複雑・ファジー小説
- Re: 美貌にストーカーはつきもの ( No.5 )
- 日時: 2022/06/07 07:29
- 名前: かまめしきり (ID: p/lGLuZQ)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
五話 利益に別れはつきもの
「どうしたんですか?」
「いや、ちょっとね。」
やってしまった! こ、この体の全体像を見たことが無いのに。エロ画像でも二次元でしか女性の裸体を見たこと無いのに。
や、ヤバいぞ。本当にヤバい。免疫がなさすぎて死ぬかもしれない。
こ、このままだと心の中がバレかねない。
真っ赤になっている私を覗き込み、彼女は少し驚いた。
もしかして...
彼女はゴクリと唾を飲み込んだ。こちらも緊張感が全神経にまで伝わる。
「はっ、もしかして私の裸を想像してます?」
余計な心配だったようだ。
こいつは「エッチ」と一言。何故か唇を尖らせてアヒル口を作り、腰をゆらゆらと揺らし始めた。無理に色気を出そうと頑張ってる感が伝わってくる腰使いだった。エロさが微塵もない。エロいと言うより...キモい。気持ち悪い。
これは見てくれている人のためにも一刀両断せねば!心の内側から湧いてきた僅かな正義感を素早く振りかざす!
「胸がないお前の裸なんて見たくもないわ!」
ボコッ
「うぅぅ」
私は伸身の新月面の前戯の如く周っていた私は...新体操の前戯とは一体!?
さ、逆上がりかな。いや、もしかしたら後方支持回転かもしれない。すごすぎる。鳥肌が立ちそうだ。
って、そんな事を言いたいわけじゃなくて。いつもは「ポコッ」なのに今回「ボコッ」何だが。普通に痛いぞ。
30秒ほど回り回った私はその流れで膝を地面に打ち付け、キレイな土下座をかました。
「いや、本当にすいません。」
「次やったら、そのおっぱいを刈り取りますからね。」
彼女の声が 本気だ。だが許してもらえそうだ。これはチョロボン。
バサッと顔を上げると胸が大きく揺れる。
ボコッ
「なんでだよ!」
「次、やったら殺しますよ!」
やったことに対しての罪が重い。重すぎる。イ◯バ物置でギリギリ耐えられないぐらい重い。
それぐらい怒っているらしい。だからなのか顔が赤いような...
「こ、これはのぼせてるだけです。」
「いや、まだ風呂に入ってないだろ。」
というより、風呂場にすら入ってない。というか、それ以前に風呂さえ溜めてない。
見切り発車もいいところだ。だが私の決意は変えられん。今入らなければ一生入らない気がする。
「よし、溜めながら入ろう!」
「短期ですね。」
「それは大学だろ。」
私はツッコミをしながら服を脱いだ。服がいつもよりダボダボなせいか大きな膨らみがあるのにスルッと抜けた。
「なにやってるんですか!ブラジャーつけてないなんて...痴女なんですか?」
彼女の声が部屋に響く。彼女は今にも目が零れそうなほど目を見開いている。
「あー、だからか街の人が写真を撮ってたのって。」
いやはや納得、正直あんな早くバレるなんて絶対にない。と思いたい。いつも警察には無能でいてほしい。
「バカなんですか?それ私を犯してくださいって言う合図ですよ。」
「嘘をつくな!健全な人がこれを見て真実だと思ったらどうする!」
「そこはあなたの体で支払うしかないですよ。こうなったのもあなたのせいです。責任取ってもらいますよ!」
彼女は指をビシッと私の方に伸ばし、判決を言い渡した。
「いや、とりあえず入ろうぜ。寒いんですけど。」
「そ、そうですね。少し長引かせ続けました。このペースだと文字数が4000を超えてしまいます。責任取ってもらいますよ!」
「どんだけ責任とってもらいたいんだよ。ワザップか!」
ジョルノだった。
少し二人で入るには狭いかな?いやでも女の人二人分くらいはあるか。風呂にはこだわって家を決めたからね。ただでさえキモかったのに衛生観念が欠如してたらそれはもう豚でしょ。
「う、寒いですね。少し詰めてくださいよ。」
「や、やめろって!胸が...潰れる...」
「そんな胸、潰れてしまった方が世のためです」
「世界って...主に自己満足だろ!」
「世の中には貧乳好きもいるんです。勝手に私を悪者だなんて決めつけないでください!」
二人とも髪を洗い終えた。長くて少しできなかったので手伝ってもらいながら。
しばらく雑談を続けた後、彼女はいつもより真剣な口調で呟いた。胸の位置まで溜まった水に反響するように彼女の言葉が響き水面が揺れた。
「でもこうやってあなたと喋ると改めて違う人なんだなって実感しますね。二重の意味で。」
「ん?あぁ、性格と胸の大きさで二つってことか。」
激しく水しぶきが上がり、貴重な水が溢れ出した。それと同時に彼女の手も上がった。
「ボコッ」
「なにすんだ!今のは不可抗力だろ!罠にはめやがって!」
「二重ってそういう意味じゃないです。私が言いたいのはですね...やっぱりなんでも無いです。聞かなかった事にしてください。」
「うわ、一番気になるやつじゃん。闇が深そうだし深くは聞かないけど。」
そろそろ出るかと一言。そうしましょうかと一言。
私達は着替えながら話を続けた。
「まー簡単に言ってしまえば会って4時間くらいしか経ってないのにこんなに喋れるなんて初対面じゃないみたいですね。ってことですよ。」
「そうかもな。前世はセルと悟空だったかもな。」
「なんで敵対関係なんですか!?」
「あ、もちろんお前がセルだぞ。」
「頭でも吹っ飛ぶんですか?」
「「なーんちゃって」」
「「あはははは」」
二人でパジャマに着替えた。服のサイズ...というか。服の種類が男性用しかなかったので彼シャツみたいな感じになった。幸いにも好きなキャラのTシャツはSML全て買っているので良かった。というかマシなのがこれしかなかった。その他はエロゲの物ばかり。少し軽蔑されたが問題無いだろう。
「私の家にはベットが一つしか無い。しかもシングル。と言うことでどっちが寝るかジャンケーンをしよう!」
「いや、二人で寝れば良いのでは?少し肌寒くなってきた頃ですし。」
「え、良いの。やった!」
何故か喜んでしまった。こころなしか頬もつり上がっている気がする。
あー。本当に楽しい。友達ってこういう事なのかな。明日はデパートへ服を買いに行くことになっている。ふふっ。明日が楽しみだ。
期待を胸に、この大きな胸に抱え明日が来るのを眠りにつきながら待ち望んだ。
あとがき
こういう友達がほしい。あっ、別に友達がいないわけじゃ無いですよ!ホントだからな!