複雑・ファジー小説

Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.14 )
日時: 2019/10/15 15:54
名前: エイ (ID: Xr//JkA7)


【第4章 朝廷の陰謀】

正装をして宮へ向かう黒髭を生やしたバンダル。宮には酒を飲むクゥヌの姿とその他の臣下の姿があった。バンダルはタガラ王の面に顔を向けて言った。「国王陛下。私は陛下の成人を大変快く思い陛下に忠誠を尽くす所存でございます。」タガラ王はその言葉に驚く。「贈品よ。朝廷に遂に出仕するのか?」と嬉しそうな様子でバンダルに問いかける。「はい。陛下。私は記憶を全て取り戻した所存です。陛下に贈品として忠誠を誓います!」バンダルは膝を突きタガラ王に頭を下げる。その様子に怒りを覚えるクゥヌ。(バンダルよ…何故戻ってきたのだ…お前は朝廷に入る資格などはない…)拳を握り心中そう思うクゥヌ。

第11話「記憶の彼方」

夜空の下 冬風の音が響く宮の庭園で茶を飲むタガラ王とバンダル。茶を飲み一息つき、タガラ王はバンダルに言った。「隊月長(従一品の官位品)よ。私はそなたが禮賀図を手にいれる為に宮に1,000の大軍を連れて攻め入った事を。その時 私は影沙堂の頭の睨み顔に怯えてそなたへの逮捕令を下した。今も後悔している。何故 正確な判断を我は出来なかったのだろうか。我の親族ら前王を無惨に殺したあの者を倒そうとする光沙堂のお前達に手を伸ばす事が出来なかったのだ…何故あの者に圧迫されてそなたを追い込んだのか。全ては私のせいだ。全ては我のせいだった。」涙を瞳に溜めてバンダルを見つめるタガラ王。そのタガラ王の姿に悲しみを覚えるバンダル。「陛下。陛下が居てこそ今があります。民が影沙堂から守られた今があるのです。陛下は私の事の心配はせず民の心配をなさって下さい。陛下が居なくては。今のような平和は訪れませぬ。」タガラ王はバンダルの言葉に涙を拭き笑みを浮かべた__三日月が夜空に出るタルバルン。その三日月の下を酒に酔ったチファクが歩いてる。反対側からは傘を被ったヨチジソバクの姿。チファクはヨチジソバクの姿に気づく。チファクはすれ違おうとしたヨチジソバクの腕を握り引き止めた。「待て。お前…旧道堂の者ではないか?」チファクはヨチジソバクの顔を見ながらう尋ねた。ヨチジソバクは袖から刀を取り出しチファクの首に向ける。「何者だ?何故私の事を知っている?」ヨチジソバクは力強く刀を握りチファクの首に刀を刺そうとした時…「待て…私は現王の従兄弟チファク王子だ…」その言葉にヨチジソバクはチファクから刀を引く。「あなたが…チファク王子ですか…私は旧道堂のヨチジソバクと申します。」__