複雑・ファジー小説
- Re: 朧 月ー首魁者の乱ー ( No.2 )
- 日時: 2019/10/09 21:11
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
彼は呟いた
「屍なる者私の手により…」と低い声してバンダルの前に立つ口の下に髭を付け黒く染まった笠を被った謎の
男。その男は自分の袖から短刀を取り出し、猛進して来る。その姿はまるで狼のように獣が噛み付く様な姿だった。
その男の前で戸惑っていたバンダルを目の前で発見した杖をつくジャンが現れ、ジャンが持つ杖を槍の様に投げ、その男の首を貫いた。その男は短刀を落とし、血を吐き、倒れる。その男が倒れる姿を目の当たりにしたバンダルは驚き、後ろを振り向き、ジャンの姿を発見する。
「父上。わざわざお越しになられたのですか…」と心配そうにジャンを見るバンダル。
「銃使い''影紗堂''。。。我ら''銃決団''よりも優れた狙撃力を持つ。そなたは初耳かも知れないが我ら銃決団は18年前、影紗堂を倒すためにでも生まれた様なもんだ。」
18年前…
【戦乱の定か】
黒い覆いを被った影紗堂の団員が狙撃銃を片手にスコープを覗き、ジャンの父・カラックの頭に狙いを定め、発砲するその男。カラックはその弾を受け、倒れる。その姿を目の前で見たジャンは驚き、カラックの出血する頭を止血しようと押さえる。狙撃した人物を発見したソファールは横にあった狙撃銃を手により、その男の頭に弾を当て、倒す。幼い姿のミオルと成人もしていないフィラが「父上!父上!」と泣き叫んでいる。
(その後、我らは義兄弟として誓い合い、戦乱を終結させ、兄のソファールを団長として''銃決団''を組んだ。しかし兄は武芸に優れておったが、せっかちな面があった為、先代の巷では''無能な王''と噂されたバク王を兄は廃位しようと謀反を起こした。だが兄も幸運な事にバク王は挙兵の前に息を引き取り、現王に王位継承された。その挙兵は到底私も許せなかった。故に私はソファールを殺した。この謀反は影紗堂らが考えたに違いあるまい…兄を殺したのは影紗堂も同然だ…私は父と兄を殺した影紗堂を決して許さぬ…故にそなたにこの意志を継いでほしい…)と言うジャン。そのジャンの言葉に拳を握るバンダル。
「父上。必ず私が影紗堂を捕らえます。」とバンダルが言う。
ー2月の下旬ー
影紗堂は王であるアヤマ王を殺害し、その孫であるタガラ太子を王位に据えた。影紗堂は世から認められる政治家へとなる。政治を操る影紗堂は早速銃決団を倒す事を決意する。。
青き照っていた昼空は黒く染まった雲に隠れ霰が降る。。。
その霰の中、銃器を持った一団があった。
先頭で馬を跨るのは銃の形を彫刻された甲冑を身に纏うバンダルの姿。鋭く光る刃を上に掲げてこう言い放つ。
「この冬の末、私たち銃決団は''光紗堂''へと改名し!悪なる影紗堂と戦う事を決意する!」力強く、威勢よく、ビシリと伸びた声帯で言い放った__
(私は父の意志を継ぎ、必ず…影紗堂を倒してみせる…)
プロローグ終