複雑・ファジー小説

Re: 朧 月ー首魁者の乱ー ( No.6 )
日時: 2019/10/09 21:20
名前: エイ (ID: Xr//JkA7)

【第1章 朧月の出】

朧月の出る夜空の下、鋭く光った刃を掲げ、バンダルは「進撃せよ!」と大きな威勢いい声で言う。バンダルが率いる1,000の兵士は宮の門を抜け、刀を手に唐月倉へと向かう__幼きタガラ王の元へ''お頭''らがやって来る。「国王陛下。光紗堂の者たちが王宮に1,000の兵士を率いて進撃しております。私に軍事権をお託し下さいませ。」と膝を突き、鋭い目つきでタガラ王を睨みつける。それに怖気付いたタガラ王は体を震わせながら頷く__
進撃を続けるバンダル軍の前に甲冑を纏った''お頭''が沢山の兵を連れ、やって来て、バンダルらに刀を向ける。
「バンダル!お前をこの場で成敗してやる!」と力強い声で言い、バンダルらに攻撃しようとした時…太妃(タガラ王の継母、バンダルの叔母、ジャンの末妹)がやって来て言う。「やめなさい!宮の中で殺生を行おうとするとは。」と言う。「太妃様。何を仰いますか。身内だからと庇うと仰せなのですか?」と''お頭''が苛立った様子で言う。それに対して太妃も反論。「殿。誤解だ。身内の為に言うのではない。宮の仕来りの為に言うのだ。」と。拳を握りつつ、''お頭''は「そこまで言うなら公にして処刑しましょう。そなた達、罪人を捕縛せよ。」と言う_______
暗き牢獄の中に一人座るバンダル。そこに太妃がやって来る。「バンダルよ。無駄な事をしたな。禮賀図は既に影紗堂の奴らに燃やされた。もう影紗堂に勝つ手段はないようだ。。。」「いいえ叔母上。決して私は諦めませんぞ。」「私がそなたを逃がしてやる。故に必ず勝利するのだ。」と太妃は懐から鍵を取り出し、扉を開ける。「逃げなさい。そして勝ちなさい。」「分かりました。叔母上。」__息を荒くして走って来る''副頭''。「大変です。お頭。バンダルとその手下らが逃げました。」「何だと!」___馬を跨ぎ、刀を手に走る。副頭は逃げていく光紗堂の兵士らを次々と斬っていく。斬られていく兵士の先にはバンダルが。バンダルは''お頭''に矢先を向けられ、矢を放たれる。バンダルは背中に矢を射られながらも必死に走る__バンダルは崖まで追い詰められ、崖から落ちるバンダル。(必ず生きてお前に復讐してやる…)その志を胸に悲鳴を上げながら落ちる_____________
太妃の部屋に強引に入る''お頭''。そして無惨に刀を振り落とす''お頭''。太妃は倒れた。そして''お頭''は黒き覆面を外す。その顔には斬られた跡が残っていた__

第5話 終

次回予告__第6話「復讐の始まり」

崖から落ち、酷い傷が体にあるバンダル。しかしある崖の下にあった村の村人に救われ…