複雑・ファジー小説
- Re: 韓正伝史 〈晦き運命に響いた囁き〉 ( No.54 )
- 日時: 2019/08/14 23:16
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第5話 「奪還出兵の罠」
馬に乗って高句麗へ向かうチュンチュ。
【ナンビ城・前】
ピダム「門を開けたまえ!」
そこに、栄留王が立つ。
栄留王「ハッハッハ。隋を滅亡させた15万の兵士達よ!新羅のピダムを生け捕りにせよ!」
ピダム「なぜ大王が!」
ヨムジョン「きっとキム・チュンチュが大王に伝えたのでしょう。」
そこに、キム・チュンチュが立つ。
キム・チュンチュ「ピダム!お前を今日、殺してやる。」
ピダム「チュンチュ公、私はチュンチュ公を殺し、イチャンになってやる!」
ピダムがチュンチュに向かって矢を向ける。
ピダム「ナンビ城を奪還しろ!」
【キム・ユシンの屋敷】
そこに、キム・ボムミンがやって来る。
キム・ボムミン「伯父上。大変です。」
キム・ユシン「どうしたのだ?」
キム・ボムミン「伯父上。ピダムの勢力が勝ち、父上が負けています。ナンビ城に鉄騎兵をお送りください。」
キム・ユシン「何だと?よかろう。鉄騎兵を送ってやろう。」
【ナンビ城・前】
キム・ユシン率いる3万の兵士たちがやって来る。
栄留王「あれは…キム・ユシンの鉄騎兵では…」
ピダム「ユシン殿。。感謝する。」
すると、兵を率いたキム・ユシンは足を止める。
キム・ユシン「罪人ピダムを捕らえよ!」
ピダム「ユシン公。何を言う。私は…ナンビ城を落としに参ったのに。」
キム・ユシン「大王陛下は正五品以下の官位を持つ者のを私兵を禁止した。」
ピダム「何だと?」
栄留王「ハッハッハ。ユシン公。ピダムはいつかは天にでも昇るかの勢いで上大等の座に昇るだろう。そのような相をしておる。用心せよ。もう用はないな?」
キム・ユシン「大王陛下。このピダムを排除したいと思います。」
【新羅朝廷】
アルチョン「大王陛下。ピダムを不当な理由で官位剥奪を命ずるとは。」
キム・ユシン「アルチョン公。ピダムは高句麗のナンビ城へ行く事は朝廷に許可を得ておらず、国の軍事を超えるほどの私兵を持っていた。5日と7刻(14時間)前にはすでに私兵廃止を大王は命じてた!ピダムは大王の命令や朝廷にも背を向けておるのです。」
アルチョン「それでピダムを?」
キム・チュンチュ「ピダムを流刑に処すべきと思います。」
西暦639年 高句麗と新羅は632年以来のナンビ城の取得権争いをしていた。また、新羅の朝廷で流刑から復帰し、善徳女王の信頼を取り戻したイチャンとなったピダムが中心的に権力を握っていた。しかしそれに対してチュンチュを太子に立てようとするチュンチュ勢力が現れ、2人は新羅を二つの党派に分裂させた。
【ピダムの屋敷】
チュンチュが歩いて来る。
キム・チュンチュ「ピダム公。まさか私兵を育むとは。これを謀反として見ても良いか?」
ピダム「キム・チュンチュ!」
終