複雑・ファジー小説
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.3 )
- 日時: 2022/05/21 23:06
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13266
三話 利益に別れはつきもの
落ちた瞬間壁に爪を引っ掛け窓を割って中に入る。こんなことができる人間は私と範馬勇◯郎、二人だけだろう。
「ふぅ、危なかったー。」
危うく死体を見ながらアイスを食べることになるところだったよ。そんな事をのり弁に知られたらアイス君は悲しくて泣いてしまう。女の子を掴んでいる手と同じくらいの力で握りしめたアイスはちゃんと私の手の中にあった。
「うんまーーーー」
ちょっとした景色を見ながら食べるアイスは格別だった。
っと、そんなことより女の子。うーん。顔からいってるけど大丈夫そうかな。ガラスの一片も刺さってないし。
「痛ッ」
当たり前の事だが、手についていたガラス片を取ろうとしたら痛い。服を貫通して体にも結構刺さっている。そして当たり前の事じゃないのだが傷口が回復した。
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恐るべき神様パワー。身体能力の件で耐性がついたとはいえ、現実じゃ絶対ありえないようなことなので少し戸惑う。
「もう驚かないぞ。」
心のなかでそう誓った。
人生歴17年、これからたくさんのことを経験する身でありながらこれ以上に驚く事はないことを私は悟った。
いやいや、これ以上に驚く事はないよ。だって傷が無くなっちゃったんだよ。血だって傷口に吸い込まれるように消えちゃったよ。これ以上驚くことがあるとすれば、私からチ◯コが生えてきてナメクジと同じ雌雄同体になることぐらいだろうて。
「うっんっ」
「おっ、起きたか...」
目の前にいたのは自分と同じ顔をした少女だった。
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我ながらキレイなフリをしたもんだ。「前世は布袋尊です」と高田鈍次さんから言われても今なら信じられるぞ。
「あ、あなた誰ですか?なんで私が...」
彼女がまた倒れた。よほどショッキングな物...いや、ショッキングな者を見てしまったらしい。
「ふぅーーー」
彼女が起きるの(結局起きなかった)を待っていたらかなり時間を浪費してしまい当たりはすっかり闇に包まれていた。街灯が近くに無いからなのかメチャクチャ暗い...かに思われたのだがメチャクチャ良く見える。神様に至れり尽くせりだな。それよりも労り尽くしすぎと言う感じだ。
背負うしかなかったので背負ったが...軽いな。実に軽い。軽くても重くても女性の体重はタブーらしいがこの体だと大岩でさえ軽いと感じてしまいそうだ。だからもんだい無いだろう。そしてついでだが胸は小さい。マジでAAAぐらい。
いや良いんだよ小さくても。私は小さい方も好きだし。大きい方とどっちかって言われると...大きい方になるけどーー(うざい)私は大きいけどーーー(くそウザ)ロリ巨乳とかの方がギャップで萌えるけどーーー(ガチウザ)良いと思うよ(⌒▽⌒)。
っとそんな事を考えている内に家についてしまった。あらためて思うが、凄いね。私!
と、とりあえず家のベットへ...?ちょっと待てよ。これ誘拐じゃね。犯罪者まっしぐらじゃん。このままだと捕まるーー...って罪意識が低すぎないっ!
我ながら恐ろしい。ここまで罪意識が足りないとは。ギャルゲの主人公ぐらい鈍感。
「はぁー」
って言うかもうどうでもよくね。こっち死にそうなのを助けてんだぜ。これでもう一生分の善行は積んだだろ。
普通この場合は誘拐と言うかい?ヤバい。ヤバイよ。もうこのままだと布袋尊になっちゃうよ。
「うっんっ」
「あれ、もう起きたの?」
「もう」と言ってもかれこれ7時間は経ってるのだが。なんかこの体になってから時間が進むのも早くなったような...や、やめよう。全部神様の性にするのは良くない。
「お姉さん、悪い人だから警察行けなかったんだけど...良かったかな?」
「あ、別に大丈夫ですよ。悪い人の方が良かったんで。」
彼女は平坦な口調で答えた。彼女の言葉には若干の含み...と言うか違和感があるように感じた。
っていうか、バカ正直に答えちゃったんだけど。咄嗟に本当のことを言ってしまったが大丈夫そうだ。この子がおバカちゃんで良かった。ちょっとバカくらいが可愛いもんな。
...ブーメランじゃね。どちらかといえば相手に当たってないからブーメランと言うよりパンジャンドラム。
「っていうか普通こういう時ってさ、なんかもっと言うことあるじゃん。「なんで死なせてくれなかったんですか!」とか「助けないでって言ったじゃん」とか...助けないでとは言ってないけど。」
「いえ、大丈夫です。そういうのもう間に合ってるんで。」
彼女の答えにまたもや含みを感じた。が、そのまま話すことにした。変に地雷を踏んでも困る。なるべく穏便に、そして簡潔に。
「それでーなんで死のうとしてたの?親絡みとか?友達関係?それとも失恋?失恋だったらバカにするぞ。失恋で死ぬとか阿呆すぎ。もっと他の事で悩めよって感じだよ。」
「ううん、失恋じゃないよ。」
「じゃー何?」
「さっき言った全部。」
「一緒じゃん。」
一瞬でここまで地雷を踏み抜いたのは私が初めてだろ。えー気まずい、気まずすぎて過ぎて死ぬーー。
「全然気に病む事じゃないですよ。本当にもう終わった事なんで。」
なんか...この子さー...怖いんだけど。
状況で言ったらこっち誘拐犯だよ!(認めた)おかしいだろ犯罪者とこんなにも話せるの!
