複雑・ファジー小説
- Re: 朧 月ー首魁者の乱ー ( No.5 )
- 日時: 2019/10/09 21:16
- 名前: エイ (ID: Xr//JkA7)
【第1章 朧月の出】
影紗堂の''お頭''が小銃を手に取った。その小銃を見つめる影紗堂の重臣たち。「お頭。その小銃は…どこの小銃ですか?」「これはバルサンギガス都県の''107小銃(95式小銃)''と呼ばれる小銃だ。」「107小銃とは…あの神の使いシンバルンが…地に残したと言う…」「そうだ。この世に一つしかない最強の武器なのだ。たとえ1万の敵が襲って来たとしても、この武器さえあれば勝てるだろう。」自信げに言う''お頭''。
百七小銃…タルバルンでは神の使いであるシンバルンが世に一つしかないと伝えられていた。しかし他国では何万個も製作されている事が後々に分かる。百七小銃…そう名称したのはタルバルン、この国だけだ。他の国は95式小銃と名称した。
ー2月30日ー
バンダルは刀を手に数十人の護衛たちと歩く。「あとどれほどで着く?」とバンダルは友人のクゥヌに尋ねる。クゥヌは地図を広げて確認する。「あと約3乃(約3km)で着くだろう。」と。
バンダルは''光紗堂''の隠し宿にやって来る。その宿の中には碁を打つ二人の老爺たちがいた。……「団長がここへは何用でしょうか。」と不思議そうに尋ねる。「夜骨(よこつ、光紗堂の序列8位)、大骨(だこつ、光紗堂の序列9位)よ。今 訓練場に精鋭隊は如何程おる?」「団長、それをお知りになり、何をするおつもりですか?」
「精鋭隊を率い、宮を襲撃する。」「ついに…謀叛を起こすのですか…」「いいや、宮から禮賀図(らいがず、兵器製作の宮の秘伝)を盗む。」と力強く言う。「禮賀図…ですと…禮賀図は…厳重に兵士達に守られる''唐月倉''に…」
蜘蛛の巣や埃を被った禮賀図がその''唐月倉''に1枚置かれていた。その図には複雑に記された図が描かれていた。。。そこへやって来た黒の覆面を被った男。……男が着いた先は影紗堂の''お頭''の屋敷。男はその中に入っていく__「お頭。禮賀図を持って参りました。」と禮賀図を差し出す男。「これが…光紗堂の手に渡っていたら…お前も私も決して生きていられなかったであろう。」気味の悪い笑いをして禮賀図を火に当て、''お頭''は禮賀図を燃やす・・・
第4話終
次回予告__第5話「光紗堂の逮捕」
バンダル達は禮賀図を手に入れるため、1,000の兵士を率いて王宮に進撃するが…