複雑・ファジー小説

Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.18 )
日時: 2019/10/26 23:02
名前: エイ (ID: Xr//JkA7)

久しぶりの投稿です

【第5章 敗北した光沙堂】

11ヶ月後…チチャンとバンダルは朝廷での活躍が目立ち始めた。その活躍により光沙堂らの力は衰える様になっていった。そんな中 バンダルとチチャンの契約は残り半月を切った。

チチャンとバンダルは酒を交わす仲になっていた。バンダルはチチャンに酒を注ぐ。「隊月長。何故そなたの祖父と父を殺したも同然の男を受け入れてくれたのだ。」と酒を口にしながらチチャンはバンダルに尋ねた。「決してお前の為に受け入れた訳ではない。私の為に。自らの為に受け入れたのだ。私の父が代々受け継いで来た光沙堂をその父の臣下が奪い取った事に私が腹を立て受け入れた。それだけだ。それに決してお前が私の父や祖父を殺した事は1日も忘れた事はない。」そうバンダルは心中怒りが込み上げる中冷静にそうチチャンに答えた。そしてチチャンは口に付けていた杯を机に強く置いて言った。「隊月長。私は明日 これまで鍛え上げた影沙堂の堂員5万を連れ王宮に攻める。隊月長も来るなら来い。」そう言って立ち去っていた。

(彼は_私の父と祖父を殺したチチャンと言う者。極悪非道だ。1000年以上続く影沙堂の歴史を継ぐ元々は銃使いだった男。現在は銃使いの歴史を絶ち国の為に政治を行う。しかし彼の本当の野望は私さえも見抜けぬ。彼は__一体何を企んでいる。)

半月後…影沙堂の5万の堂員を連れて王宮に攻めた。国王タガラはチチャンに自決を強いられた。その頃 クゥヌらは臣下らと共に酒に浸っていた。

朧月の出た夜空の下 クゥヌの大きな屋敷に約1,000の兵士らが入ってきた。その先頭にはバンダル。バンダルは先頭で刀を掲げこう言った。「国の秩序を乱した逆賊クゥヌを我の前に連れて参れ!」クゥヌは外に集まった兵士の様子に気づき臣下らを捨てて刀を手に持って逃げていった。キョットンはバンダルを見て怒鳴った。「バンダルよ。謎こうなってしまったのだ!何故!そなたの父は遺言に何て申したか覚えておらぬか!''我の父を殺した影沙堂の頭を殺せ''と仰ったではないか!」バンダルは屋敷の見張りと守備らを殺した刀をキョットンに振り落とした。その血は顔に降りかかった__その頃 刀を手にバンダルらから逃げるクゥヌの前に約1万の兵士を連れて馬に跨ったチチャンが現れる。「春坡。流石だ。自らの為ならば臣下さえも置いてくると。醜い性格だ。」クゥヌはチチャンの様子に怯えて震えながらも刀を抜き、チチャンに襲いかかる。そんなクゥヌを兵士達が囲う。兵士らがクゥヌを囲う。するとチチャンは急いで馬に乗り後ろに後退した。その瞬間__兵士らは一斉にクゥヌに刀を刺した。クゥヌは刀を落とし血を吐き倒れた。それを見たチチャンは大声で笑った。チチャンは馬でクゥヌの遺体を踏み 馬に乗って走り去っていった。その後を走る兵士らもクゥヌの遺体を踏み走り去って行った。そんなチチャンと兵士らの前にキョットンを殺してきたバンダルが現れた。チチャンは馬から降りてバンダルと握手を交わした。「隊月長。今までありがとう。隊月長は私の事をいずれ殺す事になるだろうが決して後悔はしていない。」「遠慮なく復讐させてもらう。」チチャンの微笑んだ表情に対してバンダルは笑みなど見せず去って行った。

そして10日後 チチャンは国王になる予定だったバノク太子を殺害し自らの即位宣言を発表。チチャンは国王として即位した。バンダルはその事を知りつつも口出しは決してしなかった。

バンダルはクゥヌの墓前にやって来た。「クゥヌよ。お前が死なねば私は国王になどなれぬ__」墓前でそう言ったバンダルの目は鋭く冷徹な目だった__

ー終ー