「・・・って言うかさ。名前を聞く前から話飛ばし過ぎじゃない。」
「あっそうでしたね」
「「そうでしたね」じゃないが。」
何故か犯罪者がツッコミに回っている件。かつてこんなにも破壊力のある言葉はあっただろうか。言葉の破壊力が◯ルガレオのサンシャインスマッシャーぐらいあるのだが。
「まず私の名前から言うよ。...えーっとー。」
あれ、私の名前って何だっけ?思い出せない。一人称も『私』で固定されてしまったし、男の時の記憶が曖昧だ。そ、そうだ。おっぱいを見よう。
そう言って私は自分の胸を揉みしだいた。柔らかいマシュマロを掴んでいるような感じだ。手で押した所が手の形を覚えたかのように変形する。そして手をガッチリ掴んで離さない。間違えた。手がガッチリ掴んで離さない。
「おっ、やっべ。心のチン◯が...」
思わず声が漏れる。心は相変わらず男のようだ。
なんか安心したような、辛いような。胸を揉んだ代償として自分が女になってしまった事を嫌というほど自覚させられる。
「『心のチン◯さん』なんですね。分かりました。」
「おいおいおいーーーーー!ちょっと待て。」
彼女が小学生みたいな事を言い出した。胸が小さいから本当に小学生かもしれないが...
「小学生ではありません。中学三年生です。あとあなたの胸が大きすぎるだけですから私は普通です。」
「ホントかなー(疑心暗鬼)...ってお前、人の回想を覗き見するとは!はっ、さては布袋尊!」
散々布袋尊の事をバカにしたバチが当たったのだろうか?
「違いますよ。人の顔色ばっか窺っていたので、考えていることが大体わかるんです。」
彼女は平坦な口調で言った。だがさっきのとは違い若干だが棘があるように感じられるのは何故だろう。気のせいかな?
「あと回想とは『過ぎ去ったことを色々と思い出すこと』です。あと、あなたのことでしょうから布袋尊が笑いの神様かなんかだと思っているんじゃないでしょうか?」
地味に敬語なのがムカつく。っていうか布袋尊って笑いの神じゃなかったんだ。
「で布袋尊はなんの神様なんだ?」
「確か...簡単にいえば夫婦円満、財福UP、笑門来福の3つです。彼が笑わせてくるわけじゃないんです。あと布袋尊の背負っている袋には幸運が入っていると言う説があるらしいですよ。」
なんだこいつ、メチャクチャうざい。
ただ頭が良いだけじゃなく雑学も知ってやがる。
「まー名前が『 神宮 全知』ですから。全知って事で名を...」
「え、お前男だったのか!やけに胸が...」
ポコッ
「イテッ」
こいつ、年上をブツとは...この私の ブツ(こころのチン◯)が黙っちゃいねーぜ。
「いえ、れっきとした女ですよ。父親が名付け親でしてね。性別も分からないのに勝手に名付けてこの世をさりました。」
あれ、また地雷を踏んだかな?っていうか、心読まれてないだろうな...
「それと心のチン◯で犯せるものなら犯してみなさい!」
「心を読まれてた!」
クッソ、やられた。 罠にはまった。
「まーあなたの名前はいいです。興味もないんで。」
悲しい。めっちゃ悲しい。それはもうスッゴイ悲しい。語彙力を失うほど。
「じゃーあたしは今日から「神宮 全能」と名乗る事にする。二人合わせて全知&全能みたいな。今日から私がお姉ちゃんだ。」
我ながら天才だ。やっぱり布袋尊だわ。
「それより「無能生命体 無知」とかの方が似合ってますよ。あと勝手に既成事実を作らないで下さい。」
「バカでもわかるぞ!貴様侮辱してるな!」
「「無知」って二乗するとムチムチじゃないですか。だから、あなたのクソビッチな体に似合っている名前だと思ったんですが...」
「なんか口が悪くないですかねぇ、神宮さん!」
それからなんやかんやあって一緒に風呂に入る事になった。
あとがき
力作です。
・・・・・・・・・・特に言うことはありませんが...すみません。とりあえず謝っときます。
誤字報告などする所も作りました。
プロフィールから飛んで、そこから誤字報告のとこにとんでいただけると出来ます。