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複雑・ファジー小説
- Re: 超短編と短編を詰めようとしている訳でもない ( No.6 )
- 日時: 2020/06/07 14:43
- 名前: 海原ンティーヌ (ID: Wpc96rD2)
「今日朝食ってねぇんだよな」
「マジで? 雨が降っててくれて良かったな」
笑いながら友人が言い放つ。俺はつられて頷きかけたが、咄嗟に首を横へ捻り返した。なんで、雨? そもそも雨なんて降っていただろうか。友人は神妙な顔をする俺を不思議そうに見ている。
「雨とか降ってなくね」
「は? 降ってるだろ」
友人はそう言って俺の背後を指さした。俺はノータイムで振り返る。窓枠に切り抜かれた青い空から、沢山の影が今まさに落ちてきていた。ピンク、紫、オレンジ、黄緑。ご丁寧に包装までされた、数えきれない程の『飴』たちが、すました顔で次々と降り注ぐ。
あんぐりと口を開けた俺に、友人は心底嬉しそうな声色で笑った。
「後で拾いに行こうぜ」
ヨモツカミ様主催のSS企画にて書かせていただきました。お題は「雨が降っていてくれて良かった」です。
安直なエモに走りたくなくて、技量もないくせこういう文章ばっか書いてしまうのなんとかしたいですね。
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