複雑・ファジー小説
- Re: 朧月ー首魁者の乱ー ( No.19 )
- 日時: 2019/11/07 08:03
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第6章 国王の夢】
>>16-18 ((前回までのあらすじ))…幼馴染であったクゥヌに裏切られたバンダルは一生の敵チチャンと一年間の契約をして手を組む。そして1年後…チチャンとバンダルはクゥヌやタガラ王を殺すクーデターを起こした。その後バンダルはチチャンと手を切る。チチャンは1人自ら王位に昇る。
極寒の初冬…タルバルンの作物は凍り食物などは途絶えていった。その作物の問題については一切問題視する事もなく民は飢えを凌ぐ為 露国(ロシア国)や飛鳥(日本)。唐国(中国)に逃げた。チチャンはその間光沙堂の残党の粛清を行いながら貴族らに納められる肉や野菜を頬張った。朝会中…肉を頬張るチチャンの様子を見る''副頭''はその様子を止めようにもチチャンに殺される事を恐れて止める事が出来ない。会場中はチチャンの機嫌を伺い沈黙が続く。チチャンは肉を食べる手を止めて笑い出してこう言った。「そこまで余の事を恐れておるのか?余がそなたらを光沙堂の残党の様に殺さないかと?安心せよ。余も人間だ。今日は上奏を届ける日だ。上奏はどこにある?」そう言った時…バンダルは会場に力強く扉を上げて入ってきた。「国王陛下!人間ならば上奏が山程届くこの問題にも目を向けて下さい。」山になる''作物凍結問題''の上奏をチチャンの目の前に置いた。「この上奏を国王陛下はお捨てになろうとしたとか。民の半分は外国への逃亡を図ろうとしておりますぞ。このままではいつしか百済や新羅、高句麗(当時一の弱国と言われた朝鮮半島の3国)にも負けるやもしれませんぞ。」チチャンは腹を立て肉を置いた膳をひっくり返した。そして冷静になりそう尋ねた。「隊月長が何故宮殿に来た?宮殿への出禁を命じたはずだ。出て行きなさい。」そう言い会場から出て行った。その姿に呆れたバンダル。そんなバンダルの元へ''副頭''らが寄ってくる。「隊月長殿。私ら大臣を部下に入れてくれぬか?命令してくれたら何でもする。今の国王のもとに仕えるのは懲り懲りだ。」バンダルに''副頭''らはそう乞うた。
終