複雑・ファジー小説

第二章:イリーン・コーラスの観察眼 二ノ巻 ( No.3 )
日時: 2020/06/20 19:03
名前: Angel/God (ID: HBvApUx3)

「セラ!」

「イーリン? どうしたの?」

「貴女、カリロスにこき扱われてるわよね?」

「え? なに言って……」

「いいから私の家来て!」

 そうしてイーリンはセラリアの手をひいて家へと向かった

「待ってよー!」

 ***

「ただいまー」

「おかえりーって、セラちゃんは?」

「え? 今いないの?」

「そうだけど?」

「先に帰るっていってたんだけどなぁ〜……
 とりまあいつの家行ってみるわ」

「気を付けてね」

「ああ」

 そして俺は玄関から飛び出した

 ***

「お邪魔しまーす……」

「あらイリーンの友達?」

「うん。とりあえずセラは私の部屋にきて」

 こうしてセラリアはイリーンの部屋へ入った

「セラ。本当のこそ言って」

「本当って……どういうこと?」

「さっきより簡単に説明すると、奴隷として扱われてるでしょ?」

「奴隷? 私はメイドとしてカリロスについてるだけよ」

「カリロスも言ってたわメイドって。貴女、洗脳魔法でも使われてるの?」

「そんなわけないじゃん! もう帰るね!」

 少し怒りぎみのセラリアだったがイリーンにとめられた

「本当のこと言うまで帰さないから!」

「帰してよー!!」

 ***

 ピンポーン

「セラリアー。いるー?」

 だが俺に返事をする人物はいなかった

「いねーかー……どこに行ったんだ?」

 すると俺はある人物に声をかけられた

「セラリアを探してるのか?」

「マーティス!? なんで知ってるんだ!?」

「俺はイリーンとお前らを観察していた」

「それはどういうことだ?」

「お前の家からセラリアが出てきてたろ?
 あれをイリーンが見てたんだ。
 そして俺とイリーンがコンビでお前らを観察していたという訳だ」

「あいつは俺のメイドだけど……?」

「メイド? そんなことか」

「けどイリーンがセラリアをこき扱っているって疑うんだ」

「あいつ以外としつこいからな。まぁ俺は信じるぜ」

「なんでだ?」

「お前今日で初めて遅刻しないで来れたろ?」

「うん」

「あいつがメイドとしてお前につき、朝にたたき起こしたとすれば辻褄が合う」

「確かにそうだな……」

「それとセラリアと弁当が一緒だったんだろ?
 あれもあいつがメイドとして作ってくれたんだろ?」

「ああ」

「とりあえず早くイリーンの家行かないとマズイぞ」

「なんでだ?」

「セラリアは今イリーンの家にいる。
 そしてあいつがお前のいいなりになっていることを認めないかぎり、
 家には帰さないらしい」

「それはマズイな……教えてくれてありがとな! それじゃ!」

 こうして俺はイリーンの家へと猛ダッショで行った