複雑・ファジー小説

Re: 朧 月ー首魁者の乱ー ( No.7 )
日時: 2019/10/15 15:57
名前: エイ (ID: Xr//JkA7)


【第2章 復讐の始まり】

1年後…バンダルは崖の下にいた村人タチョルによって一命を取り留めるが、いつ死んでもおかしくない状況が1年続いた。その頃 王宮では''お頭''の妹 サミが王妃になり、''お頭''は絶大な権力を手にした。

第6話「復讐の始まり」

「王様。影紗堂の長である者を大総臣(王妃の身内。太子、王の身内(弟など)の次に王位を継承できる座)にするなど!決してあってはならぬ事です。」と上訴する学者たち。当時 国王タガラ王は15歳であった為に子は持たなかった。その為、太子が誕生しない場合は大総臣に王位が委ねられる__バンダルの眠る暗き洞窟でバンダルの看病をする老爺が杖を手に立ち上がる「この者は…復讐を決起しようとする志を持つ危険な男だ。しかもその相手は影紗堂の者とは。私が助ければ世の中は覆ってしまう__」と不安げな声と震わせた声帯で逃げるように立ち去る老爺。そんな老爺の足をそっと掴むバンダル。「お爺さん。。。待ってくれ…」掠れた声で老爺を引き止める。バンダルはとても不思議そうに老爺を見つめる。その瞳に引き止められた老爺は引き返し「何だ?記憶を失ったか?」と尋ねると「何も覚えていない。。。私が何者かに崖に突き落とされた記憶がうっすら見える。。。」と頭を掻きながら言う。「そうだろうな。腕に矢を打たれていた。そなたはお役人さんに追われる逆賊だったのか?」「何を言う!私が逆賊?」「わ た し?どう言う事だ?高貴な一人称えをするもんだ。お偉い貴族だったのか?」「そうだ。君、この光紗堂の証を何故持っていた?」と不思議そうに証を手に尋ねる老爺。「分かんないな。。。何故だろう…」

第6話 終

Re: 朧 月ー首魁者の乱ー ( No.8 )
日時: 2019/10/05 21:26
名前: エイ (ID: Xr//JkA7)



【第2章 復讐の始まり】

綺麗な桃色の桜…その上には白く曇った霧に包まれた朧月の姿が…ある夜道は凍ってしまうほど冷たい風が強く吹いていた。その夜道を老爺と共に拝見がてら歩く。バンダルは老爺に黄色く光る灯りを手渡される。その灯りを手に二人はどこかへ向かっていた。その様子を偶然目にしたボロボロの服を見に纏い、片目に眼帯をしたミオルがいた。バンダルはミオルを見るが、気が付かない。
(似てる…バンダルに似てる…)とその様子を不思議に思うミオル__バンダルは老爺と共に古びた小さな宿にやって来る。そこには容姿端麗なハヤヌとタイソブァクの姿があった。「爺さん。その人は?誰ですか?」と尋ねるタイソブァク。「この者も役人に追われる光紗堂の者だ。この者、崖から落ちて記憶がない。ウォバンと名付けた。ウォバンと呼びなさい。」「どうも。ウォバンだ。」ウォバンと名付けられたバンダルはタイソブァク達に対して馴れ馴れしい態度を取る。「なんだ?この人、、、初対面だって言うのに馴れ馴れしいぞ。」手を絡めて来るウォバンに引き気味のタイソブァク。そんなウォバンを見つめるハヤヌ。「面白い人ですね。」と口を押さえて笑いながらそう言う。その言葉になんて言えばいいか戸惑い答えられないウォバン。「このウォバンもお前達と働く。歓迎してやれよ。」と老爺が言う__王宮を宦官が走り回る。宦官が走りながら鳴らす鐘の響き音と宦官の走る足跡が王宮内を響く__ダイオード(タガラ王の弟、皇太弟・こうたいてい)の宮前でダイオードの母を始めとした者達が泣き叫んでいる。「王子様。逝ってはなりませぬ。王子様。王子様!」宮の中には首に縄をかけ死んだダイオードの姿が__タイバルン唯一のタガラ王の身内の王位継承者ダイオードは国民からも信頼を寄せた王子だった。ダイオードは重度の精神病を持っていた為、この前も数十回 自殺を図った__数日後 王に宦官からこのような報告がなされる「謀叛が起こった。」と。