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複雑・ファジー小説
- Re: 伝説の史書〜聖なる運命〜 ( No.2 )
- 日時: 2019/09/20 12:24
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
592年、蘇我馬子は先代の天皇を暗殺させ、推古天皇を擁立させた。推古天皇には王位継承者がおらず、とても優秀で聡明な羽神王子(皇子)を王位継承者として太子に据える。また、馬子の命令で、羽神王子は摂政になる。それから30年、羽神は聖徳太子として馬子の補佐を受け、摂政の任務を全うしていた。
伝説の史書〜聖なる運命〜前編「聖徳太子」
622年(推古天皇30年)
【皇宮の庭園】
蘇我馬子が白髭を伸ばして言う。
「摂政様。私の娘の河上娘の名誉回復をなさってくれませぬか。」涙を瞳に溜めていう。
河上娘…蘇我馬子の娘、蘇我馬子に暴君として暗殺された崇峻天皇の妻
蘇我馬子の手を握り頷く。
「勿論だ。そろそろ大叔父上の名誉回復も時が来たようだ。我らの出番は終わりを迎えた__」と蒼き空を見上げて話す。
622年3月の末旬(まつじゅん25日~30日)、聖徳太子は自らが暗殺した崇峻天皇とその妃の河上娘の名誉回復に尽力した。しかし、病の進行は早く進んでおり、体を動かす事も難しくなった。
622年4月2日(推古天皇30年2月16日)
【磐鶴宮】
聖徳太子が息子の山背大兄王と泊瀬王と手を繋ぎ遊んでいる。そんな聖徳太子の姿を見ている刀自古郎女と膳大妃。
「最近はよく太孫(山背大兄王)と私の息子の泊瀬王が太子様とよく遊びたがっていますね。」とその光景を笑顔で見る二人。
「いつまで太子様のお体はご丈夫でいられるのかしら。」と心配そうな顔な膳大妃。
そう言って見ていた時、聖徳太子は倒れる__
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