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複雑・ファジー小説
- Re: Drops of tears Dripping ( No.13 )
- 日時: 2020/12/06 17:29
- 名前: リリ (ID: OYJCn7rx)
電車を降りて歩いていると、見覚えのある顔をした人とぶつかった。
「有一!」
「青葉じゃないか。今日は入学式じゃないのかい?」
「入学式なのだけど……」
これ以上は言えなかった。
涙が溢れて、いよいよ全てが崩れてしまうからだった。
ここで話したら、
殆ど粘着力のないガムテープ(精神)で繋いだ積み木が落ちてくる。
積み木が落ちたら精神的外傷の症状、
フラッシュバックが一気に起きてしまう。これ以上壊れたくない。
力を振り絞って声を出す。
「カフェで……」
「分かった。」
普通の人は私の苦しみを理解してくれない。
でも、有一は分かってくれるんだ。
有一も元、精神的外傷患者だから。
「行こうか。」
有一の手は温かかった。
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