複雑・ファジー小説

十二対の青眼魔 ( No.3 )
日時: 2022/06/03 20:32
名前: るりぃ ◆M6R0eWkIpk (ID: l1OKFeFD)

十二対の青眼魔-(URL)

壥墸屋敷童話の原典となった民話である。
出版年、作者ともに不明。
○○区図書館にて偶然書架に紛れ込んでいたのを職員が発見した。
正式な文書ではないため、図書館側は持ち主を捜索したが、持ち主は不明のまま。
なぜかこの本に惹かれる人間が多く、貸出希望が複数あったため、区の所有物として貸出を開始。
下記に概要を記載する。


ハスカイアと名付けられた森には、魔法使いの6つ子が棲み付いていた。
彼らは遠い場所からやってきたため、見た目もこの世界の住人とは異なっていた。
そんな彼らのところに、ある日迫害を受けて追い出された砂漠の民がたどり着いた。
砂漠の民は慣れない森まで追放されて疲弊しており、更に人を恐れるようになっていた。
「これはおかしい、この憔悴の仕方は悪魔の仕業に違いない」
そう考えた6つ子は、砂漠の民に取りついた悪魔を祓うべく、森の屋敷に男を閉じ込めることにした。
研究を重ねるうちに、男に取りついた悪魔は『悪夢』を齎すことができ、『鏡』や『水面』を媒介に接触してくることが分かった。
また、この男が死んでしまえば、また新たな標的を定めるであろうことも判明した。
魔法使いの6つ子は、まず男に生きていてもらうため、屋敷の中の水場を廃し、鏡を男の目に触れない場所に移動した。
しかし、男の処遇を決めかねてしまう。
どうするべきかと悩んでいた隙に、危険を察知した悪魔は男を殺してしまった。
魔法使いの6つ子は男の死を大層嘆き、この悪魔が屋敷から出られないよう封印することにした。
6つ子の活躍で悪魔は屋敷の中に閉じ込められたが、悪魔の影響は大きかった。
ハスカイアには、死を求める人が吸い寄せられるようになっていったのだ。
ハスカイアの奥にある屋敷で、悪魔は今も餌を待ちわびている。
森の中に入る時、ハスカイアに繋がっていないか注意することだ。
ハスカイアはいつでも、口を開けて待っているのだから。