複雑・ファジー小説
- 第一章:カリロスとメイドの一日 ( No.1 )
- 日時: 2020/06/19 00:39
- 名前: Angel/God (ID: HBvApUx3)
「ところで部屋はどうすんだよ! 母さん!」
「うちには空き部屋はないから、カリロスとセラちゃんは同じ部屋で生活したら?」
「「お、同じ部屋〜!?」」
セラリアと声がかぶってまたにらみあった
「わ、私、やっぱいいです!」
「いいじゃないの。別にカリロスは床に布団ひいて寝かせるから
「なんで俺が床で寝なきゃいけないんだよ!」
「もう決まったの!」
そう母が言いきって仕方なく俺達は納得した
「とりあえずカリロスに勉強を教えてくれない?」
「……わかりました。ほら、早くつれてってよカリロス」
「こっちだよ」
俺はセラリアを部屋に連れていった
「ほら。とりあえずノートと教科書と鉛筆だして」
「はいはい」
そう言って俺は鞄から筆記用具とノートと教科書を取り出した
「教科書貸して」
「はい」
「じゃあ読むね。魔術を作ったシー・アリムラルは……」
「こりゃ長くなりそうだ」
***
「全部ノートに書いた?」
「……ふぅー。書いたぞ」
「ご苦労様。ていうかもう五時じゃないの。ご飯作ってくるね」
「メシも作るのか?」
「一応メイドだから」
「そっか」
そう言ってセラリアは下へ降りた
「あいつ以外と教えるのうまいな……」
***
「できたよー」
「まじか。降りよ」
こうして俺は下へ降り食卓へと向かった
「みてーカリロス。セラちゃんこんなに料理が上手なのよ」
確かにいかにも旨そうなやつばかりだ
「じゃあもう食べますか? ネリアさん」
「そうね。ほらカリロスも早く座って」
「お、おう」
「「「いただきます」」」
俺は早速汁でテカテカになっている肉を口の中へ入れた
「モグモグモグ……うめぇ」
「でしょ? 私以外と料理はできる方だから」
「ほんと美味しいはね〜! セラちゃんの料理は!
一流シェフが作ったみたいな味だわ!」
「母さん一流シェフが作った料理なんて食ったことないだろ」
「そのくらいの味がするのよ」
「変だな」
こうして俺達は料理を次々と口の中へ放り込むとあっと言う間に食べ終わった
「うまかったぁー……明日も料理作ってよ」
「うん。あ、お皿洗いしますね」
「え? けどもう六時過ぎてるわよ?」
「私が使ったものなので」
「偉いわね〜。カリロスとは大違い」
「俺と比べんなよ」
***
「もう十時か……」
「もう寝ないと」
「はぁ? 俺は十二時まで起きるぞ?」
「いいから下に布団ひいて寝なさい!」
「母さんかよ……」
そして俺達はお互い布団に入った
セラリアは俺のベットだが
「(このベット……カリロスの匂いがする)」
「(俺のベットであいつが寝てんのか……
やべぇ、そんなこと考えてたら寝れなくなる!
早く寝ない……と……)ZZZZZZZZ………」
***
「起きて!」
「今何時……?」
「六時だけど」
「はっ、はや!」
「当たり前でしょ。これで習慣づけないと」
「てかお前、目の下にクマができてるぞ?」
「え? あぁこれは、そういう体質なのよ!
(昨日緊張しすぎて寝れなかった……)」
「お前も変だな」
「と、とりあえずご飯作るから!」
「おおう! 早く作ってよ!」
***
「じゃあいってらっしゃい! 二人とも!」
「「行ってきまーす」」
「てか初めてじゃない? 遅刻しないで登校できたの」
「そうだな」
そんなことを話している時影から様子を見張っている者がいた
「セラとカリロスが、カリロスの家から登校している!?」