複雑・ファジー小説
- Re: 朧月ー首魁者の乱ー【クライマックス】 ( No.22 )
- 日時: 2019/11/07 08:02
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第8章 葛藤】
革命を起こしたタイソブァクの手は震えが止まらない様子。その震えを抑えようと刀を抜き強く握り締めた。『王宮にある敵を殺すのだ!』タイソブァクはそう言い刀を掲げた。タイソブァクが率いる兵士らの士気はかなり高まっていた。
その頃国王バンダルは記憶を蘇らせた。その記憶の中に涙を目に溜めたタイソブァクが過去のバンダルにこう言った。『師匠。どうしたのです。何故…王位にいつまでも座っているのです!師匠は私の師匠だ決して国民の父などではない。決して違う!王位をお捨てください。そして私と一緒に逃げましょう。』とタイソブァクの涙を見たにも関わらずバンダルはその場を立ち去った。タイソブァクは自分自身にこう言い聞かせた。(あれは私の師匠ではない。奸臣らの意思に揺らされる無能な王だ)そう言い聞かせタイソブァクは立ち上がった。
その出来事を思い出したバンダルは涙した。そして悟った。『自らは無能な王だ』と。バンダルが座る宮に1,000の軍を率いたタイソブァクがやって来た。それに気づいたバンダルは刀を手に一人で自ら宮の前に足を運んだ。タイソブァクは刀をバンダルの首に向けた。『国王陛下。御退位ください。国王陛下のお役目は既に終わっています。』と。バンダルは刀を抜き、自らの首に向く刀を退け、刀を抜くバンダル。そしてバンダルに刀を刺すタイソブァクだが、その刀を弾かれ逆に刺されそうになる。その瞬間タイソブァクは上に飛びバンダルに刺そうとした時…バンダルはそんなタイソブァクを見て故意に刀を落とした。タイソブァクが刺した刀は見事腹に。バンダルは膝を突き血を吐く。そこに王宮側の兵士たちがやって来てタイソブァクに向かって矢を放った。矢はタイソブァクの胸に刺さった。それを見たバンダルは倒れそうたなり意識を朦朧とさせながら『駄目だ。やめろ。矢を放つでない。』兵士らを必死に止めた。兵士らはタイソブァクらの兵士に襲おうとした時、タイソブァクは言った。『降参しろ。やめよ。ならぬ。王宮の兵士を殺してはならぬ。お前らは生きて帰れ。生きて帰るのだ。』バンダルも倒れそうになりながら言う。『そうだ。降参すれば再び家族と会えるぞ。』そう言いバンダルは兵士らの争いを止め、王宮側の兵士に耳打ちした。『主治医を呼べ。私より先にソブァクを助けろ。』と言ってバンダルは倒れた。その隣でタイソブァクも共に倒れた 夜空には朧月が。それも華麗な朧月。__しかし先に主治医らは王命に逆らいバンダルを先に治療した。その結果タイソブァクは手遅れにより息を引き取った。数日後バンダルは意識を取り戻し回復したのだった__
タイソブァクが葬られた墓前にバンダルがやってきた。涙を墓前で流したその夜にも朧月が出ていた。華麗な朧月であった。__この革命(反乱)は約3ヶ月に渡って行われた。その頃4ヶ月もの間 飛鳥国が海を渡って出兵していた。6月12日 飛鳥国の兵を率いた蘇我氏は同行していた飛鳥国の王子に殺害され、飛鳥の大軍は再び海を渡り帰っていった。
18年後…判高国王即位年一八年 蘇我氏を斬った王子が即位した。その後王子は他国の高句麗や百済新羅と戦争を起こし敗北。飛鳥国は国庫を失いかけていた。その時、飛鳥国が目につけたのな飛鳥国の国庫を充分に満たせるタルバルンだった。タルバルンの国庫は溢れそうたくらいだった。
終