらも嫌な事だろう。 ナンビ城でピダムが敗北すれば高句麗の怒りを買い、新羅に犠牲者が出るだろう。そしてピダムがナンビ城の奪還に成功し、戦功を立てればピダムが昇進するだろう。」
キム・チュンチュ「それなのに…何故…」
善徳女王「私はそなたに高句麗に行ってもらう。」
キム・チュンチュ「どういうことですか?」
善徳女王「そなたが高句麗の栄留王にピダムがナンビ城に出兵している事を伝えにいくのだ。そして、栄留王にピダムを始末してもらい、新羅の犠牲が出ぬように説得するのだ。」
キム・チュンチュ「つまり、高句麗と手を組み、ピダムを始末すると?」
善徳女王「この前、高句麗と問題を起こしたばかりである。慎重に言葉を選ぶのだぞ。」
終