複雑・ファジー小説
- 第二章:イリーン・コーラスの観察眼 一ノ巻 ( No.2 )
- 日時: 2020/06/20 00:09
- 名前: Angel/God (ID: HBvApUx3)
「おっはよー。みんなー」
「おはよ……って、えー!?」
「どした?」
「あ、あのカリロスが遅刻しないで来てる!!」
「あ、あぁ。そう言う魔術があってな」
「まじで!? 俺にも教えろよ!」
「いやに決まってんだろ!」
「ひどいなぁー……」
そんなカリロスを影から見ている人物がいた
「セラリアがカリロスの家から出てきていた……
つまりセラリアがカリロスの家に泊まっていた?」
「なにブツブツ言ってるんだ?」
「マーティス!?」
「よ。イリーン。てかなにやってんだ?」
「もしかしたらセラがカリロスの家に泊まっていたかもしれないのよ!」
「で? 別にいいだろ」
「よくないわよ! ミスィがはカリロスが好きなのよ!」
「え! そうなの!? なんで今日初めて遅刻しないでこれて、
成績もいっちばん下のやつを好きになんの!?」
「ミスィいわくカッコいいらしいわよ」
「確かにカッコいいけど俺が女だったら嫌だな……」
「私も不思議よ」
キーンコーンカーンコーン
「はーい。みんなー。席について」
「とりあえず後で詳しく聞かせてくれ」
「ええ」
こうしてカリロスとセラリアの観察が始まった
***
「弁当うっまそー!」
昼頃にも彼女達はカリロス達を観察していた
「確かにお弁当美味しそうね……
って、セラとお弁当が一緒じゃない!」
放課後
「帰るか」
「うん」
放課後もじっとカリロス達を観察していた
「なんかわかったか? イリーン」
「ええ。お弁当を食べている時、カリロスとセラのお弁当が一緒だったわ」
「つまりどっちかが作ってよあげたってことか」
「とりあえずついて行きましょ」
「ああ」
***
「今日はなんの勉強するんだ?」
「今日は魔術棒の種類よ」
「めんどー……(てかさっきから後ろに気配が……)」
「めんどーとか言わないの! 私が教えてあげるから」
「はいはい」
てかなんか学校に忘れたようなけがする……
「俺、なんか学校に忘れたかも」
「ええ? じゃあ早く取りに行きなよ。私はさきに帰ってるから」
「おけ。じゃあ取りに行くわ」
「うん」
「私はカリロスの後をつけるから、マーティスはセラリアの後をつけて」
「了解」
***
「あれ? どこだっけ……あった!
よし、帰るか」
「まって」
「イリーン? どした?」
「貴方、セラと恋人なの?」
「……え?」
「だって今日、貴方の家からセラが出てきてたじゃない。
お弁当も一緒たったし、帰るか方向も一緒だったわよ?」
「別に恋人じゃないけど?」
「じゃあ一体どんな関係なの?」
「あいつはメイドだよ」
「メ、メイド!?」
「うん。メイド」
「あ、あなた、セラをこき扱っているということ!?」
「いや別にそんなんじゃないけど」
「いいえ。絶対そうだわ! こうなったらセラ本人に聞くわよ!」
タタタタ
行った……一体なんだったんだ?
「まあいいや。帰ろ」
今は暢気なカリロスだが、これが後に焦りへと変わるのはまだ誰も気づかなかった……