複雑・ファジー小説

壥墸屋敷童話 ( No.1 )
日時: 2022/06/03 19:56
名前: るりぃ ◆M6R0eWkIpk (ID: l1OKFeFD)

 いつかいつかの昔の話。
森にはあおいめの子どもたちがいました。
子どもたちは6人おり、どれもみな黒髪のうつくしい子どもたちでした。

ある日、男がその森に迷い込みました。
男はそのうつくしい子どもたちに、すっかり惚れこんでしまいました。

「きみたちと一緒に過ごしてもいいかい?」

子どもたちは頷き、7人は森のおくで暮らしを始めました。
それはとても楽しい日々でした。
6人の子らはうりふたつのうつくしさで、めいめいに男にやすらぎを与えました。
男は、この世のものとは思えないこの場所を、楽園と呼びました。

ですが、楽園をもたらした子らは、ひとつの約束を男にさせました。

「けして鏡をのぞいてはいけません」

不思議に思いながらも、男はきちんと約束をしました。
この生活を手放したくなかったからです。

しかしある日、子らが森の外にお出かけにいってしまった時のことです。
男は、おやしきの奥にある部屋から、声が聞こえることに気が付きました。

男が部屋に行ってみると、その部屋には光を放つ鏡がありました。
鏡からは、なにかのささやき声が聞こえるのです。

男はその声を聞いてから、驚いて鏡に飛び込みました。
それから、


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