複雑・ファジー小説

Re: 騎士物語 ( No.1 )
日時: 2020/12/24 07:26
名前: 朧 (ID: OYJCn7rx)

長き冬が過ぎ、美しき春が来た。主君、カミエルが開いた祝いの宴には大勢の大領主の面々、貴なる騎士ナイトの数々、すなわち“円卓の家臣”の顔ぶれがそろう年に一度の日だ。まあ、宴は10日続くが。。長き戦の中で剣術を練磨された義兄弟たちが集まり、宴で日々の疲れを忘れて娯しむ。騎士達は馬術を見せびらかし模擬戦を行った。領主達は酒を呑みながら騎士達の馬術の腕に称賛の言葉を与え称えた。10日の宴の間、いつもは眉間に皺を寄せている騎士も、税の収集不足の寛いに気をとられている領主も顔が解けていた。しかし、1人、召使いもが騒いで遊びに興じている時に、深刻な顔をしている者がいた。彼の名はジャジャ・レイ。占い師だ。道端に転がっているような下等な占い師ではない。世界一とも言われている腕を持つ超上級の占い師だ。主君カミエルが皆の様子を見てうすら笑みを浮かべていると、深刻な顔をしたジャジャ・レイがやって来た。